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泣愛のトランペット  作者: kazuha
2章︰試験の罠
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テストも終わって

 期末テスト。

 1日多くて4教科。優しさからなのかテストのない日曜日を挟む計6日間。それを乗り切った私たちは部室に学生食堂に集まった。

「はい、これ速報」

 遥香がくれたのは、問題用紙が回収されなかった強化の回答らしきものだった。

「え? 全部やったの?」

「さすがの私もそんなに余裕ないし」

 と言ってため息をついた。

「うちの学年のトップ3人が協力して出したヤツを貰ってきた」

「え! 欲しい!」

 1階のコンビニで買ったデザートを口にしながら茉心ちゃんが手を伸ばしてきた。

「いいぞー。これで答え合わせてもっと不安になれ」

 にっしっしと笑う彼女の顔を見ると背筋が凍る。

「えっ! そんなに難しかったの!?」

 涙目になるのは明白だったが、そんなことも気にせず持ってきたそれをサラッと眺める。

 ……。

 ……。

「あっ、これも違う気がする……」

 慌てて口をおさえる。

 思わず口をついて出た言葉が、煽りになるのなんてわかりきっていることなのに。

 恐る恐る顔を上げるともはや泣いている顔がそこにあった。

「友梨ちゃんがダメなら、私なんてもっと……」

「いや、そうじゃなくて!」

「それ、火に油」

 制止に再び口をおさえた。

 気まずい空気のなか、答えを軽くさらっていった。正確にやるなんて怖くて出来なかった。あらかた出来てればいいや、みたいな軽いノリで今日はいたかった。

 お昼ご飯も食べ終えた。結果も最悪は免れそうだ。

「この後、君たちはどうするのかね?」

 帰り支度する遥香は教授のマネをする。

「なにそれ似てない」

「うるさい」

「今日は帰る」

「おっ、ならこれから遊びに行かない?」

「いいね! ボーリングしたいな」

「よし、人集めるか」

 遥香が携帯を取り出すと手慣れた手つきでどんどんラインを飛ばしていく。

「友梨もさ、吹部のメンツ集めるだけ集めてよ。パーっとみんなでやろう」

「わかった」

 私もできる限り連絡を取る。最終的に来てくれるのはほんの僅かだったけど。

「よし、あとは大宮集合っと。さ、行こう!!」

「おー!」

 足早に学食を離れる。

 そして、巻き込まれるのだ。試験の罠に。

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