表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地震屋たち  作者: 春市


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/3

中華料理屋

 「さあて、帰って飯でも食うか!」


 な、遥斗?と、言いかけたとこで重大なことを忘れていたことに気がついた。

 「木佐貫さん!この子どうします!?」

 「やっべ!うっかりだわ。」


 そう、オオナマズにとり憑かれていた少年だ。十歳くらいだろうか?


 「うーん。どうしようか~遥斗?俺めちゃくちゃ横腹ハンマーで殴りつけちゃったよ!?」


 「過ぎたことは仕方ないですし...取り敢えず拠点に連れ帰って意識もどるまで介抱してあげましょうか。彼、オオナマズを見てるというか...とり憑かれていたわけですし...。口止めの必要はあると思います。」


 「よし分かった。じゃあ車回してくるから、少し待っていてくれ。」


 木佐貫がその場を立ち去ったあと、遥斗は少年をよおく観察する。

 服を脱がせ傷の状態を確認する。


 (想定してたより、外傷は少ないな。これならすぐに意識を取り戻してくれるはず...。)


 ナマズについては口止めの必要がある。それが組織が政府と交わしている契約だ。もしナマズのことが世間に知れわたれば危機的状況が発生しかねない。そういう理屈だ。

 この少年は聡明そうだし、あまり危険はなさそうだが、それでも油断はいけない。


 


 木佐貫が回した車に少年をのせようとするが...。


 「これ......完全に死体運び屋の姿じゃん...。」

 そう、少年はなかなか意識を戻してくれなかった。仕方ないので、たまたま車に積んであった風避けの黒いシートで少年をぐるぐる巻きにして運ぼうとしたのだが...

 遠目から...いや近場から見ても、完璧不審者である。

 通報されても文句は言えない。オマケに二人とも真っ黒の服を着てるせいで余計の怪しい。

 

 「...さっさと乗せましょ。」

 「おう...」


 




 東京都国分寺市、中心部からすこし離れた閑静な住宅街の一角にある。しがない中華料理屋。

 その正面に黒いバンが止まり、なかから二人と一つ大荷物が降りてきた。


 「おし、じゃあ車を裏に停めてくるわ。」

 「分かりました。」


 「よいしょっと!!」


 少年を担ぎ上げ、入店する。

 中には女性が一人カウンター席に座りながら雑誌を読んでいた。

 「石曽根(いわそね)さん...いま帰りました...。」


 「お。お帰り......何それ?」


 「...戦利品です...。」


 「どこで拾ってきたのその子?」


 「コイツにナマズがとり憑いていたんです。」

 石曽根と呼ばれた女は視線で席に着くように指示した。

 「ふーん...とり憑かれていた...?」

 「なかなか珍しいことを聞いたね...私が今まで担当してきた件ではそういう話は聞かなかった...。木佐貫はどう思う?」

 裏に駐車して戻ってきた木佐貫に問いかける。

 「さあな~。俺も聞いたことはねえな~。それより優子、水を一杯くれ。」


 はいよ、と差し出されたコップに注がれた水を木佐貫はグイッと一気に飲み干し、続けた。


 「まあ、そこの子ども聞けば多少状況も分かるんじゃないのか」


 「分かった。じゃあ、強制的にお目覚めしてもらおうかな。」


 そして、石曽根は横に長い席に寝かせた少年の首筋に右の人差し指をあたる寸前で止めて、静止する。

 すると、次第に静止を続けていた指先が微かに()()()()()、それをそのまま撫でるように少年にあてる。


 「ギャアアアアァァア!」


 つんざくような悲鳴が店に響き、少年は飛び上がるように起き上がった。



・遥斗

 本作主人公的存在。

好きな食べ物

 ・カボチャのいとこ煮

 (カボチャを小豆と一緒にとろとろになるまで煮たもの)

 ・エクレア

好きな人

 ・木佐貫

 ・年の離れた妹

趣味

 ・辞書を適当に引いて読む

 ・ゲーセンのレースゲーム


地震屋になった理由については今後を参考に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ