10話目 情報収集
◯本屋
ヘレス「うへへー、店長!やっぱり情報買うんよ」
レジにお金を置いた。
情報屋のおじさん「ことの始まりは、去年の7月3日。霧が深い日に1人の女性が首を両断される…最初のタロットカードは愚者だった」
情報屋さんは、分厚い資料を提供した。
情報屋のおじさん「次の月には、魔術師…その月には…女教皇…女帝、皇帝、教皇、恋人…と毎月のごとく変わっていった」
リキッド「今月は何に当たるの?タロットカードの大アルカナの順番にみえるけど…」
情報屋のおじさん「今月は2件…騎士と王」
リキッド「…小アルカナだね…他の事件との違いは?」
情報屋のおじさん「2月3日に起こった事件の死体検分の結果は…撲殺であることがわかった。偽装で、首を切断しているが…切り口が違う…。あまりに水平に斬られている。安定した場所で…まっすぐ振り下ろされたとしか思えない。2月18日に起こった事件は絞殺であり、やはり切り口は水平である。両方に共通して言えることは物盗りの犯行であること。そして、殺害自体は霧が出ていない時間帯ということ」
リキッド「別の犯人がいるってことだね…。それをサイレントキリングも気づいている…と」
情報屋のおじさん「ゲームのように楽しんでいる殺人鬼…横から変な茶々を入れられるのは不愉快…だろうさ」
リキッド「それと…今日は2月22日…まだ今月は何も行われていない…か、だから新鮮なネタなんだ」
情報屋のおじさん「加害者は、乾物屋のコーロス・トロスティニン…。経営不振…金銭がらみのトラブルで近親者を撲殺…そこにはすぐにたどり着いた。急に羽振りがよくなったこと…質屋に流れた物から…間違いない」
リキッド「…あくまで可能性…ではあるけど。初めて、無差別ではなく…動くかもしれない…と」
情報屋のおじさん「細かい資料はいっぱいある。目を通してみるといい…ザックリした説明ではあるが…あとは自分でやんな」
リキッド「最後に質問?この小欄に書かれてることについて聞いときたい」
情報屋のおじさん「犯人はメクラか…あるいは日想観を扱う可能性を示唆しているだけだ。霧の中といえど…まるで普通の日のように見えている…としか思えんからな…じゃなきゃ犯行を今まで見つかっていないはずがない」
リキッド「メクラの場合は、タロットカードの識別をする協力者がいることになるし。日想観…は温度察知でサーモグラフィー化して…普通の人間よりも良く把握出来ている…か」
ヘレス「ローラー作戦をするよりもマシな気がするんよ。さすが、情報屋さんは違うよ。資料の分厚さ…プロは違うな」
情報屋のおじさん「知っていることは知っている。知らないことは全く知らない…たまたま知っている情報だった…というだけ。情報の捜査の依頼も受け付けております。またのご来店を心よりお待ちしております」