01.メアリーの日常
私、メアリー・ジェイは、恋をしている。
「ジェームズ隊長、おはようございます! 今日も素敵ですね! 特に手首から肩に掛けてのラインがとてもセクシーです! 愛してます! 結婚してください!」
訓練所に現れた愛しの人に向かって、誰よりも真っ先に私が声をかけると、彼――ジェームズ・ホーカー隊長はこれでもかと嫌そうに顔をしかめた。
私はその嫌そうなジェームズ隊長の顔にすらほれぼれと魅入りつつ、どんな顔をしても彼の精悍な顔付きが損なわれないなんて、やはり彼は神が自らの手でお作りになられたのだわ、などと一人身悶えていた。
「おう、今日も変わらず変態だなメアリー、じゃあ訓練の前に城壁沿い二十周走りこみしてこい」
「何故ですか! でもそんな冷たい態度も素敵です! 分かりました、走ってきます!」
ジェームズ隊長と顔を合わせる度に、私は抑えきれない感情のまま彼を褒め称えるのだけど、それに対して彼はいつもこうして愛の指導をしてくれるのだ。彼は少々照れ屋なところがあるから、素直に愛情表現をする私に照れているのだと思う。
そうして日々、指導という名の訓練が強化されていっても、私は嬉々としてそれに従うだけなのだった。
「では、メアリー・ジェイ、行ってまいります!」
「あぁ、そのまま二度と戻ってくるなよ」
冗談とも本気とも取れない口調で言うジェームズ隊長は、やはり照れ屋さんなのだと私は思った。そして私は今日も元気に訓練所を飛び出したのだった。
城門へと向かって走っていると、中庭が見えてきた。そこには季節ごとに咲き誇る様々な花が植えられており、見るものの目を癒してくれる。そんな場所に、手入れをしている最中の園丁のパーカーおじさんがいた。
「おはようございます、パーカーおじさん。今日もお庭が綺麗ですね」
「おお、嬢ちゃん、今日も走り込みかい。朝から元気だねぇ」
私はその場で足踏みしつつ、パーカーおじさんに挨拶をした。
「はい! ジェームズ隊長の愛のご命令ですので!」
「はっ、はっ! 愛なら仕方ないねぇ」
「そうなんです、愛ゆえにです」
しっかりと頷き返すと、パーカーおじさんは私に一輪の花を差し出した。
「これさっき摘み取ったばっかのやつなんだが、嬢ちゃんにやるよ」
「まぁ! アザレアですか? 綺麗ですね……よろしいのですか?」
パーカーおじさんの手からアザレアをそっと受け取りつつ尋ねると、パーカーおじさんは勿論だと笑みを浮かべた。
「いつもこの庭を褒めてくれる嬢ちゃんに、ちょっとしたプレゼントだよ。良かったら貰ってくれ」
「ありがとうございます! 大事にしますね。それでは失礼します」
受け取ったアザレアを訓練服の胸ポケットに差し、その可憐さに頬を緩めつつも、私は一礼するとその場を後にした。
そのまま中庭を通りぬけて少し行った所に、渡り廊下がある。そこへ数人の女官の方々が見苦しくない程度に、急ぎ足で歩いていた。
「おはようございます、ヴェロニカさん」
女官たちの先頭に立つ女性に挨拶すると、ヴェロニカさんが私に気付いて驚いた顔をした。
「おはよう、メアリーちゃん。あら、今日も走り込みなの?」
女官の中でもベテランのヴェロニカさんが、首を傾げて尋ねてきた。
「はい! 城壁沿い二十周走りこみをジェームズ隊長から指示されました」
嬉々として私がそう答えると、なぜかヴェロニカさんが苦笑した。
「毎日大変ねぇ。ジェームズ隊長も容赦無いんだから」
「いえ、これも全てジェームズ隊長の愛ある指導ですので!」
「そう、愛なら仕方ないわね」
ヴェロニカさんがおっとりと頬に手を当て頷くと、後ろにいた他の女官の方たちも、一様に頷いたり微笑んだりしている。
「そうだわ、今日も頑張るメアリーちゃんに、これをあげるわ」
ヴェロニカさんはそう言って、前掛けのポケットから包み紙を取り出すと、私にそれを手渡した。
「これ……もしかして飴ですか?」
「そうよ、沢山頂いたから、貴女にもプレゼント」
「えっ! いいのですか?」
甘味はいまだ高級品である。城勤めの身とはいえども、砂糖菓子は容易には手に入らないのだ。
「いいのよ、それじゃあ頑張ってね」
「はい! では失礼します」
慎重に飴の入った包み紙をズボンのポケットにしまい、私は一礼すると渡り廊下を通り抜けた。
再び走り始めた私は城壁沿いにある、兵舎のある東棟の辺りに来た。そのまま突っ切ろうとしたとき、またしても声を掛けられた。
「おーい、メアリー嬢!」
足は止めずにその場でまた足踏みしつつ、声の聞こえた方へと振り向くと、東棟の一階端に位置する厨房の窓から、料理長のテスおばさんが逞しく立派な腕をぶんぶん振って私を呼んでいた。
「おはようございます、テスおばさん。休憩時間ですか?」
私が走りながら後退して窓辺に近づくと、テスおばさんは頷いた。
「そうさね。今朝の料理の味はどうだったい?」
「はい、とても美味しかったです。あ、でもスープにもう少しスパイスが効いてると、もっと美味しくなると思います。あと、デザートにフルーツがあれば嬉しいです」
厚かましい意見に思えるけれど、テスおばさんに上辺だけの感想を言うのは厳禁だ。以前、気を使って無難な答えを返した時、こっぴどく叱られたことがあるからだ。
「そうかい、じゃあもう少しスパイスを入れてみるよ。フルーツの方は少し待っとくれ。コーン地方での収穫が、今年は少し遅れちまってるみたいでさ、仕入れに時間がかかってんのさ。ほら、あの辺りは公国側に近いだろ? そのせいだと思うんだよ」
「そうなんですか。あ、でも私個人の意見なので、参考程度にと思って下さいね」
「水臭いこと言うねぇ。アンタの舌が確かなのは私が一番知ってんだから」
豪快に笑ってそう言うテスおばさんに、釣られて私も笑みを返しつつ、まだ城門にさえ辿り着いていなかったのを思い出して、私はテスおばさんに一礼した。
「では失礼します。私まだ走り込みの最中なんです」
「おや、またかい? ジミー坊ったら、アンタに無茶ばっか言いつけて、アンタもほいほい言うこと聞いてちゃ駄目だよ」
憤慨したようにテスおばさんが言うのを私は慌てて否定した。
「ち、違います! これはジェームズ隊長の私への愛の証なので、全く平気なのです! むしろ嬉しいんです!」
「そうなのかい? 愛ねぇ……だったら仕方ないさね」
腕組みをして神妙に頷くテスおばさんにホッとしつつ、私はやっとその場を立ち去ることができた。
しばらく走り続けると、ようやく城門が見えてきた。門の両端に見知った衛兵がいたので挨拶した。
「おはようございます、カーチスさんにアランさん」
「おっ、メアリーじゃないか。なんだ、お前また走り込みか?」
カーチスさんが呆れたように尋ねるので、私がそのまま首肯するとアランさんが同情するように言った。
「リオン隊が厳しいのは当たり前なんだが、お前さんの場合は行き過ぎというか、よくへこたれずにやってるもんだ」
「なにを仰るのです。誰に対しても厳しいジェームズ隊長が、私にだけ更に厳しいということは、それだけ私への愛が溢れているという証拠なんですよ!」
私が力説すると、何故かお二方は残念なものを見るような目で私を見つめてきた。
「そうか。愛なら仕方ないな」
「あぁ、仕方ない」
カーチスさんとアランさんが、そっくりな動きで頷く様子がまるで双子のようだった。やはり長年同じ職場で同じ時を過ごすと、似てくるのだろうかと関心してしまうが、はたと我に返り私は急いで城壁に近寄った。
「それでは走ってきます!」
「おう、頑張れよー」
気のないカーチスさんの声援を受けつつ、私は走り始めたのだった。
ようやく二十周を走り終えた私は、息を弾ませながら訓練所へと舞い戻ってきた。
「ご命令通り、城壁沿い二十周走り込み完了しました、ジェームズ隊長! なのでご褒美に次の休暇に、私とデートしてください!」
額に浮かぶ汗を拭いつつ、とても良い笑顔で懇願すると、ジェームズ隊長は疑わしそうな顔をして見下ろしてきた。
「昨日より戻ってくる時間が早くなってんじゃねぇか。お前、本当に走ってきたんだろうな?」
「なんてことを仰るのですか、酷いです! 誰よりもジェームズ隊長を愛する私を信じて下さらないのですか? 大丈夫です、私が走るのを城内にいる皆さんが目撃しているので、なんなら確認してくださっても結構です! なので、デートしましょう!」
「うるせぇ黙れ。……仕方ねぇ、とっとと班に戻って今日の訓練始めろ。それからデートはしねぇ」
「無情! でもそんな所もお慕い申しております!」
「いいから、とっとと戻れ馬鹿」
素っ気ない態度も格好いい、などと呆ける間もなく、私はジェームズ隊長に背中を蹴られながら、自分の班へと戻った。
もう少しジェームズ隊長とお話ししたかったと残念に思いつつ班に戻ると、副班長のダニーが私の代わりに隊員たちの訓練を監督していた。
「あ、ようやく戻ってきたんですかメアリー班長。まったく毎日毎日、よく飽きもせず隊長に絡んでいけるッスね」
「飽きることなどありません。なぜなら私のジェームズ隊長への愛は、生涯尽きることがないからです!」
「はいはい、そうですねー、ってその胸の花は何ッスか?」
ダニーに指摘されて私はハッと思い出す。
「これはパーカーおじさんが私にくださったのです。どうです、似合いますか?」
ふふふっと胸を反らすと、ダニ―は半眼になって言った。
「普通のご令嬢の格好して、黙ってれば似合うんじゃないッスかね。それよりも、よくジェームズ隊長にそれ着けてて怒られなかったッスね」
「はっ! そ、そう言えばジェームズ隊長、何も仰って下さらなかったわ! なんてこと、隊長ってば無視することによって、私を焦らすという高度な駆け引きをなさっていたのね!」
ドキドキしながら胸を抑える私を無視して、ダニーは隊員たちへと向き直った。何なのかしら、貴方までジェームズ隊長の真似をすると言うの。でも駄目ね、隊長の格好良さはダニーには表現しきれないもの。
「メアリー班長、妄想の中に浸るのもそこそこにして、とっとと隊員たちの指導初めて下さいッス」
「ダニー、私常々思うのだけど、貴方には情緒というものが欠けていると思うの」
「メアリー班長、オレ常々思うんスけど、あんたはその妄想癖をどうにかすべきだと思うッス」
「なんですってダニー、貴方って人は――」
「あの! メアリー班長!」
憤慨する私に隊員が声をかけてくる。声のした方を振り向くと、そこにはギラギラとした目つきの隊員が私を睨みつけていた。確か配属されたばかりの新人のうちの一人で、アンソニーとかいう子だったはず。
「なにかしら、アンソニー・ケンプ」
「えっ、なんで俺の名前……」
飢えた狼のようだった顔付きが、一瞬呆けたものになる。私が隊員の名前を覚えていることが、そんなに不思議なのかしら。
「なにか用があるのかと聞いているのよ、アンソニー」
私が再度問いかけると、アンソニーはハッとした風に元の険しい顔付きに戻った。ころころとよく表情が変わるのは、見ていて面白かった。
「俺と、打ち合いの訓練をして欲しいんです」
ギラつく瞳の奥にある、確固たる自信のようなものを感じ取った私は、ふむとしばし考える。ちらりとアンソニーの回りにいる新人たちを見遣ると、何人かは私に対して彼と同じような険しい顔付きで睨みつけてきている。
なるほど、と私はすぐに納得した。今年はなかなか誰もアクションを起こさなかったので、骨のない新人ばかりなのかしらと、些か残念に思っていたところである。
「おい、お前なに勝手なこと言ってんだ。訓練もまともにこなせねぇくせに、メアリー班長と――」
「いいでしょう」
ダニーを制して頷くと、アンソニーやその周りにいた新人たちも、一様に驚いた表情を見せた。そちらから言い出したことなのに、何なのかしらその態度は。
「おいおい、メアリー班長勝手なことしないで下さいよ! また隊長に怒られるッスよ!」
ダニーがちらちらとジェームズ隊長の方を伺いながら、私に抗議してくる。
「でも彼らは、私の実力が知りたくて仕方ないようだけど?」
そう言って目線で新人たちの方を示すと、ダニーは渋い顔をした。
「班長である私の指示を聞き入れられないような隊員は、戦場で無用な混乱を招くだけです。彼らも納得すれば、私の言うことを聞くでしょう」
そうですよね、と新人たちの方に顔を向けると、彼らは今にも飛びかからんばかりの勢いで私を睨みつけていた。元気があって、大変よろしいです。
「はぁ……俺知らないッスからね。ジェームズ隊長に怒られるなら、一人で怒られてくださいよ」
「当たり前でしょう! 褒められるのも怒られるのも、全て私一人でいいのです!」
「いや、褒められたことなんて、ないじゃないッスか」
ぶつぶつと文句を言うダニーを華麗に無視し、私は早速訓練用に刃が潰してある剣を取りに行く。新人たちも自分たちの剣を手に準備を始める。
他の班の訓練のじゃまにならないよう、訓練所の隅へと移動する。他の班の隊員たちが、何事かとこちらを見てくるけれど、誰も声をかけてこない。新人以外には見慣れた光景になっているからだろう。
まだ何も言ってこないジェームズ隊長を窺い見ると、彼は黙ったまま厳しい顔をしているだけだった。やはり私の愛はジェームズ隊長に通じているのね。
「それじゃあ、メアリー班長から一本取ったら勝ちとする。まずは――」
「いいえ、私のこの胸にある花を散らすことができれば、勝ちとしましょう」
私の胸で誇らしげに咲くアザレアを撫でつつ言った。私の正面に立ったアンソニーが、嘲るような顔で言う。
「それ、本気で言ってるんですか?」
「何かおかしいですか? それとも貴方は私に勝つ自信がないのですか?」
私が呆れたように言い返すと、アンソニーは分かりやすく怒りで顔を紅潮させた。
「無駄口を叩くのはここまでにしましょう。ダニー、合図を」
「はいはい、それじゃあ両者向い合って……始め!」
いまいち気合の入らないダニーの声を合図に、私とアンソニーの打ち合い訓練が始まったのである。
「さぁ、これで私の勝ちです。理解したのなら、今後私に向かって反抗的な態度を取らずに、素直に命令を聞くと誓いなさい」
「ぐっ……!」
アンソニーの首元へと切っ先を突き付けて言うと、彼は悔しそうな顔をして私を睨み返してくる。すでに彼の持っていた剣はその手を離れ、彼方へと放り出されたままだった。勿論、私の胸には訓練を始める前と変わりない姿で、アザレアが咲き誇っている。
私とアンソニーを見ていた他の新人たちは、皆一様に困惑した様子だった。彼らは知らないだろうけれど、リオン隊に新人が配属される度に、似たような騒動が起こるのだ。
「上官が誰であろうと、命令は絶対です。命令に従えない者は、戦場では真っ先に死ぬのですよアンソニー」
悔しそうに私を見返すアンソニーは、それでも私に従う意志を見せない。それどころか、突き付けられた剣を引いて、自分の方へと引き寄せた。思わぬ反撃に驚いた私の脇腹に、アンソニーの蹴りが見舞われようとしたが、私はそれを足を上げて防ぐと、直ぐ様アンソニーの顎に拳を叩きつけた。
「がっ」
よろめくアンソニーの顔に更に拳を何度か叩き込み、その後に彼の両肩を掴んで引き寄せてから、膝を思い切り鳩尾に打ち込んだ。
アンソニーが腹を抑えて蹲った所を私は素早く背後に回り込み、彼の首に腕をかけて締めあげた。
「もう一度言います。私の命令に従うと、誓いなさい」
「ぐっぁ! い、や……だ!」
ここまでされておきながら、まだ反抗的な態度をとるアンソニーに、私は呆れと同時に感心もしていた。久々に骨のある新人が入ってきたのだと。
「誓いなさい」
「あっ、くっそ……!」
ギリギリと締め付ける腕に力を込めると、アンソニーの顔がどす黒く変色していく。本当に根性のある子だわ。
仕方なく失神させるために最後の締め付けを行おうとしていた私の背後から、聞き慣れた愛しい声が聞こえた。
「おい、そこまでにしておけメアリー」
「まぁ! ジェームズ隊長!」
振り返った拍子につい力を込めてしまい、私の腕を外そうと躍起になっていたアンソニーの手から、だらりと力が抜けた。
「あら、落ちたのアンソニー?」
アンソニーの首から腕を離すと、彼の体がぐらりと傾いで地面に倒れこんだ。
「メアリー、てめぇまたやりやがったな……」
怒りの篭った低い声に、私は急いで立ち上がって身なりを整えながら、ジェームズ隊長へと向き直った。残念なことに、アザレアの花が潰れてしまっている。やるわね、アンソニー。
「ジェームズ隊長、今回配属された新人は、なかなか根性がありそうですよ!」
笑顔で言い放つと、ジェームズ隊長の眉間の皺が何故か量産された。
「あー、取り敢えずメアリー班長を叱るのは後にしてくださいジェームズ隊長。……おい、次は誰がメアリー班長に相手して貰いたいんだ!」
ダニーが辟易した様に辺りを見回す。しかし先程まで威勢のよかった新人たちは、皆顔色を悪くして口を噤んでいる。残念、久々に暴れられるかと思ったのに。
結局私に立ち向かうという者は現れず、失神したアンソニーを医務室に運ばせた後、何事も無く訓練が開始されたのだった。
ちなみに、その日の訓練が終わった後、隊長室に呼ばれた私はこっぴどくジェームズ隊長に叱りつけられた。アンソニーに対して行ったことを怒られたわけではなく、もっと迅速に相手をねじ伏せろと叱られたのだ。毎回新人が来る度にこういう事が起きて、私が力尽くでねじ伏せ、それを手際が悪いとジェームズ隊長が叱り付けるまでが、恒例行事のようになっている。
こんな風景が、この私、メアリー・ジェイが所属するバレーディア王国軍リオン隊の、よくある風景なのである。
「てめぇは何考えてんだ。やるならもっと速やかに対象を沈黙させろ。戦場であんなにチンタラ相手してたら、他の敵兵に見つかって手間が増えるだろうが」
「申し訳ございません。私もまだまだ精進が足りないということですね。折角なので、ジェームズ隊長が手本を見せて下さい!」
「はぁ? ちょっと待て、なんで近寄ってくんだこの野郎、おい、ちけぇ!」
「ジェームズ隊長、もっと近づいて下さらないと、技が掛けられませんよ! さぁ、遠慮無く私の首に腕を回してくださ――」
「……ジミー、ちょっと話しがあるんだが――いや、後にしておこう。邪魔したな」
「まぁ、チャールズ副隊長お邪魔しております。お気遣いありがとうございます」
「おい! 待て! 誤解だ! 変な誤解が生まれてんぞ! こらっ、てめぇ離れろクソが!」
「あぁっ! そんな乱暴にされたら、私……」
「きめぇこと言ってんじゃねぇぞ! クソっ! チャック! おいチャック待ちやがれ!」
「はぁッ、焦るジェームズ隊長も素敵……」