第五章31 【12月22日/初等部4年生活動中】31/【プレゼント】選び
【芳一】と【祈清】は、色々と【プレゼント】を用意するために店を回る事にした。
とは言え、2人ともこういう買い物には慣れていない。
そのため、それぞれが良いと思う物を【芳一】は買ったのだが、それが一般常識と合っているかは少々、疑問が残る買い物となった。
例えば、【造型】が見事と思える【フィギュア】だ。
昔ほど、マイナーでは無いとは言え、一般の【部員】が【フィギュア】を好むかどうかは疑問が残る。
欲しかったら嬉しいが、いらないと思ったら場所を取るから邪魔になるのだ。
また、【フィギュア】の好みもある。
お気に入りの【キャラクター】だったら良いが、好きでも何でもないキャラクターの【フィギュア】を貰って嬉しいと言う人は少ない。
そのため、誰に渡るか解らない【クリスマスプレゼント】としては不的確なチョイスとなる。
また、【ギフトカード】も微妙なラインだ。
確かに貰った者が自分で【プレゼント】を選べると言うのはありだとも言えるが、こういうイベントで、【ギフトカード】は少々味気ないとも言える。
プレゼントを貰う者は何が当たるのか楽しみにしている訳であり、それが、自分で適当に選んで?と言われると、残念に思う人も居るだろう。
万人に受ける物を選ぶのは難しいと言えるのだが、それでもこういうイベントでは何らかの【プレゼント】をプレゼントする側で選ぶと言う事に醍醐味があると言える。
また、【図書カード】はもっと限定的だ。
選べるのが【本】だけと言う事になり、本好きなら良いが、【本】が好きじゃない人には、嬉しくない【プレゼント】と言える。
他にも【カプセルトイ】をまるごと買ったり、【電子辞書】、【テレビ】、【ブルーレイレコーダー】、【ゲーム機】などを購入した。
全部、自分が貰って嬉しい物を選んだつもりだったが、元々持っていた場合は嬉しく無いとも言える。
結局の所、【プレゼント】選びは難しいと言える。
また、【祈清】のアドバイスで、【女性の服】なども購入したが、これはサイズやセンスなどが問われるし、当然、男性が受け取った場合、必要の無い物となる。
何にしても、【芳一】にとっては女性と買い物をするという行為は結構、楽しいものだと思ったので、結果オーライと言う感じという所だろう。
【祈清】と、
「これなんかどうだろうか?」
「うむ。私は悪くないと思うぞ」
「君もそう思う?やっぱりこの辺りのデザインが秀逸というか」
「そうだな。私もそこが良いと思う。だが、疑問も残る。果たして一般の者がこの良さを気付くかどうかだ?私はほとんど気付かないと思う。やぱり、プレゼントと言うからには分かり易い方が良いと思う。
だから、私としてはそっちより、こっちの方が良いと思うが、貴方の考えはいかがなものか?」
「そうだなぁ~?言われてみれば君の言うとおりかも知れない。
じゃあ、そっちにしてみようか」
「いや、待ってくれ。これはあくまでも私の意見であって、一般的な意見とは違うかも知れない。私の考えはあまり参考にはならないかも知れない」
「それも言うなら僕もだよ。
僕も普通の考えってやつがよく解らない。
子供の頃から普通にしてと言う大人の言葉に戸惑いを持っていた。
それにこれは女性用として考えているから君の考えの方を採用した方が良いかも知れないと思ってるんだよ」
「そうか?ならば、女子として言わせて貰えば、この2つよりこっちの方が良いかも知れないな?」
「あ、そうなんだ?どこが良いの?」
「この辺りが可愛くないか?私はそう思う」
「そうなんだ?」
などの様に意見を交換しているとまるで恋人同士の様な錯覚を覚えた。
自分の半分以下の歳の子と【芳一】は思うのだが、それでも若い子と一緒に買い物を出来るのは悪い気はしなかったのだった。
結論から言えば、何だかんだで楽しい一時と言えるのだった。
【芳一】は買った【プレゼント】の中から【クリスマス記念祭】用に3つ選択し、姪っ子達などに渡す用のチョイスもした後、残りは世界中の恵まれない【子供】のために、渡す100個の【プレゼント】として選別した。
もちろん、100個のプレゼントを用意するのは予算オーバーなので、足りない分は【芳一】の創作物から選択する事にした。
【プレゼント】100個用意すると言う事はそれだけ大変な事なんだと【芳一】はそれをやっている【金髪の少女/シェリア】や【銀髪の少女/フェアリア】の事を凄いと改めて思うのだった。
単純に、【芳一】にはそれを成し遂げる甲斐性が足りない。
それをやれると言う事はそれほど凄いと言う事なのだ。
また、【芳一】は元カノの1人で、【ゲーム制作部】の後輩になった【石川 真緒】にも仲直りのプレゼントを用意している。
さすがにお金をかけた【プレゼント】は用意出来ないが、【小説家】として弟子を取った事もある経験から、【物語】を作る【コツ】を【100ページ】にまとめた物を作ってそれを渡そうと思っている。
彼女は今も売れない【漫画家】/ペンネーム【小鳥遊 聖良】としても活動しているので、その足しになってくれれば良いと思って、【芳一】なりのアドバイスをまとめたものを渡そうと思っていたのだった。
【芳一】はこういう優しい所もあるのだった。




