Be your light
もう、いつ付けられたかも、何回目かも分からない無数の傷をそっと撫でる。
「痛い」ということさえ忘れてしまった。
光が遮られ、外に出ることもかなわない私は、いつ帰ってくるか分からない家主を
ただただ待っている。
帰ってきたとて、また身体に傷が一つ、二つと増えていくだけだ。
絶望の中、死ぬこともかなわずに今日も、ただただ生きている。
疲れ果てたのか、いつの間にか眠った私は夢を見ていた。
私は、暗いトンネルの中をひたすら走っていて、まるで何かを必死で追いかけている。
あと、あともう少しで…
突然、大きな爆発音がしたと思って思わず目を開ける。
途端に、視界が光に包まれ、目を開けていられない、そう思って目を細めた。
近づく一つの影。
誰かは分からない。
でも確かに、感じる。
強く伸ばされた腕が、大丈夫だと、信じてもいいのだと。
「…助けに、きた」
何度も、何度も求めた光は。
そう言った後、太陽のように眩しい笑顔を見せた。