25話 青色人種
ヘレス「今はいざこざより団結なんよ…。この2人は水と油なん。話を進めるんよ…。クラージュ!誰がニエラを運んできたん?」
クラージュ「三尸の1人のラミという男には、気をつけた方がいい」
ヘレス「リーダーじゃなくて?同格の立ち位置なんかな?」
クラージュ「ボスは…ムルムル出身者で…水想観使い。元一等国民…。この街でなら…トップがとれるって感じでのさばっていただけ。ただの小物だったんだけど…ラミという男がきて、思想が変わった」
クラージュ「ムルムルに復讐する。返り咲く手筈が整ったとか言って…。大喜び…」
ヘレス「ニエラはどこから、運ばれている?」
クラージュ「ピソーク…」
リキッド「きな臭い…ムルムルとピソークの争い…かな」
ヘレス「…それで…ラミという男の特徴を教えて」
クラージュ「青い鱗に囲まれた人間…多分…同じ人類」
リキッド「…ふざけてる?」
クラージュ「…ふざけてない…。いたって真面目。五色人だってさ…。そのうちの青色人種」
ミル「…この街のこと以外はあんまり知らない」
リキッド「白人、黒人、黄色人…が1番ベターなくくりかな。青い鱗に囲まれた人間…それは人類?」
ヘレス「私も知らないんよ」
ミル「蛇と交わった人間がいるとか?」
リキッド「…ないね。交雑(異種交配)の可能範囲にない。一般的には、属が同じレベルであれば、交雑の可能性は高くなると思う」
ヘレス「クラージュが嘘ついてるんかな?」
クラージュ「…私は、生物全般に詳しい。交雑じゃない…」
クラージュ「今回の場合、親から遺伝子情報を引き続いだとか…そんな考え方をしてたら話しにならない。ダーウィンの進化論にとらわれず…考えたらありえるかもしれないけどね。」
クラージュ「…植物にはよくある話し。遺伝子の水平伝播という進化の抜け道を使い、直接は関係のない遠く離れた種から遺伝子を手に入れる。」
リキッド「…うん、わからない」
クラージュ「進化にウイルスが関与する…その可能性がある…。詳しい説明は省く…自分で調べろ」
ミル「五色人の種類って?」
クラージュ「ラミが言うには赤色人種は、蚊の遺伝子が混ざってるとか…。」
リキッド「…それって…吸血鬼…みたいな…」
クラージュ「失われた五色人…そう言ってたかな」
クラージュ「ラミという男は、中性的な顔つきをしている。
レディース系のパンクファッションを好んできる。スカートには、チェーンがぶら下がっている。靴下は非対称。ドクロをモチーフにしたシャツ。黒っぽい上着を着ている。
少し人とは変わった立ち方をする。少し斜めに身体をよじる」
クラージュ「話せることは話した。用済み…殺すなら私だけにしてほしいかな…間違っても虎だけは殺さないように」