17話 ヘレスの生き方
◯道
ミル「まさか、あの鬼畜のヘレスだったとは…」
ヘレス「天秤のヘレスだよー」
男A「おい。おまえ…」
ヘレスの頭に石を投げつけた。
その場で、ヘレスは倒れこむ
ミル「何すんだよ!ふざけるなよ」
男A「お前…ヘレスだって?化け物はでてけよ。生まれついた才能だけで…楽しやがって。こっちは生きるのに精一杯だってのによ。倫理を無視した送還?…基地外やろうが…テメーなんか消えちまえ!」
ミル「謝れよ!」
男A「なんで俺が謝らないといけない?こんな不条理なことないだろ。どうせ…いい生活ばっかりしてんだろうが…」
ミルは、ブチギレて殴りかかろうとした。
それをヘレスは腕を引っ張り静止した。
ミル「なんで、止めるんだよ。わけわかんねぇよ」
ヘレス「大丈夫…慣れてるから。いいから、このままいくんよ…」
男は今度は、ヘレスのお腹に石を投げつけた。
逃げるようにして、去った。
ミル「なんで、やり返さない。何も悪いことしてないだろ」
ヘレス「殴り返したら、彼は…私の事を認めてくれるん?」
ミル「…」
ヘレス「私のやり方で…私の事を認めさせる。小さい頃には…もうそう決めてた」
ミル「…腹立たないのかよ…。」
ヘレス「それは、たつよ。でも、無駄に歪みあうのはいけないんよ。この街の痛みごと私は飲み込む」
ヘレス「痛いのには、慣れっこだからね!」
ヘレス「転生送還士やり始めたのが、5歳の頃でさ…親もいなきゃ頼る人もいなかった」
ヘレス「送還士だからかな?気味悪がられて…盗んでもいない…罪まで被されたりもしたんよ」
ヘレス「やってもいない、罰をうけさせられ。汚名挽回をしようと…毎日一生懸命で…それでも石を投げつけられてさ…」
ヘレス「…誰かのために…何かしよう…そうしたら必ず…いつか報われるんだと信じて生きてきたんよ」
ヘレス「…結局、どこ行っても煙たがれて…居場所がない。名声を勝ち取った頃には…倫理的に問題がある…変態だ…鬼畜だ…罵られ」
ヘレス「…仕事しかすることなくて…掃除してる暇なかったし…。酒に入り浸るしかなかったんよ」
ヘレス「…けど…いつのまにかリキッドがいた…ベロムがいた…私は最高に幸せ者なんよ」
ヘレス「私は…私の道をいく…だから、馬鹿にされたぐらいで手をだしして欲しくない。私のいく道なんよ。手だしするだけ邪魔なんよ」
ミル「…仲間のために…何かしてやりたい!っそう思うだろ!リキッドだって、殴りかかるはずだよ!」
ヘレス「…うん、気持ちは嬉しい。リキッドなら…そうするだろうね。私のやり方がある…黙ってて欲しいな」
ミル「…なんで…そんな不器用な生き方でそんなに強く生きられるんだよ!」
ヘレス「蓮は泥より出でて泥に染まらず…。私は、私の道があるからね」
ヘレス「ミルは、どんな生き方をしたいん?」
ミル「アムールが連れさられて…自分の未熟さを知った…だから、仲間を守れる強さが欲しい」
ヘレス「自分を知り、人を知り、周りを知る。誰よりも冷静沈着に…誰よりも全体を見渡せる力…とても得難い強さなんよ…」
◯歯医者
ミルは、綺麗な土下座をした
ミル「僕に、漢を教えてください!」
ヘレス「土下座評論家の私から見ても、高得点なんよ!こんな、綺麗な土下座を見たことない。これは、断れないんよ!こんな、真剣に教えをこう少年を昨今の世の中では珍しい。断れば、下衆なんよ。」
リキッド「インテリ系の私たちは騙されない。これは…孔明の罠…。1択しかないように…思わせてる…知っててなお…断れない状況をつくりだしてる」
ベロム「ヘレスが…あからさま過ぎて…目も当てられない」
リキッド「類は友を呼ぶ…これは、おじさんが悪い…引き受けるしか…ヘレスも必至…少年も必至」
ベロム「…お前が、来なきゃこうはなっていない。呼んでいるのはお前だ」