第五章76 【12月25日/初等部4年生活動中】15/出鱈目の恐怖、今日は何日で何曜日?
『くすくすくす・・・』
笑い声が聞こえる。
かと思ったら、
『・・・』
静まり変える。
と思ったら、
『くすくすくす・・・』
また含み笑いが聞こえる。
何者かが何かを笑っている。
からかっているのだ。
【それ】は時々、【悪戯】をする。
【悪戯】をされてもほとんどの者が全く気付かない。
【それ】にはそういう【力】がある。
とても恐ろしく、そして抗いようのない【力】である。
ほぼ全ての者がその理不尽な決定に従うしかない。
【出鱈目】とはそういうものである。
【祈清】と【芳一】により、その【ありよう】はほんの少しだけ知覚出来た。
出来たと言ってもほとんど出来ないのと一緒のレベルのほんの僅かだけだが。
それでも、【祈清】は、
【理に当てはまらない問題】/【不理問】、
【答えに迷い散る】/【答迷散】、
【解の無い完全体】/【無解完】、
【唯一無二の間違えた種類】/【唯類違】、
という4つの【定義】で何らかの違いがある事としたが、その違いが【この概念が産まれた産地】が異なる事以外、どんな差異があるのか証明出来なかった。
【デテメレメテデ】・・・日本風に言えば、【でたらめらため】。
【それ】は、【悪戯】を仕掛ける。
【今日は何日何曜日?】だ。
これまでは【12月25日 木曜日】としてやってきた。
だが、新たに設定されたのは【12月25日 月曜日】だ。
今日という日は木曜日から月曜日に変更されたのだ。
【芳一】にしてみれば、明日が【金曜日】で明後日から【土曜日】で休みになると思っていたら、また、【月曜日】で仕事が始まる事になるので、踏んだり蹴ったりになる。
だが、問題はそう、単純な事ではない。
【木曜日】が【月曜日】に変わった事で給料の計算も異なる。
また、それぞれのイベント事などが曜日が変わっただけで違和感が出てくるはずである。
それだけではない。
様々な事柄が、辻褄が合わなくなるはずなのだ。
だが、それが起きない。
全く起きない。
違和感なく、それは成立した。
不都合な点が全てまとめて修正され、それは肯定された。
【板橋区】と【練馬区】の間に【狭間区】を作った様に、【空間】だけでなく、【時間】も【それ】はいじくって見せた。
そしてそれは、当たり前の歴史として、【人類】全てが受け入れるのであった。
【それ】は【理】を変える【力】がある。
【それ】が【理】を変えようとした時、他の存在はそれを甘んじて受け入れるしかない。
為す術はない。
無抵抗、無反発でそれが肯定される。
それはその【力】があるのだから。
あな恐ろしや、【デテメレメテデ】。
悪戯を終えた【それ】は、
『くすくすくす・・・』
とまた笑う。
【今日は何日何曜日?】
【芳一】は、
「今日は、【12月25日】で【月曜日】か。
後、4日で休みだ」
とつぶやいた。
そして、月曜日に修正された【1日】を【芳一】は同じように過ごすのだった。
恐ろしや、恐ろしや・・・




