1 イントゥザシンク
インプット元:とあるつぶやき
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駅ホームでスマホを見ていたら、一件のつぶやきが目に入った。
『一両分しかない駅のホームって、頑張れば飛び越えられる気がしない?
例えば向かい側に目的の電車があるのに、間を埋めてくれる車両がないせいで間に合わないなんて間違ってるよね』
ああ、また無責任な散文だなと思ってしまう。
これでもし、実際にやるやつが出たらどうするんだと思ってしまう。
そしたら、横並びで電車を待っていたはずのおじさんが、突然地面を蹴り、黄色い線の内側から線路上に飛び出した。
途端に到着する電車――ただし、おじさんのいない線路上にだ。
あくまでおじさんの視線の先に佇む電車は、今しがた乗客を吐き出し終え、ドアを閉じようとしている。
そこにレールを超え、脱出用ステップを踏み、向かいのホームの内側に侵入を遂げたおじさんが割り込んでいく。
ビジネスバッグを投げつけ、一度だけドア開閉をやり直させた隙におじさんが滑り込む。
そこで、私は現実に戻って来た。
いけないいけない。
また空想の世界に取り残されるところだった。
幼少期から続くこの悪癖も、そろそろ直さなければならないね。
私は女子高生であって、おじさんなんかじゃないっていうのに。




