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.01 異化



      .01 異化


 

 ―――おかしい。おかしい事になった。

オアは困惑した。なぜ、どうして、なにが、という疑問を乗せた声が心中でぐるりと廻り続けていた。

神クガを信仰する集落を見つけた時に、オアは喜んで彼らを纏め上げる長の下へと向かった。

最初は旅人が訪れる事が稀なようで怪訝な様子だったが、彼らはスヴェログ達も快く迎え入れ、歓待してくれたのである。

神クガを知り、その為に遠路を旅してきたという事実が、彼らの胸襟を開かせたのだ。


 集落の長の家屋で神クガの教戒を受け、宴に参加した。ここまでは良かった。

オアはアクルアムの頭蓋骨を神クガの下に捧げる為に、この集落に寄った事を切り出そうとして、長と二人きりになるのを待った。

その日の夜だ。

アクルアムとの約束は果たされるだろう、と安堵したところ頭蓋骨を取り出した途端に集落の長の様子が豹変したのだ。


 顔を歪めて両の手で抑え込んだ。奇声を発して地団駄を踏み、蹲る。

オアは突然の行動に呆気にとられ、しかし何か助けが出来るかと手を伸ばした所、その腕を引っ張られてしまった。

何を、と言う前に長はオアの顔を容赦なく掴み、壁へと叩きつけた。凄まじい力であった。衝撃にオアは吹き飛ばされ、アクルアムの頭蓋骨も手から滑り落ちてしまう。

壁は脆かったのか、そのままオアの身体は壁を破砕しながら家屋の外まで吹き飛ばされた。


「ぐっ!いったい、急にどうしたんだ!」

「ううぅ!き、貴様!貴様!神を冒涜する悪魔だったのだな!よくも、よくも騙してくれた!」

「騙す?長は一体何を言っている」

「ううう!違う!神クガは、悪魔などではない!」


 大きな物音を立てたからか、宴に集まっていた集落の者たちが集まってくる。

長は狂乱の最中で、アクルアムの頭蓋骨を指さして、破壊する様に命じている様だった。集落の者たちはそれを知ると、呻くような声を上げ始めた。

それこそ長である男と同様に、まるで何者かに首を絞められているかのよう、己の身体を抑えて呻き始めたのだ。

オアに着いてきたスヴェログやインガサモも、集落の突如とした異変に戸惑うばかりだった。


 顔を抑え、外に放り出されたオアに向かって長は腰に履いた刀剣を抜き、詰め寄った。


「我々の団結を乱そうとしているな、悪魔め。神クガを冒涜したな、許さんぞ」

「待て、どうしてだ!アクルアムは、神クガを信奉していた教祖だったのだろう?彼は、神クガの下に還りたがっていた!だから私は彼の頭蓋骨を持って来た……約束を、したから!」

「アクルアムは背信者だ!忌々しくも神クガを悪魔と罵しった、裏切り者だ!」

「なに?それはどういう……」

「聞く耳など持たん!死ねぇい!」

 

 オアは長の凶刃を転がる様にして避けた。大地が金属の音を鈍く響かせる。その音の大きさが、オアを一刀の下に斬り伏せようと本気で打ち込んできた事を伝えていた。

オアは死を恐れない。死は余りに身近にあったからだ。しかし、長がオアに向かって攻撃を仕掛ける直前に、集落の者たちは子供であるスヴェログやインガサモへ殴打を加えていた。


「子供たちまで殺そうと言うのか!」

「黙れ!誑惑きょうわくさせようとする、その手には乗らん!」

「メトゥ!長殿、やめさせてくれ!赤子にまで手をかけるなんて!?」

「死ねぇぇ!」


 取りつかれたように長は刀剣を振るう。オアは腕の中に仕込まれている頑丈な悪魔の骨で受け止めた。

家屋の中では子供たちも抵抗していたようだが、多勢に無勢であった。オアもまた、その集団に割って入る力は無かった。

オアは逃走を選んだ。子供たちと、アクルアムの頭蓋骨を助けるには機を見るしかないと判断したからだ。


「逃げるか!逃さんぞ!バラバラに切り刻んで海に投げ込んでくれる!悪鬼め!」

 

 真夜中の集落に、鐘の音が重く響いた。 

たちまちに厳戒態勢に入り、オアは集落から離れた森の中まで入りこまなければ逃げることが出来なかった。

その日から、集落の中は物々しくなってしまい、オアは身を潜めて集落の中に忍び込む機会を窺っていたが、とても隠れて入れるような状況にはならなかった。

それどころか神クガを崇める集落は、こぞってオアを探し出す為だろう。その捜索の為に人手が割かれているようだった。

一つや二つではない。森の中を逃げ彷徨い、集落を見つけるたびにオアは追われる事となった。

常に周囲を散会し、陽が昇ればオアを捜索しているのだろう。武装した大柄な男たちが森を徘徊して息を潜めるのに苦労する。

スヴェログやインガサモがどうなったのか分からない。メトゥは赤子だ。子供たちが大振りの斧で身体が破壊されるのを目撃している。きっと今頃は呪い子であることはバレているに違いなかった。


アクルアムは背信者。そんなはずはない。オアが知っているアクルアムは命尽きる迄、神クガの為に生命を燃やしていた。

映し世で生き足掻いていた。それをオアは見ている。知っている。だから、何かの間違いなのだ。

それを伝えようと試みたいが、どうすれば良いのか分からなかった。



 幾ばくかの日々が過ぎ去り、集落には変化が訪れていた。

物々しい雰囲気は絶えなかったが、喧噪が増えた。森の中に潜み耳を澄ませば、人の怒号が遠くから聞こえてくる。


「なんだ?なんで……」


 オアの困惑を他所に、事態は急転した。

もつれあうように集落の出入り口から男女が飛び出してきたと思えば、態勢を崩した男の頭上に、女は石斧を降り落とし殺害したのだ。

哄笑を上げながら狂ったように頭蓋を何度も打ち付ける。そして、殺害した男の胸を長い時間かけて引き裂き、その心臓を獲りだそうとしていた。

凶暴さのみを抽出し顕現したような女の背後から、男が飛び出してきて槍で突き刺し、殺害した。

余りに衝撃的な光景に、オアは固まって一部始終を見てしまった。


「なんで殺し合っているんだ?何が起きたんだ……!」


 槍を持った男は周囲を伺うと、目敏く隠れている木々の隙間から覗き見ているオアを発見した。

奇声を上げて、槍をその場で振り回す。オアは気付かれたと瞬時に判断し、再び森の奥へと駆けだしていった。

その男はオアを追い続けた。どこまでもオアを決して逃がさないという激烈な意思に突き動かされていた。常軌を逸している行動だった。

オアは山野を駆け抜け、川を渡り、一昼夜を過ぎても、男はどこまでもオアの背後に迫ってきた。


別の集落を見つけるほどの距離を走った。オアは悩んだ末に、集落の建物を利用して隠れてやり過ごそうと飛び込んでいった。

何かに追われるように逃げ込んだ集落に、オアは何人かのそこに住む人々から奇異な目を向けられたが、オアを追いかけてきた男を視認した時、彼らは長と同じように狂乱し始めた。


 おかしい。


 おかしい事になったのだ。



 唐突に人同士の殺し合い、それから神クガを信奉する集落同士の血みどろの戦争が始まった。

内臓を執拗に獲りだそうとする者たちと、そうでない者たちはただ殺害だげが目的の者も居た。

他の場所の集落を幾つも巻き込んで、神・クガの信奉者たちは忽ちに矛を交え始めた。

何かに憑りつかれてしまったかのように、人々から個々人の意思が削げ落ち、ただ闘争を行う存在に成り替わったかのように。


少なくともオアにはそうとしか見えない、神クガに集う信者たちの命を懸けた狂騒が始まったのである。

 

「子供たちを、助けねば……今なら、忍び込めるかもしれない」


  



 最初に尋ね、アクルアムの頭蓋骨を置き去りにした集落の入口へ、闇夜に紛れて潜入しようというオアの試みは失敗に終わった。

闘争から物々しい要塞となった入口の門は、絡繰り仕掛けが施されていることにオアは気付かなかった。

それは原始的な野生生物を捉える為の罠に酷似していたが、知識が無かった故にまるで無防備のまま捕らえられてしまったのである。


 オアは集落の、長の家屋の地下と思われる場所に拘束されたまま投げ入れられた。

数十メートルを落下し、首の骨が衝撃によって折れて死を迎える。

息を吹き返した時、オアは呪い子である3人の子供たちの骸に抱かれていた。

そして、一人の見慣れぬ男が隅に隠れるように、裸で蹲っていた。オアは気付いて近づこうとした。

室内は地上から放り投げられた雲間から指す月光だけしか無かったので、暗かったのだが、オアにはその男の顔には見覚えがあったのだ。


「貴方は」

「動くな。忌々しい餓鬼め……近づくなよ」

「この集落の長のはずだ、たしかに。なぜ貴方が、この集落の牢に入っている?」


 長は答えなかった。ただ一つだけオアにも分かるとしたら、それは集落の中での闘争に関連した事だろうことだけだった。

争い、そして長はおそらく、敗北の末にこの牢に入れられたのだ。

食事を与えられていないのか、頬がコケており眉が窪んでいる。

オアは子供たちの様子を窺った。スヴェログは手足が無く、インガサモは上下に別たれていた。メトゥは顔が無い。

肉片は周囲に散らばっており、鼻の奥を突くような腐臭が漂っている。


 長が小さく。呟くように声を上げた。その瞳は淀んでいて濁っていたが、力強さは残っていた。

双眸がオアにハッキリと向けられて。その視線を真っ向から受け止め、顔を上げて長を見る。

彼の両手には、拳大の石が握られていた。


「人食い、そして不死者。もう100年前、儂の爺さんの代にまで遡る話だ。神クガに仕えて、長き眠りに着いていた聖者アクルアムが目覚めた時だ」


 人を食らうことを禁忌とせず、それどころか神聖視すらしていた邪悪な集落が存在した。

それはまさしく人の邪悪を詰め込んだ集団だと思えた。神クガの信者達にとっては受け入れがたい。姿形こそ人と殆ど変わらない物の、それこそ悪鬼や悪魔と言った存在と同様の悍ましき集団だったのである。

しかし、彼らには一点、神クガを信奉する彼らと共通点があった。

神聖なる神を崇拝している、という一点だ。

最初は相手の文化信仰を尊重するべく、融和を目的に交流を図る事もあった。そしてそれは、ある程度の成果を出していただろう。

人食いという物を受け入れる事は難しかったが、彼らの神―――不死の神という物について過剰な干渉はしなかったし、神クガの信仰を押し付ける事もしなかった。

平面的には平和な形で共生が成り立つようにも感じられた。


だが、死するよう眠りに着いていた聖者アクルアムは突如として目覚め、そこからは全てが変わった。


「目覚めたアクルアムは豹変していたのだ。神クガを悪魔と呼び、忌避なる象徴と罵ると、不死者の神こそが真なる神と宗派を鞍替えた」


 ウチゴウなる司祭とアクルアムは接触すると、瞬く間に神クガを信仰している長たちの集落へと攻撃を始めたのである。

それぞれの異なる神を掲げた争いの結果は、今の時代を見ればわかるだろう。

ウチゴウの集落は滅び、神クガを信奉する数多の集落は生き延びた。数十年に渡る大規模な闘争だったという。

捕らえられた捕虜は司祭ウチゴウの信奉する神に捧げられ、その全ての亡骸から心臓が取り出されていた。

余った肉は喰われ、生きている者は不死者の神を食らうことを強要された、らしい。


「アクルアムの頭蓋骨を持ちだした時に感じたのは、己に不死者の神を信奉せよという強制力を持った悪質な幻覚だ。我らの集落はその影響下に置かれて、破壊されたという訳だ……貴様の目論見通りにな」


 馬鹿な、という思いとそんなまさか、という思いがオアの胸中に交錯する。

ただの骸となったアクルアムの頭蓋が、意思を持っているとでも言うのか。それに何よりも、不死者の神としてオア自身を崇拝し、神クガを悪魔と断じたという話はとても信じられない。

アクルアムは映し世の中で誰よりも、オアが人間であることを認めていたのだ。それだけは間違いのない確かな記憶であり、真実である。


「不死の神の名はオア。我が神・クガの敵である。そして、そしてだ。貴様はオアと名乗り、神クガの背信者アクルアムの頭蓋を持ち込んだということだ」


 長の身体は震えた。いや、最初から震えていた。

寒さを感じる地下の牢獄が原因かと思っていた。しかしこれは違う。オアの目の前で長が震えていたのは、その全身を戦慄かせていたのは、煮え滾るほどの憎悪と憤怒だったのだ。

立ち上がった長は、凄まじい形相でオアを睨みつけ、石を握った両の拳から皮膚を突き破って血を滴らせていた。


「そんなつもりはなかった。アクルアムを、神クガの下に戻すことが私の約束だったんだ」


 長はオアの発言に、呪い子たちを見て返答した。釣られてオアも、彼らの遺骸へと視線が落ちる。


「そんな事はもはやどうでもいい事だ。もはや精神の汚染は止まるまい。我らの闘争は我々が食らい合い、滅びゆくまで永遠に続くのだとハッキリと理解したからだ。不死者を連れて歩く、神の名を持つ餓鬼よ。アクルアムの頭蓋を持ち込み、我らの精神を犯し、地獄を作り出した……分かるか」

「私は、人の精神を犯すなどと、そんな大それたことは出来ない」

「ならばこの頭の奥に響く鳴り止まない痛みは何だ。貴様のような餓鬼が神であると張り付く音が耳から離れぬのは何だ!我が神・クガを悪とする想念は、まるでアクルアムと同じ思想だ!」

「ま、待て!」

「ふざけるな!命を弄ばれることも、神クガ以外を崇めることも、ドュートの名を継いだ者として認めたりは決して出来ないのだ!貴様は儂が殺す!」


 長の言葉は最後までオアには聞こえなかった。振りかぶった拳が顔面に突き刺さり、音の波を捉えられなかったからだ。

倒れ込んだオアは、両手を挙げて長の攻撃から身を守った。どうすれば良いのか分からなかった。

殺害を目的とした拳の嵐が直上から振り下ろされる最中に、オアは考えていた。


 アクルアムが現実に起こしたことは、映り世にオアと共に居た時なのだろう。映し世で身体が死した時に戻ってこれたのかもしれない。

彼の思想がまるっきり変わってしまった理由は分からないが、ウチゴウと共に滅びた。そしてオアの棺の中で遺骸となり、目覚めた時に頭蓋骨だけを神クガの下へ戻す為にオアは引っ張り出した。

理屈などまるで理解できないが、長の話を信じるのであれば、アクルアムの頭蓋は子供たちの様に異常性を帯びていたのだと思った。

この集落の者たちが殺し合いを始めたのは、きっとそのせいだ。

神クガだけを信奉する彼らの中に、アクルアムの思想が蝕んでいった。同じ集落の、親しい間側の人間達が突然に殺し合いを始めたのは、そういう事が起きてしまったとしか考えられない。

何なのだ、これは。

これは何なのだ。

オアは己が人間として正しいと思ったことをしようと行動するたび、何かに捕らわれ身動きができなくなってしまう。


 振われる暴力が緩くなったかと思うと、長は数人の男たちに押し流されるように壁に叩きつけられていた。

この集落で、長と敵対している者たちだった。オアは血の流れ出る腕の隙間から、恐れるように彼らの常軌を逸した行動を見る事しか出来ない。

一心不乱にオアを殴りつけていた長は、急な乱入者と横からの衝撃に受け身を取る事すら出来なかったのだろう。

意識を失って身体を投げ出した長に向かって、男たちは叫びながら石や木で造られた鈍器を振り下ろし、長を殺害していた。

 

 そして彼らは長の心臓を取り出すと、オアの下にまるで跪くように首を垂れた。


 彼らの両の手に、長の心臓を載せて。


「オア様、オア様、心臓を捧げます」

「我らに救いを」

「我らに慈悲を」


 オアは笑おうとした。

苦しい時こそ笑い、自分が人であることを確認したかった。


だが、上手く笑えなかった。とてつもない大きな構造の中で檻が巡回しており、その中に順繰りに入れられて決して出る事の出来ない迷路に放り込まれている気分だ。

どうしようもなく袋小路であり、脱出する手段など何処にも見当たらない。

どれだけ探し回ろうと、決して見つからない。

関わった者が異常になってしまう。人として振る舞うこと、それ事態が罪であるかのように狂った現実がオアに迫ってくる。

男たちはオアが無表情で動かないとみると、心臓が足らぬとばかりに他の者を殺害すると宣告し、声を上げて立ち去ってしまった。

 

 笑えなくなったオアは、事実を否するように心を閉ざした。

スヴェログなのか、インガサモなのか、それともメトゥなのか。彼らの肉片が蠢き再生を始める傍で、動くことが出来なかった。

もう誰とも関わらない方が良いのだ。ウチゴウの山に造られた、神殿の棺の中から出るべきでは無かったのだ。

子供たちを拾うべきでは無かった。アクルアムの約束を果たすべきでは無かった。神クガを信仰する者たちに関わるべきでは無かった。

人と接し合うことなく、悪魔を討滅するだけの存在に戻るべきだ。


 オアは深く深く、心の内に沈んでいく。視線が落ちて、胸元の家印石の顔と目があった。


心の奥がひび割れる音を聞いた気がする。



 男たちが心臓を抱えて戻ってきた。4つも増えていた。明らかに小さく、年端の行かない小さな臓物も混ざっていた。

オアは呆然と、長きにわたって彼らが捧げる供物を見やったが、やがて跪く彼らの両手を叩き、心臓を落とした。

何を思ったのか、男たちは歓呼の声を上げてオアへと襲い掛かった。


 その口の歯を突き立てて、オアの身体を貪り始めたのである。

自分よりも体格の大きい複数の人間に押さえつけられ、抵抗しようにも、人の圧力に逆らえず、やがてオアの喉は喰い千切られて静止する声さえ上げられなくなった。



 オアは思った。初めて、願った。


 誰か。


 誰か。



 誰か 助けてくれ。


 あれほど誇り高く思えた自分の名が、今は恐ろしいほどに重たい物に思えてしまった。家族を創り、始まりの名を成すことなど、もはや不可能なのだと思えた。

もう無理だと、嫌だと、計り知れない無意識の中で思い知らされてしまった。



 人のままに死にたい。



 オアが数少なく自認している渇望、その灯は消えようとしていた。




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