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ずっと一緒

はじめまして、秋亀と申します。

書きたい事をぽちぽち書けていけたらと思います。

誹謗中傷お断りします。転載等ネットリテラシーに反する事もお断りです。

誤字脱字に関することは教えて頂けると大変ありがたいです。

 突然だが、俺の幼馴染は幽霊に強い。

 あまり詳しい事は知らないが先祖代々そういう家系らしく、除霊とか怪異絡みの事件なんかで陰ながら活躍する組織的な所では結構な大御所ポジションにいるらしい。当時5歳だった俺と俺の両親はそんな事なぞつゆ知らず、引越しの挨拶でこーちゃんとその両親に、礼儀正しくも馴れ馴れしく挨拶した事を幼馴染一家は昨日のことの様に思い出せると言って笑う。

 家族ぐるみの付き合いもかれこれもう11年。俺もアイツも高校生になるし、そんでもって今日は入学式だ。


「んじゃ、いってきゃーす」

「はーい。また後でね〜」


 母さんに見送られて家を出る。

 んでもって右に五十歩程歩くと幼馴染の家、というか屋敷。

 立派な門の前では気だるげに立つ幼馴染。こーちゃんこと、大顎 蜈蚣(おおあぎ ごこう)が眠たそうに大あくびをしていた。


「こーちゃん、おはよ」

「おう、おはよ」


 肩を並べて学校へ歩き出す。


「母さんと父さんが入学式が終わったら、一緒にこーちゃんファミリーと写真撮りたいって言ってた」

「お袋さん達ホントに写真好きな。俺達と写ったらぜってぇ変なヤツ等が写るってのに…。」

「毎回どんな霊が写んのかって楽しんどるしなぁ」

「んな風に心霊写真に対して楽しみを見出せるのはお前ら一家だけだわ」

「写ってくれる霊の皆さん割とノリが良いもんだからつい…。それにヤバいんはこーちゃんファミリーで祓ってくれるしなぁ」


 いつもお世話になってます。と頭を下げると、ばーかと言われながら軽く頭を叩かれた。

 学校までそう遠くない道のりを他愛のない会話をしながら進む。

 因みに俺等の通う高校は、こーちゃんが言うに普通の高校では無いらしい。詳しくは教えてくれなかったが何かあったら助けてくれるって言ってくれたし、お前なら大丈夫とのお言葉も貰っている。

 何はともあれ、楽しみだ。


 ー蜈蚣(ごこう)sideー


 突然だが、俺の幼馴染はどこかズレている。

 俺の家は大昔からある祓い屋(はらいや)の家系で、物心つく頃には俺の周りはおかしな事で溢れていた。

 当たり前のように幽霊が見えて、変な声や音が聞こえて、理解のない人からは気味が悪いと蔑まれた。

 この家に産まれたからには、まともに生きていく事などできない、と涙ながらに父様と母様から謝られた事もある。

 この業界は怪異や妖魔退治による死亡率よりも、精神を病んでしまって自殺に走る方が多い。見るも無惨な死体を目にすることがあったり、異界に入った影響で精神汚染により発狂してしまったり、場合によっては自らの手で人を殺さなくてはならない。

 まともな感性を持ったヤツから死んでいく。

 それが当たり前であるこの業界で、身内や同業者ぐらいしか交流がない、そんな俺たち一族に転機が訪れたのは俺が5歳の時。家の隣に、変わった一家が引っ越してきた。

 最初はこの一家も、俺たちの事を気味悪いって言ってすぐ離れていくんだと高を括っていたが、今年でもう11年の付き合いとなる。


「とがめ」

「ん〜?」

「一緒のクラスだといいな」

「ほんとそれな」


 隣を歩く俺の変わった幼馴染、蔵 封甕(おさめ とがめ)は呑気な顔でへらっと笑う。

 お前は、お前達一家は知らないだろう。お前ら家族にうち(大顎家)は言いようのない執着を向けている。

 それを教えるつもりは無いし気付かせるつもりもない。もしバレたのならその時は、俺達一族に依存させる。

 これは大顎一族の総意だ。

 あるかもしれない未来の光景を思い、ほくそ笑む。バレない内は、家族ぐるみで仲の良い幼馴染としてとがめの隣にいる。末永くずっと一緒に。

 

 絶対に手離さない。


第一話読んで頂きありがとうございます。

ぬるい目で見て頂けたらと思います。

次回、入学式です。

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