第五章17 【12月22日/初等部4年生活動中】17//【シェリア】の恋バナ4
【金髪の少女/シェリア】の恋バナは続いている。
参加しているのは他に、
【御神体】の化身【ミカエル】、
【怨魔体】の化身【ルシファー】、
【虹色音のアンナマリア】/(七無神)、
【リアライズ・イマジナリー・フレンド/(現実化する空想上の友達)】/覇王の資格である【エアリーズ(牡羊座)】、
となっている。
【シェリア/主人格/クィア】は、
「じゃあ、【リアライズ・イマジナリー・フレンド】達、出て来てもいいと思っている者だけ顕現して頂戴」
と言った。
すると、
【レオ(獅子座)】と【オフィウクス(蛇遣い座)】と【サジタリウス(射手座)】と【カプリコーン(山羊座)】の4名が現れた。
いずれも【シェリア】の【男性人格】の象徴としている4名である。
【レオ(獅子座)】は、
『悪いが、【女性人格】担当には全員今回、ご遠慮願った。
まず、【男】として、奴が俺達の望みに叶った者であるかどうかを見定めたい。
忘れた訳ではあるまい・・・我らは特別な美貌を持っている。
その事が原因となり、争いに発展した事も三桁に及んでいたはずだ。
男として見て、奴が俺達の基準に達しない様であれば、俺達は、奴を否定する。
それが俺達共通のルールだったはず。
奴の前世がお前の前世と関わり合ったかどうかが問題じゃない。
奴が、俺達の運命を支える事が出来る器があるかどうかが問題だ。
色恋の問題はその後だ』
と主張した。
【シェリア/主人格】は、
『えぇぇぇぇ?・・・何でそうなるのぉ~?
ずっと逢いたかった人なのに・・・』
と文句を言う。
【レオ(獅子座)】は、
『文句を言うな。これはお前を守るためでもあるんだ。それで納得しろっ』
と告げた。
【オフィウクス(蛇遣い座)】は、
『まぁまぁ、私としては、彼の才能を見定めたいと思っていますよ。
才能があれば、共に歩めるでしょう。
ですが、才能が足りなければ、貴女の足手まといになるでしょう。
単純にそれだけの話ですね』
と言い、【サジタリウス(射手座)】は、
『男性としての魅力が、儂の担当する【人格】よりあれば、認めようでは無いか。どちらがよりおなごを落とすか勝負といこうかのぉ』
と【芳一】では絶対に勝てそうもない勝負の提案をしてきたと思えば、【カプリコーン(山羊座)】は、
『何でもいいさ。それより、男と言えば運動神経だろ?おいらの担当する【人格】と運動で勝負するってのはどうだい?』
と言った。
【シェリア/主人格】は、
「僕は【クィア】だけど、一応、恋バナってやつをやっているんだけど?
これじゃ、如何に彼を排除しようか?って話になっているよ。
もっと肯定的に見ようよ。一般的な才能では僕らに劣るかも知れないけど、彼には僕をうならせた圧倒的な想像力、発想力がある。
僕はそれを評価したい。それだけで資格はある。
いや、僕の方が彼に相応しいかどうかが問題だ。
僕らは試す側じゃない。挑む側だ。
彼と仲良くなりたい。親しくなりたいと言うのは僕らの共通認識だと思っているけど?
その辺りはどうなのかなぁ?」
と言う様な話し合いになっていた。
どうやら、【男性人格】は【芳一】を否定する意見が多い様である。
それも仕方ないと言えるのは、彼女が今まで怖い目にあってきたからである。
簡単に人を信じられないと言う気持ちが根深くあり、それが【男性人格】として、【女性人格】達の【盾】となる様に、【人】との【交流】を見定めようとしているのである。
ましてや、【芳一】は、【シェリア】にとっては【特別中の特別】な存在である。
必要以上に慎重になって然るべきなのである。
彼女は恋すると言うことに対して、少々、臆病になっている。
だが、【芳一】が他の女子と結ばれるのは嫌だ。
そう言う矛盾した気持ちが彼女の中に渦巻いていたのだった。
彼女達の【恋バナ】/【恋愛相談】はしばらく続きそうではあるが、きりがないので、紹介はこれくらいにさせていただこう。




