11話 事件解決
◯乾物屋
2月23日その日は霧が出ていた
乾物屋の店から1人の人間性が出てきた…。
そいつは寒空に身体を震わせ、路地裏へと入っていった。
そして、その人影を追うものがいた。
追跡者もまた路地裏に入っていった。
ヘレスのネコ「にゃあー」
甘い鳴き声が聞こえ、追跡者は足を止めた。
猫がすり寄ってきた
猫の背後から人の手のようなものが飛び出してその追跡者の身体をよじ登る。
その手は蓮の花から出てきているように見えた。
追跡者は、驚いたようだ。腰を抜かししまう。
リキッド「物音…がして来てみたけど…アタリだったみたいだね」
リキッドは追跡者の顔面を蹴り上げる。倒れたそいつに注射針を刺した。
刀に手を伸ばした追跡者は、なす術もなく眠りについた。
リキッド「…資料を読んだ結果は…路地裏はセーフティエリアになっていた。それは、武器が刀や剣であるから…首を切断するには動き辛い…ルールを重んじるなら特に…。撲殺するわけにはいかないからね」
ヘレス「どうやら、上手くいったようだね〜」
ヘレスは店から出てきた。
リキッド「今度は、正解だよ!刀もタロットカードもある」
ヘレス「いやぁ…2人目にして…ようやくだね!最初の人には申し訳ない。部分送還で人を驚かしちゃって」
ヘレスの右手はなく、蓮の茎が巻きついいる…
リキッド「それ、どうなってんの?」
ヘレス「短時間ではあるけど、切り離し可能という…。5つしかない私の技の一つ!部分送還…プカプカ浮かせることも出来るよ」
リキッド「…すごい痛いんじゃ」
ヘレス「そこは、慣れだよ!」
リキッド「霧の中では、人物を判定出来ないから成り代わりも簡単。そして、部分送還みたいな予想外のことについては…判別出来たとしても…対処不可能」
ヘレス「楽勝だったねー」
リキッド「問題は…乾物屋さんのコーロスとサイレントキリングの2人をどうするか…」
ヘレス「密林に送還しようか?」
リキッド「島流し的発想か…人に迷惑をかける連中には人のいない地に飛ばす。それもいいかな」
ヘレス「まぁ…法律もないこの街。牢屋もない。道の真ん中で磔にした事例もある。けど、石打ちに合うし…結果死んでしまう…」
リキッド「…死なせたくない…からの選択だけど正しいかどうかはわからない。罪人の命に重みはあるのかな…」
ヘレス「死刑制度は国よって違うし…。まぁ賛否両論なんよ」
リキッド「うん…ありがとう…」
サイレントキリングは蓮に包まれていく。
ヘレス「蓮座想観 転生送還」
辺りに不快な音が鳴り響く