21話 決意を胸に
◯ヘレス自宅(夜)
ベロムとヘレスは二人で酒を交わした。
2人はベッドに座り込む。
ヘレス「身体に染みわたるんよ」
ベロム「何で、俺がお前と酒を交わさにゃならん」
ヘレス「時には、腹を割って話さにゃならん時があるんよ」
ベロム「今回の件か?」
ヘレス「…うぃぃ、そうなん!大人の意見を話し合っておかないと!」
ベロム「…俺からしたら、お前もガキと変わらんがな」
ヘレス「まぁ…私もさ…こういう時ぐらいは真面目に考えてるのさ」
ヘレス「…ミルにはどう伝えるか…」
ベロム「事情を話して…どこか遠くに逃げるべきだな…」
ヘレス「…多分さ…話して…リキッドの怪我見られたら…間違いなく…ミルは戦うと思うよ」
ヘレス「生きた人形…殺してあげるのが優しさ…。罪を重ねさせない…って思うはず」
ベロム「…かといって嘘をついて連れて行くことも出来ん…。理由を説明しても…納得いくものにはならん。殺された。自殺した…アムールをおいて遠くに逃げる選択にはならん」
ヘレス「…じゃあ…どうするん?」
ベロム「手足を縛ってでも連れていく…」
ヘレス「…まぁ一つの回答なんよ」
ベロム「お前の回答は?」
ヘレス「私は…みんなの意見を尊重したいかな…」
ベロム「…ポンコツが3人も揃ったと…」
ヘレス「意見を押し付けられても…納得いかない案件には変わらないはずなん」
ベロム「…だから、各々で判断しろと」
ヘレス「今回の件は…遅かれ早かれ…巻き込まれたはず…ベロムに責任を押し付けるわけにもいかないと思うんだ…」
ベロム「…俺がどうしたいか…それを再確認したかった…と。そういうことか?」
ヘレス「その通りかな〜」
カタっ。物音が聞こえる
ベロム「…誰だ」
誰かがドアを開ける
リキッド「いい雰囲気に見えたから…いつ押し倒すのかな…と」
ベロム「それはまた、謎の密会だな…」
リキッド「恋は、自由でいいと思う。私が面白い」
ベロム「…何で、お前がこんなところにいるんだよ」
リキッド「いやー、私は一人で眠れないんだ…」
ベロム「初耳だな…」
リキッド「いや…おじさんと出会った初日から…寝付けてなかったし…。夜中でも起きてたし。あの時はベロムのあとをつけたしな…」
ベロム「…それっぽい…嘘を…ついたな…」
ヘレス「つまり一人が寂しいと…じゃあ3人寝る?」
リキッド「何をすると!」
ベロム「アホらし…先帰るわ…」
リキッド「邪魔して悪かったって」
小さい声でリキッドは呟いた。
リキッド「…私は私の道をいく…おじさんがどんな選択をしても…私は戦うから」
ベロム「…何か言ったか?」
リキッド「ううん、何でもない」