美少女だと思って買った奴隷が男の娘だった
こんな可愛い子が女の子のはずがないだろう?
ちんこついてる
それは世界で最も残酷な魔法の言葉である。どれだけ顔が良くても、どれだけ仕草が妖艶であろうとも、『ちんこついてる』ただそれだけで大抵の男という生き物は性的欲求を失うだろう。俺だってそうだ。そのはずだ…。
俺は世界に召喚されて、勇者として期待されていた。だが、実際に勇者だったのは共に召喚された高校生のイケメンだったのだ。仕事帰りの俺はたまたまそのイケメンの近くにいたから、巻き込まれただけの存在だった。
『元の世界へは勇者が魔王を倒さなければ帰れません』
そんな残酷な話があるか。俺は猛烈に抗議したが、その一見すると女性的に見えるイケメン君は思春期さながらのヒロイックファンタジーに乗り気だった。勇者本人がやる気なら俺にはもうどうしようもなく、数日間共に過ごす内に彼はチート持ちだということも判明したので、まぁ大丈夫だろうと送り出した時には割と余裕が出来た。
しかしながら、俺と言う一般人を、例え巻き込んだ責任があるとしても国の上層部は無駄金を使いたくないとわめきだしたらしく、俺は結局はした金を貰い殆ど着の身着のまま追い出される形になった。
仲良くなった勇者の悠君は既に旅立った後であり、必ず俺を元の世界に返してあげるとまで言ってくれた。でもごめん、悠君。俺は君が魔王を討伐する前におっちんじゃうかも。ごめんね。
と思っていたのだが、巻き込まれたとは言え俺も少なからず加護を貰っていたようで、チートとまではいかずともそこそこ強くはなっていたようだ。冒険者として活動して数年、詳細は省くが大成したと言えるほどまでになった。
余裕が出てくると欲が出るのが人間であり、俺だって聖人君子ではない。小さいながらも王都に家を買い、あとは寂しさを紛らわせることが出来る存在が欲しい。
と言う事で、俺は奴隷を買いに来たのだった。
最低限の会話が出来てもコミュ障に限りなく近い俺は冒険者生活の中でも特定の友人知人が出来ず、せいぜい「今日も生きて帰ってきたな」くらいのことを言い合うだけだ。だが奴隷と言うのは素晴らしい。こんな中の下(日本の友人評価額)レベルの顔でも、コミュ障でも、俺を優しく包み込んでくれるに違いない。
そんな幻想を奴隷に抱きながら、俺は奴隷商人の元へとやってきた。
「これはこれはいらっしゃいませ。奴隷のご購入は初めての方ですかな?」
「そうだ。この金で買える奴隷が欲しい」
「ふむ…これくらいのご予算であれば、そこそこに良い者をお買い上げいただけるでしょう」
そんな会話をして俺が買える奴隷を見て回る。
うさ耳、狐耳、はたまた犬耳に猫耳。うーんやはり獣人と言うのは素晴らしい。モフモフするだけでも癒されそう。しかもそこそこいい金額を出すことから、皆見た目も良い子ばかりだ。
そんな中、俺はある一点を見て目が釘付けになった。
モフモフは無いが、長い黒い髪。日本人によくあるような比較的平坦な顔つきながらも、大和撫子という言葉はこの子のために用意されたのではないかと言うほどの美人。背丈からして15歳ほどだろうか。俺が日本人だからと言うのもあるだろう、西洋の顔つきをした子たちではなく、その子のほうが明らかに可愛く見えた。
「決めた。この子にしよう」
「…あぁ、お客様はそういう方だったのですか」
…?どういうことかは分からないが、おそらく東方の顔つきのことを言っているのだろうか。まぁ、この国では滅多に見ないことからも、どこか遠い国の子なのかもしれない。やはり東洋人の顔つきは受けが悪いのかな。
「…?まぁ、そうだな」
適当な返事をしてしまったが、商人の男は何やら納得した顔であった。
奴隷を無事購入し、契約が終わって家に連れて帰った。
「あぁ、そういえば名前を聞いてなかったな。何ていうんだ?」
奴隷の子は人見知りなのか、おどおどしておりしばらくはこちらに心を開いてくれそうにない。しかし、共同生活のためには名前くらいは知っておきたかった。
「…えっと、アキ、と言います。…ご主人様」
「アキ、秋かな?いい名前だ。これからよろしく頼む」
名前を褒めると少しだけ嬉しそうにしながらも、アキはまだおどおどしている。まぁ、こんな中の下な男にこれから何をされるかわかったもんじゃないだろうからな。俺としても当然したいが、どちらかと言うと強引にするよりもイチャイチャしたいから、当分は手出しするつもりは無い。
「取り合えず、ここに慣れてもらうために、しばらくは家事手伝いでもしてもらおうかな?」
「かしこまりました」
ペコリ、と可愛らしいお辞儀をして了承するアキ。うーん、モフモフじゃないけど居るだけで癒してくれるタイプの子だな。買ってよかった。
アキを購入してから半年ほど経った。勇者の悠君は先日ついに重要拠点の一つを落としたらしい。ここから快進撃が始まるだろうという声をちらほら聴く。
そんな中、俺は着物を着たアキと家でのんびりしていた。
「はぁー。やっぱりアキが淹れてくれるお茶は美味いなぁ。心に沁みる」
「ふふっ。ありがとうございます。ご主人様が東方から僕に馴染みのある茶葉を取り寄せてくれましたからね」
クスクスと笑うアキは、もうすっかり俺の家に馴染んでいた。アキの着物は茶葉と共に東方から購入したものだ。どう考えても似合わない以外の選択肢が無かった。当然女物なのだが、そういえばアキが来た当初取り合えずメイド服を購入して渡したらかなり困惑していた。主である俺が渡したものだから当然着てもらったが、何というかスカートを履きなれないという感じだった。こんなに美人なのに、ズボンで生活していたのだろうか。その後もアキに服をプレゼントするたび似た様な反応をしたが、慣れてきたのか最近は『どうでしょうか?』なんて言いながらくるりと回ったりと、楽しそうだった。俺も楽しかった。見えそうで見えないのが。
隣に座り他愛も無いことを笑いながら話す。幸せな日々を送っている。
「あの…ご主人様」
「ん?どうした?」
「今夜は…御傍にいてもよろしいでしょうか?」
顔を赤くしながら俯いて、恥ずかしそうに小声で話すアキ。
これはそういうことなのだろうか。いや、そういうことなのだろう。
「…あぁ、いいよ。おいで」
「…はい」
アキの腰に手をまわして、寝室へと誘導する。アキも嬉しそうに、でもやはり恥ずかしそうにしながら俺に抱き着いている。
そうしてベッドにアキを押し倒し、口付けを交わした。
「ん…ふぁ」
緊張をほぐすようにアキの口内を貪る。アキも段々と積極的に絡みついてくる。
「…ふぅ…」
「あぁ…ご主人様ぁ…」
口を離すと途端に口寂しい感じがしてきた。するり、とアキの着物を脱がし始める。もうそこには抵抗する力はない。アキも俺を受け入れてくれる。そう考えると余計に熱が入る。
そして、次第に見えてくるアキの全て。きめ細やかな肌、小さな撫で肩、慎ましいなんて物じゃないくらいに慎ましやかな胸。少し違和感を感じるも、俺の手は止まらない。
臍が見え、そして最も大事なところが露になりー
そこにはちんこがついていた。
「…へぁ!?」
思わず普段の俺からはありえないような声が出た。アキがびくりと肩を震わせ、そのプルンとした柔らかい唇から声をあげる。
「ご、ご主人様?どうしました?」
「えっ?あっ?えぇっ?!」
「ご主人様…?」
嘘だろ、マジかよ。女の子じゃなかったのか。こんな可愛い子が女の子のはずが無かった!?待て待て、俺。混乱しすぎた。可愛い子は女の子だろうJK。まずは確認だ。もしかしたら巨大なアレかもしれないじゃないか。
「アキ…男の子だったの?」
「えっ?はい、左様ですが…。ご存知でしたでしょう?」
「いやいやいや!俺はてっきり…」
あの奴隷商人の「そういう方」って衆道のことだったのかよ!もうキスしちゃったよ!変態だよ!俺!ショタコンって言われちゃう!
「あっ…では…」
「ごめん、ちょっと頭が混乱してる。今日は…無理だ」
「…わ、分かりました」
アキが肩を震わせている。少しずつ、俯いている部分から落ちる雫がシーツを濡らす。俺が承知の上でアキを買い上げ、そして女物の服を着せるからそういう人だと思っていたのだろう。
「…僕は…愛して頂けないのですね…」
胸の奥が傷む。勘違いをさせたのは俺だ。そしてアキは本気で好きになってくれた。だが、男だと分かると、少なくとも今はもう興奮出来ない。只、アキのことを純粋に愛おしいと思う気持ちは変わらないことに気が付いた。
「アキ…すまない」
「いえ…勘違いした僕が悪いのです…」
「いや、勘違いじゃない」
「えっ?」
思わずアキがこちらに顔を向ける。
「俺も、アキのことは好きだよ」
「…でも…」
「何も、行為だけが愛の確認方法ではないだろう?それに…少なくともキスしたことは後悔していないよ」
「…」
少しばかり嬉しそうに頬が緩んだ。
「今は、驚いて混乱してさ。今日は出来そうにないけど、せめてこのまま一緒に寝よう。それくらいは、大丈夫だから」
アキはいつもいい香りがするんだよな。その匂いもあってか、俺は女の子だと勘違いしていたわけだけど。
「はい…」
就寝用のパジャマに着替えて、アキの温もりを肌で感じながら就寝した。やっぱりいい匂いがするんだよなぁ…。可愛いんだよなぁ…。キスした時の表情エロかったなぁ…。だが男なんだよなぁ…。
「どうすっかなぁ…」
すやすやと幸せそうに眠るアキの頭を撫でながら、今後のことを考え始めた。
誰か続き書いてください。おなしゃす!