騙しのテクニック
この時点で、僕と福山君の中で、どんなオチにするか
全く話し合っていません。
つまり、全部アドリブなのです。
そういう笑いのセンスに関しては、僕の仲間はそれぞれ方向性は
異なりますが、みな優れたものを持ち合わせていると思います。
何のアイコンタクトもないまま、僕が騙しにかかってるのに
福山君は気が付いたようです。
福:「松本、マジで教えっとね?」
僕:「だって、困ってるて言いよるけん」
福:「絶対、誰にも言うなって言うたたい。」
僕:「ばってん、俺もお袋に聞いたら知っとったばい」
斉:「えっ?けっこう有名なん?」
僕:「最近は、洗濯物ば分けて洗うのが面倒くさかけん、やっとらんて言いよった」
もう、「ばっくり」喰いついてます。
一言一句、聞き逃すまいと身を乗り出してます、斉藤君。
余りの喰いつき方に、正直、こっちがカル~く引きます。
まぁ、余り引っ張ってもあれなんで・・・。
ここらで怒濤のごとく、攻め込みます。
斉:「頼むけん、教えてくれよ」
福:「わかった。わかった」
僕:「あんね、基本はマヨネーズばい」
斉:「はぁ?」
僕も含めて、みな真剣な顔です。
ニヤついている奴なんて誰もいません。
斉:「マヨネーズ??」
福:「そぎゃんばい。メーカーはどこの奴でもよかけんたい」
僕:「洗剤の代わりに、マヨネーズば入れるとたい」
福:「マヨネーズの油成分が泥ば浮かすとたい。綺麗に取れるばい」
僕:「俺のユニフォームば、見てみてん」
斉:「あぁ」
僕:「な!綺麗かろ?」
もちろん、そんなに綺麗じゃありません(笑)
でも、ここまで来て「キタネェじゃん」なんては言えません。
だって、秘密の方法をやっと聞きだしたんですから。
斉:「マジで、マヨネーズ??」
福:「マジて。なんね、信じられんとね?」
斉:「いや、そぎゃんわけじゃなかばってん・・・」
僕:「じゃぁ、聞いてみったい」
ここで、偶然その日の日直だった上垣さんが登場です。