7 とやんぽいん
「こーとりさーまー」
楽しげな笑い声と共に、林を抜けてやってきたのは騎士団の制服を纏った青年。
「あーゆー''()%%^^♪(^^♪♡」
熊の背中で幼女が笑いかける。
「お仕事終わりましたー、あそびましょー♡」
アールの背後をうかがった子供は眉をひそめる。
「ぐぇいしゃは?」
「えー、だ・・・ぐ、グレイさんはまだお仕事です。
遠くへ行ってるからしばらくは戻らんでしょう」
「むぅー・・・」
子供の唇が不満そうに突き出され・・・
「ぐぇいしゃのばかー」
ざっ、と風が巻き起こる。
「わぷっ」
突風にまかれて髪をみだしたアールは、めげずに笑って子供を抱き下ろした。
「あれっ、少し重くなったかなー。
冒険者のお仕事は大変なんですよー。
それよか、俺たちと遊びましょうよ、ねっ」
「むー・・・」
とがった唇は戻らないままだけど。
「とやんぽいん、やゆ?」
「おお、それってなんだ?
何度か言われたけど、何のことなんだか」
「わからなかったのよねー」
大きな熊と砂漠猫が不思議そうに尋ねた。
「ああ、俺とだんちょ・・・グレイさんが、この子を送ってくるときにやってた遊びだ」
アールはにっこり笑う。
「小鳥様の故郷では、はやってた遊びらしいぞ。
グリン、人型に戻ってマント貸してよ」
その少しあとの事。
馬に乗って王都から遠ざかるグレイに異変が起こる。
上空で激しい風音がしたとおもったとたん、ばこっと後頭部を殴られたのだ。
「ぐぇいしゃのばかー」
ばかー、ばかー、ばかー・・・・・・
きれいにエコーがかかった風が吹き抜けていった。
『それ、確かに伝えたぞ』
笑いを含んだ若い男の声と共に。
『「いとし子」が寂しがっている。早く戻ってやれ』
「・・・コトリが?」




