28/40
2 『精霊のいとし子』2
2
黒い狼の人は、『風』の「ぐぇい」
黄色い狼の人は、「あーゆ」
猫さんの人は「えんな」で、熊さんの人は「りんろー」
お唄の下手な大きな声の「あるとー」は『明るいの』で大きく。
お歌でお話してくれる「いっさ」は良い匂いで柔らか。
お耳で聞く音と違うけど、お口がうまく動いてくれないの。
もっといろんな人たちがいるけど、おなまえおぼえなきゃいけないんだけど、すぐになんだかわかんなくなっちゃう。
『みんな』に聞いても、むずかしいねって笑うだけ。
『みんな』も、『王しゃま』のおうちにいたときより、少なくて。
まえみたいにいっぱいあそんでくれない。
お歌をいっぱい歌ったのに。
『みんな』といっぱい歌ったのに。
『王しゃま』のために歌ったのに。
『もう、人の世界にお戻り』って。
『嫌なことはみんな忘れて、やり直そうね』って。
でも、『王しゃま』が大好きなお歌は、忘れないから。
もっといっぱい、歌うから。
『みんな』といっぱい歌うから。
聞いててね、『王しゃま』
大好きな『王しゃま』
いっぱい、いっぱい、歌ってあげるね。




