表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/26

4話 鬼畜のヘレス

◯宿屋

リキッドはお使いにきていた…。

少年のお仲間さんに手紙を渡さないといけない


真昼だというのに、空は暗い。一雨きそうだ。

少年に言われた宿屋を訪れ、女将さんに部屋を案内された。

部屋は酒瓶で溢れていた。

一体いつからいるんだというレベル。

そこには1人の女性がいた。

浴衣姿で、着衣が乱れている…。

昼間だというのに顔が赤く染まっているのは、さっきまで呑んでいたのかもしれない。

大事そうに猫を抱えて眠っていた。成人した女の子だ…。

仕方がないから起こす


ヘレス「(目をこすりながら)ありり?誰りゃろ。リエンの友らち?」


リキッド「(手渡す)その人からの手紙を預かっている。すぐに動いた方がいい」


ヘレス「(猫をなでながらテンション高めで)私はヘレストレス・オーネスト。通称天秤のヘレスと呼ばれてりゅよー」


リキッド「(驚いて)ヘレスって、地方では言葉にするのも禁忌とされる…あの鬼畜のヘレス!?めちゃくちゃ有名人だよ。変態と恐怖の代名詞じゃん」


ヘレス「(落ち込みながら)本人を前にして、鬼畜…変態って失礼なことを…」


リキッド「(疑いながら)証明して…欲しいかも」


ヘレス「(開き直って徐々にテンションをあげて)うぃ…鬼畜の証明?いやいや…送還師として名高い私の力を見たいと。まぁ確かに蓮座想観は、私だけのユニークスキルだからね…目立っちゃうよねーうひひひひ」


ヘレス「(両手を広げ、膝にのっている猫に注目させる)さぁさぁさぁ、ここに御座しますは我が愛猫。この子を廊下の外に送還して見せましょう」


蓮の花が猫を宙に浮かせる。


ヘレス「(なんまいだーなんまいだーとつぶやき合唱する)蓮座想観 転生送還」


リキッド「(取り乱して)いや…いいから…もうわかった。可愛そうだから…ストップ!」


蓮の花は猫を包んだかと思ったら、猫を押し潰した。

気持ち悪い音とともに花は真っ赤に染まる。


リキッド「(目を強くつむる)うぅ…ごめんなさい…私のせいで…」


ヘレス「(腰をあげ)さぁ、無事に廊下に送還出来たかなー」


ヘレスは襖を開けると猫が気持ち良さそうに寝ていた…。


リキッド「(暗い顔)オリジナルが死んで…コピーが生まれたともとられるから禁忌とされるんだよね…送還師というよりも転生の象徴…」


ヘレス「(腕をくみ偉そうに)私は、100回は軽く死んでるから…もう気にしてないよ〜。慣れだよね…こういうの。覚えてる景色があれば飛ばすことができるよ」


ヘレス「(自慢げ)教わる人がいないから自分で開発した技が多いよ〜。見てみる?5個しかないけど」


リキッド「(微妙そうな顔)わりと天才肌だから…怖いんだよね。技が知られてない分余計に…ユニークスキルは想定することが難しいから」


ヘレス「(テンション高め)褒めすぎだよ」


リキッド「(胸に手をあて)私は、リキッド…よろしく」


リキッド「(首を傾げ)あなたに仕事がまわったということは、倫理を無視した送還かな…」


ヘレス「(思い出そうと)…リキッド?どっかで聞いたような…やっぱり聞いたことないような…。まぁいいや。地下監獄への幽閉してたやつが脱走したからね…秘密裏に回収しないといけないらしいよ」


リキッド「(微妙な顔で)秘密裏かぁ…なんか今外部に情報が漏れたような…」


ヘレス「(首を傾げ)なんか言った?リエンの使いでしょ。事情は知ってるでしょ」


リキッド「(静かに頷く)吸血鬼の送還だろね」


ヘレス「(ぐーサインして)うぃ、その通りら!手紙で場所はだいたいわかったから…案内してくれ」


リキッド「(肩をかしながら)大丈夫?千鳥足じゃないかな…もぅ…雨降りそうだから急いでよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ