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第6話 魔物の暴走(走る正直者)

ブルーピーコックとの戦いを終えた後、

浜に落ちているアイテムをバルコ達が拾い集めてくれた。

手渡されたのは石ころと砂まじりの肉だ。

順当に考えると、肉はニワトリのドロップアイテムだろう。

そうするとゴブリンがドロップしたのが石――もしかして胆石?


石に向かって鑑定スキルを使うと火打石と表示され、それが全部で16個あった。

ゴブリンと火打石……ピンとこないがまぁいいだろう。

ついでに肉も鑑定すると、やはり鶏肉と表示されたが15個しかなかった。

ニワトリは16羽いたので、自爆した1羽はアイテムを落とさなかったようだ。

そうすると自爆した魔物からは経験値も得られないかもしれない。


ドロップアイテムよりも、楽しみなのはジョブLv.だ。

なにせ、Lv.14のニワトリを15羽も倒したのだ、

飛躍的なLv.成長を期待しながらステータスを見る。


戦士はLv.8、村人がLv.9、スキルポイント6


戦果は戦士と村人がそれぞれLv.1上がっただけだ。

ニワトリLv.14を15羽倒してこれだけか。

このあたりから、次のLv.に必要な経験値が多くなっているのだろうか。

またはサブジョブをセットしているためとも考えられる。

獲得経験値を2つのジョブで分けているのかもしれない。

機会があれば確認したいが、それにはまず検証方法を考えなくてはならないな。

それと中途半端なスキルポイント6をどう振り分けよう……。


振り分けに悩んでいると、先程の騎士二人がやって来た。


「皆さん!何故まだここにいるのです?

 先程のブルーピーコックの爆発が見えなかったのですか、ここは危険です。

 我々が戦いますので、皆さん逃げてください」

「騎士さん、もう魔物はいないぞ。ヒデキが全部一人で倒してくれた」

「えっ!魔物を一人で?もしかしてあなたは高ランクの冒険者ですか」

「あっ、いやまだ村人というか……」

「むっ!村人……」


自分の返答に二人の騎士は驚いた表情を見せた後、

こちらをちらちら見ながら、ごにょごにょと話し合っている。

一応、サブジョブに村人をセットしているので嘘ではない、正直でないだけだ。

バルコ達がいる手前、戦士ジョブのことは言わない方がいいだろう。

説明に苦労するのが目に見える、面倒事はごめんだ。

騎士二人は話し会いながら、時折こちらを品定めするように見てくる。

こちらも負けじと騎士に鑑定スキルを使おう、まずは背の高い方だ。


ユホ・ストールベリ 人族 男 18歳 剣士 Lv.18

革の兜、革の鎧、革のグローブ、厚布のボトムス、厚布のブーツ、

銅の剣、木の盾


このユホという若者は剣士、それもLv.18だ。

今の自分より3つ年上の18歳、転生前の自分より約20コ下だ。

あと3年もすればユホのように剣士ジョブを獲得できるのだろうか。

いや、自分には獲得経験値UPと二乗効果のコンボがあるから、

今の25倍のままだとしても……1ヶ月強で3年分の経験値を得られる。

ユホはLv.18なので、獲得自体はもっと早くできるだろう。

あとはジョブ獲得条件が特殊でなければよいが、

騎士団に入ることが条件だとちょっと……。


もう一人の騎士にも鑑定を行う。


カーリナ・ストールベリ 人族 女 14歳 村人 Lv.23

革の兜、革の鎧、革のグローブ、麻のサルエルパンツ、革のサンダル、

銅の剣、木の盾


こっちは村人なのか、それに14歳でLv.23とは高過ぎだろ。

いや、そもそも騎士団のジョブは騎士じゃないのか。

もしかして騎士団詐欺か?随分と特殊な詐欺だな。

騎士団の方からやって来ましたってか?

消火器を売り付けられないように気を付けなければ。

ファミリーネームがストールベリってことは、ユホとこの子は兄弟か。

この子……?いや、この()だった。


話し合いの結論が出たようで、騎士団詐欺の二人が話しかけて来た。


「改めまして。私はユホ、こちらは弟のカールロです。

 ヒデキさん、私たちと一緒に戦ってもらえませんか」

「もう少しで部隊が到着するはずです、

 それまでで良いので力を貸してください。お願いします」


二人の騎士団詐欺師は丁寧な口調で女の子が弟だと嘘をついている。

ますます怪しい、何かありそうなのでここははっきりさせておこう。


「確認ですが、お二人は騎士なのですか」

「私たち兄弟は騎士ではありません」


ほらやっぱり尻尾だしやがった、詐欺師確定だ。

詐欺師のユホが続けて言う。


「二人ともガド騎士団の中部駐屯地の配属ですが、まだ騎士ではありません。

 私は従騎士ですが、2年後に騎士になります。

 弟のカールロはまだ騎士見習いですが、来年の春には従騎士です」


バルコを見ると、常識だと言わんばかりに首を縦に振っている。

騎士団所属だからと言っても全員が全員、騎士ではないのか。

いや、まだ詐欺師ではないと言い切れない、質問を続ける。


「こちらへ向かっているという援軍も騎士ではないのですか」

「我々のような従騎士や騎士見習いを含んだ混成部隊ですが、

 主となるのは中部市街連隊第3大隊で、その大半が騎士です。

 それとは別に騎士団長直属部隊もこちらに向かっています」


またバルコを見たが、村人達と話しをしていてこちらの会話を聞いていない。

ひょっとして、この二人は詐欺師ではなく本当に騎士団なのか。

カールロ(本当はカーリナ)が声をかけて来た。


「剣を見せてもらってもいいですか」

「どうぞ。これはバルコさん達に渡されたもので、

 元々は騎士団から預かった剣だと聞いています」

「確かに刻印もありますし、先日我々がお渡しした騎士団の支給品ですね。

 本当にこれでBランクのブルーピーコックを倒されたのですか。

 やはり高ランクの冒険者、あるいは中級ジョブ以上じゃないと――」

「いやぁー、自爆したのもいたのでたまたまですよ。ハハハハ」


まずい、物凄く怪しまれている。

攻撃力13倍の効果は偉大だった。

先程まで村人と会話していたバルコが割り込んできた。


「騎士さん!ヒデキは村の英雄だ。

 自爆したのは1羽だけで、それ以外を全部一人で倒したんだ。

 ゴブリンも、その前に村を襲ったスライムも一人で倒したんだぜ」


バルコよ、余計なことを言うんじゃないよ。

ほら見てみろ、詐欺師もどきの二人が目を見開いて近づいて来たじゃないか。


二人は革の兜を取り、握手を求めて来た。

ユホは短髪、カールロ(本当はカーリナ)は後ろでまとめている。

二人とも赤毛、瞳はヘーゼルで整った顔、つまり美男美女だ。


「ヒデキさん、我々に力を貸してください。どうかお願いです」

「お願いします」


バルコ達に視線を送ってみるも、腕を組んでこちらを見ているだけだ。

誰も、『ちょっと待ったー!』と言い出しそうにない。

しぶしぶ握手を交わし、二人と共闘することになった。

感謝しますと手を添えて来たので、

『第一印象から決めてました』と心の中で呟いた。


***


バルコにドロップアイテムを預け、村人達と共に村へ戻ってもらった。

頑として一緒に戦うと言うバルコを説得するのに時間がかかったが……。

ステータス設定の途中だったが、

戦力も増えたのでスキルポイント振りはやめた。

浜の先に魔物が見えるが、こちらに来るまで時間がありそうだ。

少し離れた場所でカールロ(本当はカーリナ)が素振りをしている。

魔物と対峙する前に気になっていたことをユホに確認した。


「ところでユホさん。なぜカールロさんを弟だと言っているのですか」

「えっ!私とカールロは兄弟ですから」

「いや、カールロさんは女の子でしょ」

「……」


質問がストレート過ぎたかな、ユホは返答に困っているようだ。

沈黙が続くと気まずいのですかさず言葉を発した。


「いや~なんとなく、なんとなくですよ。

 もしかして女の子かな〜っと思ったので聞いてみただけです」

「本人の希望でこういった外での活動では、

 弟カールロということにしています」

「あっ、そういうことでしたか、それだったら――」

「騎士である父の影響でしょう。妹は子供のころから騎士に憧れていました。

 そのためか、男っぽく振る舞おうといつも心がけているようで、

 妹は普段から自分のことをボクと言っています」

「あぁそうですか、それでしたらもう――」

「祖父母の時代なら難しかったかもしれませんが、

 今の時代、女だからといって騎士になれないわけでもありません」

「あぁ、わかったのでもう――」

「現に、騎士の3割ぐらいは女性ですよ」

「……へー、そうですか」

「理想の騎士に近づくため、妹なりに必死なのかもしれません。

 偶然見てしまったのですが下着も――」


二人が騎士団詐欺を働こうとしていないことがわかった。

適当に流せばいいものの、ユホは身内の秘密をペラペラとよく話しなさる。

嘘をつけない性格なのか妹の下着についても話している。

おしゃべりが終わるまで興味のない話に適当な相槌を打った。

自分にとって詐欺ではなければそれでいいのだ。

下着がどうこうは忘れ、カーリナはボクっ()とだけ認識しておこう。


***


西日を正面に浴びながら魔物の群れがこちらに向かってくる。

そろそろおやつの時間か、魔物のおやつにならないよう気張らねば。

数匹の夏虫色の魔物が砂埃を巻き上げ地を這っている。

その後ろを、黒光りした大型魔物一体が、

柳色の髪をなびかせ二足歩行でゆっくり歩いて来る。

鑑定スキルを使うと、キャタピラーLv.15とオーガキングLv.27だった。

ボクっ()のカーリナが近くに来て魔物のアドバイスをしてくれた。


「ヒデキさん、キャタピラーの吐く糸には気を付けてください。

 粘着力が強いので、糸に触れると動きを封じられてしまいます。

 オーガキングは両手に持った武器で攻撃を仕掛けてきます。

 動きは遅いですがとにかく力が強いので、攻撃は必ず避けてください」


イモムシが糸を吐くのは想定内なので、問題はあるが問題ない。

それよりも厄介なのは黒い鬼だ、体長3メートル以上はある。

腰は麦藁色の布を巻いていて、鬼のパンツ(いいパンツ)ではなかった。

両手に持っているのはどう見ても日本刀で、刃渡りは2メートル近くある。

そうすると相手の間合いは3~4メートル程度といったところか……長いな。

有難いアドバイス、と言うよりも注意点をボクっ()に頂いたが、

一番知りたいのは倒し方なのだ、正直者のユホに尋ねる。


「お二人はあの魔物を倒した経験はありますか」

「低Lv.ならありますが……カールロ!あいつら何階層だ」

「もーユホ兄さん、覚えてください。

 イモムシは15階層、それにオーガは17階層でオーガキングはAランク」

「すまん、ボルボルグは最近行けてないから忘れてた。

 えー、ヒデキさん!正直言って私も弟もあの魔物達を倒せません。

 援軍が来るまで耐えるしかありません」


正直物め、勝ち目がないから耐えろと言うのか。

それより、魔物のLv.の話しをしていたと思ったのだが、カイソウってなんだ。

それにボルなんとかは……よくわからないが厳しい戦いになりそうだ。


***


魔物がこちらに気付いたようでイモムシの進行速度が上がった。

黒い鬼は余裕なのかまだゆっくり歩いている。

イモムシを相手すべく、

正直者のユホが海側、ボクっ()のカーリナが崖側を走り出した。

となると、自分は正面から攻める……仕方がない。

イモムシは全部で7匹、ほぼ横一列に並んでいる。

一人2匹以上を相手にしなければならない、どうしたものか。


1匹のイモムシが自分目掛け糸を吐いて来たので、進路を右に変えて避けた。

それを見て、別のイモムシ達が自分を追うように次々と糸を吐いてきた、

右へ、右へと進路を移すと、ユホの後ろを走る形になった。

一度でいいから見てみたい、イモムシの攻撃を受けたらどうなるか。

このままユホに押し付けてみよう。


「ユホさん!私がこちらから攻めるので、左側からの攻撃をお願いします」

「わかりました」


自分の前を走るユホが進路を左に変えると、

案の定、イモムシの攻撃対象はユホに移った。

糸攻撃を避けるべく、正直者のユホが更に左へ走る、走る、走る。


「ヒデキさん!もしかして私に押し付けました!?」


すまんユホ、どうしても糸攻撃を見てみたかったのだ。

イモムシの目には、正直者のユホしか映っていないようだ。

隙だらけのイモムシに一撃を食らわせた。


「キュィー」


ダメージを受けたイモムシは反撃もせず、体をくの字に丸めている。

近くで見たら大きいな、家電で例えるなら洗濯機、いや冷蔵庫ぐらいか……。

曲がった冷蔵庫などなんの役にも立たない、この粗大ごみめ!

などと考えながら叩いていると、呆気なく黒い煙となった。

あれ、何回攻撃したっけ、3回?4回?


「あのー、攻撃何回で煙になったか見ていました?」

「えっ、もう倒したのですか?逃げるのに必死で見れていません。

 カールロはどうだ?」

「凄い、凄い、凄い!ボク見ていました、全部で3回です。

 ヒデキさん凄いです!ボクやユホ兄さんだと絶対に倒せません」


ユホはイモムシ達の攻撃を避けるべく、波打ち際と崖の間を何往復もしている。

まるで運動部の合宿だな。

黒い鬼との距離が近づいたが、交戦までもう少しだけありそうだ。

カーリナから聞いた糸の粘着性がどの程度のものか興味があるが、

イモムシ好きのするユホにはこのまま走り続けさせ、

イモムシ達を魅了してもらい、迅速に倒してしまおう。


「これから残り6匹のキャタピラーを倒していきます。

 ユホさんはそのまま走り続け、魔物の注意を引いてください。

 カーリ、いやっ、カールロさんはオーガキングが近づいたら教えてください」

「わっ……わっ、わかりました……なるべく早くお願いします」

「オーガキングとの衝突までもう少しありそうです」


心の中で『ユホがんばれー』と声援を送りながら、

イモムシを海側から順に叩いていく。

このイモムシの特徴なのか、攻撃を受けた後は必ず体をくの字に丸めている。

もしかしたら体を丸めることで防御力が上がっているのかもしれないが、

ダメージが0になるならともかく、3撃で倒せるので差支えない。


***


残り3匹、あともう少しだ。

ユホは滝のような汗を流しながらも、走り続けている。

騎士の矜持なのか剣と盾を持ったままだ。

どうせ使わないのだから、少しでも身軽になればいいのに馬鹿正直だな。

とユホに気を取られていると、体を起こしたイモムシが自分に伸しかかり、

腰から下がイモムシの下敷きになってしまった。


うっぐぐ……おっ、重い……


イモムシの重さに苦しみながら、

地震で冷蔵庫が倒れてきたらこんな感じかなと考えていると、

別のイモムシが近づいてきて、今度は自分の顔の上に伸しかかった。


うっぶぶ……ぐっ、苦しい……


イモムシの腹が顔に当たって気持ち悪い。

冷蔵庫2台が倒れてきたらこんな感じ……無いかそんな状況。

いや、家電量販店でなら……

重さに苦しみ、例えに悩み苦しんでいるところに、ユホの声が聞こえる。


「カーリナ!ヒデキさんを助けるぞ。手伝え!」

「ユホ兄さん、残り1匹が攻撃してくるよ」

「ヒデキさんがこのままだと、どの道全滅だ。

 押すぞ、うぬああー、う・ご・けー」

「ユホ兄さん、もっと力を入れて!」


ユホよ、慌てているのか?弟カールロの設定を忘れているぞ。

ここにユホがいるということは、残り1匹のイモムシは誰を攻撃するのだろう。


「うわー!」「きゃー!」


ユホとカーリナの叫び声が聞こえる。

イモムシの下敷きになっているので状況がわからないが、

残り1匹のイモムシから攻撃を受けたのだろう。


あー見てみたかったな……二人の簀巻き姿を想像する。


そんな不謹慎なことを望んでいると好機が訪れた。

伸しかかっていたイモムシが体を上げたのだ。

と言っても、初めのイモムシの1匹のみ。

下半身だけが自由で、上半身はまだ押しつぶされたままだ。


「引っ張れー、カーリナ!」

「うううーっ」

「もっとだ、もっと引っ張れ!」


ユホの声援に応えて、カーリナが自分の足を引っ張っている。

体が引きずられるものの、イモムシの足に引っかかり首から上が抜けない。


先程よりも苦しい。


攻撃しようと手だけで剣を探すが、手元には落ちていないようだ。

バタバタと砂を叩いているのをカーリナが察してか、剣を渡してくれた。

受け取った剣を、自分の顔を下敷きにしているイモムシに突き刺した。


「キュィー」


ズズズズ……


イモムシが自分の首に足を引っかけたまま動く。

攻撃を受けたイモムシがくの字に丸まったのか。

この状況が見えていないのか、カーリナは足を引っ張るのをやめない。


先程よりも更に苦しい


それにスウェットのズボンが脱げてパンツ丸出しだ。

もがきながら2回続けてイモムシを攻撃すると、

目の前が黒い煙となって苦しみから解放された。

あと2匹も残っているので直ぐに立ち上がりズボンを履いた。


「カーリナよくやった、ヒデキさんご無事ですか?」


声はするがユホの姿が見えない。

先程はユホに気を取られ窮地に陥ってしまったので、

同じ過ちを繰り返さぬよう、目の前にいるイモムシに集中した。

糸攻撃を受けることなく、1撃を入れるとイモムシが丸まった。


「ヒデキさん!オーガキングが目の前まで来ています。急いでください」


急げと言ってくるが、ユホの姿が見当たらないことが気になって仕方がない。

丸まっているイモムシにとどめを刺し、カーリナの方を向くと、

こちらに向かってくる最後のイモムシを指差している。

黒い鬼との交戦までに、何としても倒しておきたい。

糸攻撃は厄介なので、正面を避けイモムシの左側に走る。

味方の糸攻撃を受けたのだろうか、イモムシの胴部が白くなっている。

その白い塊からユホが顔を出していた。


***


最後のイモムシ1匹を黒煙へと解放し、ユホも簀巻きから解放した。

ユホは全身ベタベタなので、砂浜に寝ころんだらきなこ餅の出来上がりだ。

糸の粘着成分で剣がベタベタだ、これで攻撃してもダメージは入るのだろうか。

指の腹で剣をペタペタ触っていたら、突然襟元を掴まれ後ろに引っ張られた。

勢いよく尻餅をつくと、目の前に刀が激しく振り下ろされた。

大量の砂が大きく舞い上がっている。

カーリナが助けてくれたようだ、スウェットの襟元は伸びきったが……。


砂塵の中から、黒い鬼が柘榴色の目でこちらを見ていた。

尻餅をついたままユホを確認すると、刀の向こうで、きなこ餅になっていた。

キャラクター設定


ガド騎士団

ユホ・ストールベリ/剣士Lv.18

中部駐屯地ランペ所属の従騎士(歴3年)

身長:182.6cm 瞳:ヘーゼル 髪型:赤毛短髪

一人称:ボク(公の場では私)

カーリナの兄


カールロ・ストールベリ/村人Lv.23

中部駐屯地ランペ所属の騎士見習い(歴4年)

身長:156.6cm 瞳:ヘーゼル 髪型:赤毛セミロング(ひっつめ髪)

一人称:ボク(公の場では私)、ボクっ娘

ユホの妹、ある出来事がきっかけでここ数年は母との仲が上手くいっていない


魔物設定

キャタピラー/caterpillar

系統:虫 種:イモムシ・チョウ ランクC

弱点:土 耐性:風 特殊:誘惑

攻撃:糸攻撃

特徴:巨大なイモムシ、夏虫色、

攻撃を受けると身を丸め防御力が上がる、ただしその間攻撃はしない


その他設定

ガド地区騎士団組織

騎士団員:1.2万人

総長:ヴィルホ 団長:ユーハン 副団長:ラウリ

北部沿岸連隊:3大隊、各1千人

南部沿岸連隊:3大隊、各1千人

中部市街連隊:3大隊、各1千人

団長直属部隊:100人

副団長直属部隊:100人

従騎士(剣士):1千人(15〜19歳)

騎士見習い(村人):2千人(10〜14歳)


騎士団構成

騎士団員の全てが騎士ではない

騎士は3割、その他のジョブで3割、残り4割は戦闘支援

その他のジョブ:迷宮探索に特化した冒険者、剣以外の武器使い、

回復や攻撃魔法を使う神官や魔法使い等


騎士見習い期間中に基礎体力作り、従騎士で武器の適正を判断される

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