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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

世界の破滅

In there of the beginning of end

作者: ナマケルモノtu文屋

誰かが『人は自由だ』と言った。

たしかにそうなのだろう。

自由で平和。たしかに5年前迄はそれがこの国の印象だった。平和ぼけしたあんまりにも愚かな国だった。

でも今は違う。あの事件以来この国は……いや、この世界の人類は存亡の危機に陥った。

事件の一年前世界の電波を乗っ取り彼等は戦勢布告した『一年後我らはこの世界に戦争を仕掛ける。この世界の人類よ、覚悟しろ!!』それはテロとして世界に受け止められ捜査の手が各国に伸びたものの、犯人は捕まらず月日がたつにつれ忘れられていった。

そしてそれは起きた。

私自身がそれに気づいたのは、ネットをしているときだった、まったくといっていいほどにネットに接続できなくなってしまったのだ。家にあるテレビを見ても情報はなく、仕方ないので家でテレビを見て時間を潰していたのを覚えている。

翌朝父がつけたテレビに世界の混乱が映しだされていた、何とか生き残った衛星等を駆使し届けられた情報は、この国に激震をおこした。

あまりにもあまりなその現状は、当時14歳だった私には衝撃的だった。

各国が何かに襲撃を受けているその動画はあんまりにも無惨な姿だった、それによりアメリカ、ロシア、中国、EU連合等の政府機関の麻痺は深刻だと報道されていた。

私自身はのんきなものだった、どんなに世界が攻撃を受けていてもあくまで対岸の火事だと思っていたふしがある。

だがそれが、絶望に変わるのはそれほど時間は必要としなかった。

翌日普通の生活をおくっていた日本に魔の手は伸びてきた。

驚異的なスピードで侵略が始まったのだ、日本政府としての放送として侵略者の名前が、『エネミー』とするとのなんの意味もない発表があった1時間後『エネミー』は、国会議事堂及び、アメリカ海軍の基地に襲撃をかけた。

国会議事堂は僅か30分で跡形もなく『人型エネミー』に粉砕され、沖縄にあった海軍基地は『飛行型 エネミー』及び『獣型エネミー』による二方面よりの襲撃に壊滅した。

自衛隊がスクランブル発進したときには既に時遅く、『飛行型エネミー(モデル 飛竜)』に日本の制空権は奪取された後だった。

それからは酷かった。

エネミーによる進撃は苛烈につきた。

私は両親と共に避難所等を転々とする日々が続いた、昨日話した人が翌日死体になって転がっているなんて事はざらだったし、生き残るのに必死だった。一月もすると回りにいる人達は誰もが憔悴しきっていた、心の拠り所であったラジオの放送も止まってしまい生きる気力を失う人達が大半だったと思う。

そんなある日とうとう父が、私と母をかばって獣型に食い殺されてしまった、その場は何とか母をひきずって逃げ延びたけれど、母はもうダメだった、そのまま四日後に憔悴のなか過労死してしまった。

それでも私が生きる希望を捨てられなかったのは、父の最後の言葉の為だった、「行けぇ!お前達だけでも生き残ってくれ……」微笑みそんな言葉を最後にはいた父が憎かった。なんで一人で生きなきゃいけないの?なんで一緒につれていってくれなかったの?そんな思いが頭のなかで浮かんでは消えていった。

そんなある日とうとう私にも命の危機が迫った。

もう終わりだ……そう心のなかで思いながらふと『自分の姿が世界から見えなければ死なないですむのに……!』そんなことを心のなかで考えた。

考えてしまった。

いつまでも来ない死の痛みに、閉じていた目を開くと驚くべき光景が目に飛び込んできた。

まるでそこにいた獲物を探すように、奴等はうろうろとさ迷いながらまるで自分が見えていないのかのように、あっちにうろうろこっちにうろうろして、首をかかげながら去っていった。

そして私は気づいた自分自身に宿った力に、自らの姿をこの世界にいる全てのものから見えなくするそんな力に、されどそれは恐怖でもあった。

自分自身が世界に同化していく感覚、自分の感情が希薄になる感覚に。

そして必要な時のみ使うことにした能力と共に私は生きることにしてみた。

暗殺者にでもなったように、時にはエネミーを殺し、時にはエネミーから隠れ 生きた。

気づけば5年もの月日がたっていた。

そして知った。

私以外にも何かしらの能力を手にいれて生き残っている人達に。

そしていずれは能力に呑まれて自我を失ってしまうことさえも。

ほらそこにいるかつてホームレスだったであろうおじさんも、能力に呑まれて自我を失って自分が何をしてるのかもわからなくなって、されど能力にしたがってただただ能力を使ってる。

「アアアアアアアアア!!ハラヘッタ!!ナニカクウモノ……ギヒャ!!」

かつて人であったものを貪りながら視線を絶え間なくナニカに向けてる。

その回りにはエネミーも人も関係なくただただ立ち尽くし自分が食べられるのを待っている。

狂った世界でさらに狂ったおじさんは、もう何をしてるのかもわからなくなって近くにあるものを食べるだけ。

せめて痛みなく殺してあげる。

私と同じ能力者。

なんの能力かは知らない。

でももう楽にしてあげる。

私は、持っていた包丁を彼の首に押し付けてひいた。

「おやすみ。おじさん。」

私はまだ生きている。

狂ってしまったけれど、生きている。

まだ壊れていない。

まだ能力に呑まれていない。

ならば最後まであがいて生きる。

それが父さんとの約束だもの。

とりあえず書いて見ました。誰か読んでくれてるのかわかりませんが。最後まで読んで頂きありがとございました。

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