第十話 生還
謎の空間から出た。外で衣舞が泣いていた。
衣舞「暁..九堂...。」
暁達を心配していたようだ。
翔「お、おう月守大丈夫か?...俺だぜ翔だぜ~。」
翔は軽く声を掛けた。
衣舞「九堂?...。」
衣舞は目をこすった。
衣舞「暁も...皆無事で良かったよぉ~!!」
女性も無事無傷で生還した。
女性「この度は、本当にありがとうございます。この恩は必ず返します。」
女性は命の恩人である暁達に対して、深く感謝している。
暁「いえいえ、流石に目の前に居る人を見殺しには出来ませんよ。」
女性「ありがとうございます。それで今の出来事を警察に報告しても信じてもらえますかね?...。」
翔「多分ですが、信じてもらえなさそうですね...普通に考えて現実離れしてますし、あっでもこの事件も現実離れしてますね...はは...。」
女性「まあ、でも言うだけ言ってみようと思います!」
女性は謎の空間での出来事を警察に報告するつもりらしい。
翔「言うだけタダ!っていいますもんね!」
翔がそう言い、女性は家に帰った。
衣舞「ところでさ、引きずり込まれた後どうなったの?うちてっきりもう帰って来ないのかと思ったりしてさ...。」
衣舞は怖くて、寂しかったようだ。
翔「一から話すぞ、え〜とな...。」
翔は謎の空間での出来事をすべて衣舞に話した。
衣舞「えー!?何それ!って言うか...怖すぎ...。」
翔「でも、これではっきりしたな。この事件は人が犯行してる事だ。路地裏にうっすらだけど人影が見えた。それであの謎の空間に引きずり込まれて、あの中で殺され行方不明になる、これじゃあ証拠も残らないから警察もお手上げってこった。」
翔は現状の整理を始めた。
翔「それであの時、暁が謎の力に目覚めなかったら俺らは間違いなく死んでいたな。マジ助かったよ。」
暁「正直自分でもこの力の事はよく分からない。でも人は救えると言う事は分かった。だから俺はこの力を使えば事件の真相を暴く事も可能じゃないか。」
暁は自信に溢れていた。
紀彦「ふーむ。なるほどな...。」
この会話は、叫び声を聞いて路地裏に向かった特別捜査官の紀彦に聞かれていた。