第9話 冒険者の街へ馬車移動
ラタさんと自分が各自ですっきりした翌朝、体の痛みで目が覚めた。
寝ているのは床ではなくベッドだが、マットレスなんてものはない。
ベッドと称した板の上に藁が敷かれ、その上に薄い布がかかっているだけだ。
一部高くなった床と言って差支えないだろう。
体は痛いがもう少し寝ていたい。
何と言っても、自分は転生初日に一人でこの村を救った英雄さまなのだ、
もう少し寝ていても罰は当たるまい。
朝のまどろみを楽しんでいると、断りもなくカーリナが家に入って来た。
失礼な奴だな。
「師匠!おはようございます。朝です、起きてくだ……ん?
変な臭いがしますね、空気を入れ替えます」
昨晩この部屋で自分がナニをしていたのか知ってか知らでか、
自分を起こしにやって来たカーリナが、窓を開けている。
いや、兄がいるのだから察しがついているのだろう。
ならば気の使いようがあるだろうに、来て早々に変な臭いとは、
無礼な奴だな。
鼻をひくひくさせ部屋の臭いを嗅いでいるカーリナに挨拶する。
「カーリナ、おはよう」
「おはようございます師匠。団長の部隊は夜明けとともに進発されました。
残りの部隊は朝食後、と言ってももうすぐですが、キュメンに向かいます。
それに同行しましょう。馬車に乗れるように調整しました。
師匠がキュメン滞在中の費用は全て騎士団が支払わせて頂きます。
まずは……下着を穿いてください」
カーリナが下着を渡してきた、自分が脱ぎ捨てた灰汁色の下着だ。
昨晩3回すっきりして、何も穿かずにそのまま寝てしまったのだ。
非礼を詫び、受け取った下着をそそくさと穿く。
家から出ると、朝食に呼びに来たカーニャさんと会い、村長宅へ向かう。
バルコ家族との朝食は魚料理で相変わらず硬かった。
ちゃっかりカーリナもご相伴にあずかっている。
殆んど白湯のハーブティーを飲みながら談笑した後、
カーニャさんが急いで洗濯してくれたスウェット上下とパンツを受け取り、
移動準備のため、騎士団のもとへ向かった。
***
騎士団達は慣れた手つきで準備をしている、ざっと50人程度だ。
ナントカ大隊との混成部隊との話だったが、案外少ないのだな。
カーリナの後を歩いていると複数の馬車が見えて来た。
「師匠、こちらがボク達の馬車です。
乗るのは二人だけで、御者が付くのでボク達は荷台です」
カーリナが確保してくれたのは二頭立ての幌馬車だ。
この部隊で一番大きな馬車、更に御者も付くとのことだ。
カーリナは馬車を操れないらしい、言うまでもなく自分もそうだが。
荷台を覗くと、十人ぐらいは乗れる広さ、これを二人専用で使えるとは、
恐らくカーリナが師匠のために動いてくれたのだろう、かわいい奴め。
慣れない馬車移動に加え、狭かったらと気がかりだったが、
これなら楽な移動になりそうだ。
カーリナの師匠への気配りに感心していると、バルコがやって来た。
手には袋を持っている。
「これー、ヒデキが倒した魔物のアイテムだ。
わりーすっかり忘れててよ、昨日の祝宴で食えばよかったな。
時間がなかったからそのままだ、昼にでも早めに食ってくれ」
手渡された袋の中身を確認すると鶏肉が入っていた。
これどうしよう、魔物がドロップしたものを食べるのに抵抗がある。
それに元の世界でも鶏肉は食べなかったから、どうしたものか。
確か鶏肉は15個だったはずだ、カーリナ一人では食べきれない量だ。
腐らすのももったいないので騎士団に配ればいいか。
バルコと話していると、ぞろぞろと村人達が見送りにやって来てくれた。
村長、カーニャさん、アレーナちゃん、それにラタさん、アスル君、
更に、名前を忘れてしまった男達と名前を知らないその他大勢クン達も。
村人達から感謝の気持ちとして色んな種類の干した魚が差し出され、
これ硬いんだよなと思いながら笑顔で受け取る。
子供達からは貝殻のプレゼント攻撃だ。
女の子達は綺麗な貝殻で首飾りを作ってくれているが、
男の子達は大きな巻貝を自慢げに渡してくる。
そんな中、アスル君だけがデカいナマコを手渡してきたので、
困ってラタさんに目で助けを求める。
「アスル、それママが欲しいなー」
ラタさんの助け船でアスル君のナマコ攻撃は回避できた。
気持ちは嬉しいが、ナマコを持って馬車になんて乗りたくない。
いや前言撤回だ、感謝の気持ちがナマコって……嬉しくない。
村人達の感謝の気持ちは一人では持ちきれない量だ。
カーリナにも持ってもらうもまだ手が足りない。
「そろそろ出発します。ヒデキさん馬車にお乗りください」
そう言って、ユホが残りの荷物を馬車の荷台に積み込んでくれた。
一旦、荷物を地面に置き、ユホの手を借り自分たちも馬車に乗り込むと、
先程まで空だった荷台が木箱や何かが入った袋でいっぱいになっている。
奥には畳まれた天幕が見える。
おいカーリナよ、この馬車は自分達二人の専用じゃなかったのか。
確かに、人は二人しか乗らないのかもしれないが、
荷物運搬用の馬車に潜り込ませてもらっただけじゃないか。
これだと、二人が座るだけの空間しか残ってないぞ。
そこへユホが気にせずに村人達の贈り物を積み込んでくる。
村人達の感謝の気持ちで押し潰されそうになっていると、
積み込みが終わったユホが話しかけてきた。
「ヒデキさん、私がこの馬車を御しますので、何かあれば声をかけてください。
その際は大きな声でお願いします。カーリナも頼んだぞ。では行きましょう」
御者はユホだった。
馬車が動きだすと、バルコ達が手を振りながら声をかけてきた。
「ヒデキ!達者でな」「またなー英雄さま」「困ったらまた助けてくれよな」
「ヒデキさん、いつでもいらしてください。歓迎します」「またね」
「元気でな」「村を救ってくれてありがとう」
馬車の中から村人達に手を振り返す。
暫くまっすぐな道が続き、ずっと村人に手を振り続けることになった。
やめ時がわからなくて困ったが嫌な気分はしない。
カーリナも一緒になって手を振っている。
村人達は小さく見えなくなるまで手を振り続けていた。
手を振り終わったカーリナが言う。
「村の皆さんは、本当に師匠に感謝していましたね」
「あぁ、そうだね」
「ボクも強くなって、多くの人を助けられる立派な騎士になります」
「あぁ、そうだね」
「はい!ご期待に添えるよう師匠の修行に耐えてみせます」
変な期待をさせてしまった。
馬車の中ではすることもないので、というかなにかするスペースもないので、
こちらの世界についてカーリナから色々教えてもらおう。
<カーリナの話し>
カーリナが騎士見習いになったのは10歳、この世界では一般的。
普段は騎士団、主にユホのような従騎士の身の回りの世話をしている。
剣の鍛錬も行っていて、もし剣術勝負を挑まれでもしたら負けるなこりゃ。
カーリナの前ではステータス設定は解除できないな。
また、パーティーを組んで迷宮での実践を積んでいるとのこと。
だから村人Lv.が高かったのかと納得した。
この世界では15歳(成人)でジョブに就ける。
カーリナは来年で15歳、ユホと同じく剣士になる。
それにはまず戦士での経験を積む必要があるそうだ。
約1年で剣士になれると言っているが、1年でLv.は幾つになるのだろう。
「カーリナ、あのーLv.ってわかるかな、
経験を積むと上がる数値というか概念というか……」
「はい、わかります師匠……あっ、戦士Lv.10で剣士になれます」
「そうかそうか、じゃあどうすれば剣士になれるのかな」
「えぇ、ですので戦士Lv.10で剣士になれます」
「いやそのー、どうやって戦士が剣士に変わるというか。
えーっとジョブ、いや転職というか……」
「あぁ、ジョブ変更のことですか!それは神殿で行います」
てっきりLv.って何ですか?とか、選ばれし者のみが剣士になれるのです、
と返答されると思ったが、
想像以上にこの世界の条理はシステマティックだった。
まるでRPGのようだな。
<ジョブの話し>
ジョブには4種類の系統がある。
戦士系:武器を使って戦うジョブ、冒険者系:迷宮探索に特化したジョブ。
薬師系:魔法系とも言われ、薬や魔法に関連するジョブ。
一般系:非戦闘系の職業を指し、多種多様なジョブがあるらしい。
「カーリナがなりたい剣士って戦士系に分類されるの?」
「その通りです、この剣士へのジョブ変更は少し特殊でして、
戦士Lv.10で剣士になれるのですが、初級ジョブのままなのです」
「んー、もう少し詳しくお願い」
「ジョブ変更に必要なLv.になると、初級ジョブは中級ジョブへ、
中級ジョブは上級ジョブへとなれるのですが――」
「なるほどね、つまり初級ジョブの戦士から初級ジョブの剣士への変更が、
他のジョブとは違う点ってことか」
「そうです、戦士からは剣士以外のジョブにもなれます。
例えば、槍使いや盾使いなどのジョブなのですが、これらは中級なのです」
「じゃあ、剣士からジョブ変更すると中級はなんなの」
「中級は騎士になります、上級は聖騎士です」
つまり他のジョブに比べ、騎士になるためにはひと手間かかるということか。
初級、中級と分類するから、かえって複雑になっている気もするが。
ガド騎士団には聖騎士はいないらしい。
聖騎士だけからなる別の組織、エリアス聖騎士団があって、
エリアスという城郭都市のみを護衛しているとのこと。
因みに、最上級というジョブもあることはあるが、
誰も就いた記録がないらしく、カーリナは絵空事だと思っている。
その他、2種類のジョブからなる派生ジョブや、
取得条件が特別な特殊ジョブというのもあるらしい。
<ステータスの話し>
ジョブ変更を行う神殿は各冒険者の街にある。
神殿といっても建物のことではなく、模様が描かれた白色の石板のことだ。
各冒険者の街には教会が建てられていて、その中に神殿がある。
ジョブ変更のやり方は口で説明するのが難しいとのことで、
街に着いたら実際にやってみることになった、楽しみだ。
「じゃあ、カーリナはステータスって知っているかな」
「はい、教会の中にステータスがわかる専用の石板がありますので、
それを使って各自でステータスを確認します。
師匠もぜひステータスをご確認ください」
「その石板を使う以外にステータスを知る手段はないかな」
「んー、聞いたことありませんね。
確認できるのはステータスボードと呼ばれるその黒色の石板だけです」
黒色のステータスボードだと、自分が見ている黒色のステータス画面と同じか。
心の中でステータスオープンと唱え、表示させた画面をカーリナに確認させる。
「カーリナ、これ見える?」
「ん?はい?師匠の手が見えますが、なんでしょうか」
「ここに黒色の板があるんだけど、見えないかな」
「ボクには意味がわかりませんが、何かの試験でしょうか」
やはり、自分のステータス画面は他人には見えないようだ。
バルコ達の前で画面を出しても、何も言ってこなかったのはそのためか。
そうすると、何もない空間に向かって指でツンツンしていた自分は、
相当おかしな奴だと思われていたかもしれないな。
<スキルの話し>
Lv.、ジョブ、ステータスときたら、次はスキルだ。
ユニークスキルは流石に知らないだろうと思うが、
この世界はRPGに近いので、もしかしたら一般常識かもしれない。
「カーリナはユニークスキルって聞いたことあるかな」
「ナニスキルですか?」
「ユニーク、ユニークスキル、特殊なスキルのことなんだけど」
「ボクは聞いたことありません。
あっ!やはり師匠は神より特殊なスキルを授かっていたのですね。
昨日はボクが言っても何も反応されなかったのに、
一体どんなスキルをお持ちなのですか?教えてください」
「後でね後で、じゃあ普通のスキルっていうのはどんなのがある?」
「そうですねー、戦士系スキルですと、
ラッシュ、スラッシュ、スラスト、スマッシュ、クラッシュ、
ガード、ショット、ブローの8つがあります」
「それは攻撃系のスキルなの?全部取得できるかな」
「特に制約がないので、取得自体は問題ありませんが、
流石の師匠でも、全ての戦士系ジョブになるのは無理だと思います」
「どういうこと?……あっ、そういうこと!
1つのジョブで8種類のスキルが取得できるんじゃなくて、
8つのジョブにそれぞれ固有のスキルがあるってことか」
「はい、お判りいただけましたか。
スキルが使えるようになるには、各ジョブでLv.30が必要なのですが、
Lv.30になる目安は10年と言われています。
8つ全てとなると……無理ですよね」
「んー、いやそこは獲得経験値UPと二乗効果の組み合わせを使えば……」
「えっ!」
「いや、なんでもない。そーだね、無理だね」
一度取得した攻撃系スキルは、ジョブ変更後も使用可能とのこと。
攻撃系のスキルを持っていないので、ぜひ取得したいな。
漁村タンペから出発した馬車は、西に向かって川沿いを進んでいる。
向かっているキュメンという街には夕方には着くとのこと。
道が整備されていないのもあるかもしれないが、かなり遠いな。
ずっと座りっぱなしで尻が痛くなってきた、クッションが欲しい。
尻の痛みが限界に達した頃、馬車が止まった。
「お昼ですね、降りましょう師匠」
馬車を降りて、軽く屈伸をしながらカーリナにも足を動かすように指示する。
エコノミークラス症候群対策だ、なにせエコノミーよりも下のクラスだからな。
ユホとカーリナに、村で貰った食料とドロップアイテムの鶏肉を全て渡し、
昼食で騎士団全員に出してもらうようにお願いした。
食事のため火を起こす者、川に水を汲みに行く者、馬に餌を与えている者、
騎士団の旗を立てる者など、皆が働いている中、自分だけがやることがない。
仕方がないので、タバコを吸いながら、川を眺めたり、馬を撫でたり、
荷台の荷物を漁ってみたりして時間を潰していると、
カーリナとユホが昼食を運んできた。
乗って来た馬車の近くで、三人だけで食事を取りながら、
騎士団のエンブレムについて話しを聞く。
「ユホさん、あそこに立てている旗は騎士団のものですか」
「はい、あれはガド騎士団のエンブレムです。
剣と海の生き物が描かれています」
「あの生き物はクジラですよね」
「ヒデキさん、よくご存じで」
クジラの話にカーリナが食い付いてきた。
「師匠がいた所にはクジラがいたのですか?」
「あぁ、何度か見たことはあるよ(写真やテレビだけど)」
「えっ、そうですか!ボクはエンブレムでしか見たことがありません。
その昔、ガドは捕鯨が盛んだったそうで、その名残で描かれているそうです」
「昔というのは50年とか60年前かな」
「いえ、500年前と聞いています。
ガドの史料によると、500年前にも魔力禍が発生したそうです。
その時を境にここガドにはクジラが寄り付かなくなったと記されていました」
「えーっと、ヒデキさん、クジラを見たとはどういうことでしょうか」
「実はねユホ兄さん、師匠は転移者なの、それも特殊スキル持ち。
ここだけの話しにしてよ、団長に口止めされているから」
「特殊スキル!どうりで強いわけだ。それとカーリナ、師匠って何?」
食事を終え一服していると、騎士団数名から食材の提供に感謝された。
こちらとしても荷物が減ったのでありがたい。
ユホに再び狭い荷台へ押し込まれ、馬車が動き出した。
<冒険者の話し>
迷宮での魔物討伐で生計を立てている冒険者の収入源は、
ドロップアイテムの他に、魔玉と呼ばれるアイテムの売却がある。
魔玉を持った状態で魔物を倒すと魔力が貯まるらしい。
魔物のLv.に関係なく、討伐した数だけ魔力が貯まるため、
駆け出しの冒険者の主な収入源は魔玉となる。
また、魔玉自体を売却せずとも、
貯めた魔力を電子マネーのように買い物の支払いに使えるらしい。
冒険者は自営業であり、駆け出しの生活はカツカツだ。
無理をして実力以上の魔物を相手にし、命を落とす冒険者も少なくない。
これから向かう冒険者の街キュメンは迷宮を中心に造られていて、
駆け出しからベテランまでの冒険者がいるらしい。
<暦の話し>
ひと月は61日で年6ヵ月、つまり一年は366日、今は第二の月の49日目。
四季はあるようで、転生前の元の世界は夏だったがこちらの季節は春だ。
春の陽気が心地よい……食後ということも相まって睡魔が襲ってきた。
更に馬車の振動が眠気を誘う。
まぶたが垂れるのに耐えながら、カーリナの話しに生返事をしていると……。
「師匠……師匠!そろそろ着きます」
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
馬車は石畳の上を走り、空は赤く染まって夕方になっていた。
荷台から見える、馬車後方へ流れる景色についてカーリナが説明する。
「あそこの門から街に入りました。
右手に見える畑は教会が管理しています。左手に見えるのは宿屋街です。
今晩宿泊する宿は騎士団の方で予約させて頂いています。
このまま街の中心まで進みます」
しばらく走ると馬車は左に曲がり、大きな建物が2つ見えた。
「師匠!あの赤色の建物が冒険者ギルドです。それとこの白い建物が教会です。
それからもう少し……あっ、見えました。あれがここキュメンの迷宮です」
カーリナが迷宮だと指差す先を見ると地面が盛り上がっていた。
まるで小さな古墳のようだが、地下へ続く大きな口が空いている。
そこから冒険者だろうか、人が出てきているのが見える。
その迷宮の入口近くに人一人分ぐらいの小屋があり、
そこに鎧を着た人物が立っている、たぶん哨舎だろう。
次に見えてきたのは黒い建物、カーリナ曰くこれは騎士団詰所だそうだ。
馬車は詰所の裏手に入り、そこで止まった。
ユホは帰還報告のため騎士団詰所に裏口から入っていった。
カーリナに袋を1つ貰い、コボルトのドロップアイテム(火打石16個)、
キャタピラーの糸7個、オーガキングの鎧通し、
漁村の子供達から貰った貝殻を全て詰め込み、
ユホが出てくるのを待つため、カーリナと共に騎士団詰所の正面に回る。
迷宮の方を見ると、本日の探索を終えたのか、
冒険者達が迷宮からぞろぞろと出て、その足でギルドや教会へ入っていく。
そんな光景に見飽き始めた頃、ユホが詰所から出て来たので宿屋に向かった。
騎士団から支給された銅の剣を無くしたので、
遺失届の書類を書かされ、手続きに時間がかかったそうだ。
騎士団が手配した宿屋で宿泊手続きを終えた後、併設されている食堂に向かう。
ユホに任せると、この店のおすすめを三人分注文した。
焼いた魚が運ばれて来た――サラダと硬いパン、それにスープまで付いている。
全て薄味で旨いとは言えないが、費用は全て騎士団持ちなので文句も言えない。
この際なので騎士団の厚意に甘え三人分の飲み物も追加すると、
木製カップで果実酒が3つテーブルに並ぶ。
水で薄めているのかアルコールは然程強くはない。
ハチミツで味付けされているので飲みやすいが、旨いとは言えない……。
「師匠、明日は冒険者ギルドで手続きを行いましょう。朝お迎えにあがります」
「ヒデキさん、明日になれば騎士団からの報奨金が準備できています。
お渡しに伺いますので、ギルドに向かうのはその後でお願いします」
「報奨金を頂けるのですか!?」
「はい、漁村タンペの魔物を討伐されたので、その報奨金です」
こちらの世界に来て初めての収入――臨時収入なのでパーっと使おう。
何を買うなど迷うこともない、タバコだ、ここキュメンで買えるかな。
ジョブ設定
基本ジョブ:村人
Lv.6&成人(15歳)&取得条件クリアで各ジョブに変更可能
戦士系ジョブ
初級ジョブLv.10で中級ジョブ、
中級ジョブLv.50で上級ジョブへ変更可能
初級ジョブ:戦士、剣士
中級ジョブ:槍使い、盾使い、大剣使い、斧使い、弓使い、鎖使い、騎士
上級ジョブ:槍聖、盾聖、剣聖、斧聖、弓聖、鎖聖、聖騎士
攻撃系スキル
各ジョブLv.30(目安10年)でスキルを取得
ラッシュ/rush:複数回攻撃(戦士)
スラッシュ/Slash:一撃攻撃(剣士)
スラスト/thrust:突き攻撃(槍使い)
スマッシュ/smash:大振り攻撃(大剣使い)
クラッシュ/crash:叩きつけ破壊攻撃(斧使い)
ガード/guard:防御(盾使い)
ショット/shot:矢攻撃(弓使い)
ブロー/blow:殴打(鎖使い)