5 迅速な対応
インプット元:とある冷笑的なショートショート
===
「こんにちは。私は応答の悪魔です。あなたが望むなら、どんな質問にも答えますよ」
とある企業経営者の部屋に、突然黒スーツの女が現れた。男は少し動揺したが、それを顔には出さなかった。
「ふん、悪魔と言うからには、契約でも結びたいのか?」
「はい。契約は結びたいと思っていますよ」
なるほど、こいつは何かしらの交渉に来たらしい。男は目の前の女に少し興味が出てきたが、立場上、冗談に思えることでも、確認を怠ってはいけないとよく理解していた。
「当然、代償もあるんじゃないのか?」
「はい。一週間後に魂を頂きますよ」
しかし男にはとても、女が真面目なようには見えなかった。
「相手をするのも馬鹿馬鹿しい。お帰り頂けるだろうか」
「はい。では帰りますね」
男がそう吐き捨てると、女はやけに素直に答えた。
直後、女の体が床に吸い込まれるように消える。
男はしばらく呆然としていたが、少しして、先程自分が発した言葉が、全て質問だったことを思い出した。




