表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊王の庭   作者: 葉月秋子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/40

10 『いとし子』と音楽

10


「王女マリッサの名において、命じます。

 第七騎士団の先の三名を、ただちに招集するように」


 マリッサの言葉を受けた女官が、小走りに退出していく。


「王女殿下!」


 ハートマン女史の非難の声にもめげず、マリッサは『いとし子』を見つめる。

 巨大な灰色狼にしっかりと抱きつき、涙目でこちらを睨んでいる、黒髪の幼子。



「『精霊のいとし子』さまの養育については、このマリッサがすべての権限を頂いております」

 マリッサはきっぱりと言った。

「これ以上『いとし子』様を怯えさせるわけにはまいりません。

 なによりも優先すべきなのは、この子の幸せ」


 こちらに害意が無い事を、何とかわかっていただきたいのに。




 壊れた楽器を取り上げ、切れた弦に触れながら、ため息をつく。


「動物がお好きかと用意したぬいぐるみが、死骸に見えていただなんて。

 この様子では、音楽も、お気に召さなかったのですね。

 いったい何を、お喜びになるのでしょう」


 

「いや、それは違うぞ」


 グレイは思い出す。


 あの、「歌う森」を。




「この子は、音楽が好きなはずだ」


 あの時も『精霊王』は何と言っていた?


『この楽曲を失うを惜しんで』と。

『精霊王の庭』に満ち溢れていた、生命が躍動するような旋律。

 響き渡る、異質でありながら快い、あの音の流れ。 

 いつまでも、身を浸していたくなるような。


「おい、ハルト」

 グレイは『渡り人』であった旧友を振り返る。


「お前の古巣の音楽は、こちらとはどう違うのだ?」


「地球の音楽、という事か?」

 金髪の大男は答えた。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ