15話 タコはリキッドが冷凍保存しました
◯歯医者(夜)
リキッド「…あれ?せっかくタコをいっぱい捕まえてきたのに…あの子たちがいない…聞きたいことがいっぱいあったんだけど」
ベロム「…ウニが食べたかったんたがな」
ヘレス「うひひ。おちゅかれー遅いよー」
リキッド「…出来上がってるし」
ベロム「あいつらなら、あの後すぐ出ていったぞ」
リキッド「プライド…傷つけたかな…。何か、むなしいことしてる気が…」
ドアを急いで開ける音がする。
ミル「大変だ!アムールが…誰か…助けて!お願いだ」
ベロム「おい!何があった。とにかく落ち着け」
ミル「あの後…マフィアのビルの近くに下見に行ったんだけど…そこでアムールが…」
ベロム「いいから、落ち着けって」
ミル「…あいつら、本を狙って…無理やり持っていこうとしたんだ…それを離さなかったからアムールごと連れ去って」
リキッド「…はやくいかないと…」
ベロム「それで…助けてくれと。お前も戦うのか?」
リキッド「…そんな無茶だよ…僕じゃ」
ベロム「自分は命をかけないが…命をはって守れと」
リキッド「そこは、仕方ないよ。今は緊急事態だし」
ベロム「リキッド…少し、黙ってろ!それは、ミル…お前のせいなんじゃないのか?お前が本を売りに出さないといった…。お前がマフィアをやっつける下見をしたかった。お前が全ての元凶…それに命をかけろと?自分は戦わないのにか?ふざけるな!」
ミル「そんなこと言っても僕に何が出来るんだよ」
ベロム「助けてーんじゃねぇのか!大事な仲間なんじゃねーのか!」
ミル「僕には、支える力がない…」
ベロム「まず…自分が弱いことを知れ。そして、強くなれ…」
ベロム「たとえ、傷つくとしても。
男には、何かを背負わなきゃいけない時がある。
男なら誰かのために強くなれ。
自分がもろく砕けそうでも支えたい人がいるならその人の分だけ強くならないといけない。
大切な何かを守りたければそれ努力を厭わない覚悟をしろ」
ミル「おじさんだって、この状況じゃ何も出来ないだろ。死にに行けと…無茶苦茶だよ」
ベロム「…今回だけは力を貸してやるよ…!だがな…!大切な人間を守る力もねーのに、ふざけた真似すんじゃねー」
リキッド「…おじさん、どうするつもり?」
ベロム「今から言うものを用意しろ…策はある」