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「「「俺の天使を奪うなよ!!!」」」ー変化を望む者達の恋愛争奪戦ー  作者: オヤサイユウイチ
1章: はじまりはじまり
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8話: ティータイム・ウィズ・ユー

来た、今日は待ちに待った白銀さんと会う日。

「よし、10分前には待ち合わせ場所に着けたな。服装大丈夫かな...」一応、外に出る用のちゃんとしたものを着てきたが、外に出て人と会うという機会が少ないので少し心配ではある。

今は14:58分、待ち合わせは15時だからもうそろそろ来るだろう。

「お待たせー、待ったかな?」白銀さんだ。白いワンピースを着ていて、よく似合っている。

「いや、そんなに。駅前の喫茶店ですよね?行きましょうか。」俺は白銀さんと一緒に喫茶店へ向かった。


「いらっしゃいませー」店へ入るなり、店員の声が聞こえた。人数を教え、俺たちは窓際の席に座った。

「白銀さん、何飲みます?僕はアイスコーヒーにします。」

「私は、うーん、、迷っちゃうな。黒岩くんが決めちゃっていいですよ。」

え、俺に聞く? 待て、もしかしたら白銀さんは俺を試しているのかもしれない。ここで変な物を注文してみろ、俺は彼女に愛想を尽かされる。

「そうですね...」 俺はメニューを見る。何がいいだろうか、ホットコーヒー?分からん。

あ、これなんてどうだろうか。提案してみよう。

「フラットホワイトなんてどうですか?ほら、白銀で白だし、服も白のワンピース。ピッタリですよ!」

「そう?じゃあそれにします。」そう言って彼女は店員を呼び、アイスコーヒーとフラットホワイトを注文した。

「今日は誘ってくれてありがとう。ちょっと聞きたい事があるんだけれど、いいですか?」

「はい、なんですか?」

「どうして、私なんかのピアノを聴きたいと思ったんですか?」どうして、それは貴方とピアノの音色が綺麗で運命を感じたからです。

こんな事言えば間違いなく引かれるだろう。

「そうですね、、なんて言えばいいんでしょうか。ピアノの音に誘われたから、ですかね?そして、もう一度聴きたい、そう思ったんです。」いい感じに言えただろうか、別に嘘は言ってない。

「だから、私なんかのピアノなんてとか言わないで下さい。」

「ありがとうございます、そう言って貰えると嬉しいです。」そう言って彼女は僕に微笑んだ。

この笑みを見せられれば一国の大統領でも恋に落ちるだろう、白銀さんは人を惹きつける何かがある。その美貌だけではない、カリスマ性とでも言うのだろうか、かく故俺もその魅力に心を射抜かれた内の1人である。

「この席、日差しがよく当たって暖かいですね。」

俺は出来るだけ会話を止めないように言葉を投げかける。

「えぇ、本当に。ポカポカしてて気持ちいい。」

そんな会話をしていると、注文した飲み物が来た。

「あ、来ましたね。はい、白銀さん、フラットホワイトです。」似合っているというだけで決めたけれどどうだろうか。そもそも、フラットホワイトがなんなのかわかっていないのだ。

なんだろうこれ、白く無いし。まぁ、不味いなんて事は無いだろうけれど....

「ありがとうございます。黒岩くんが決めてくれたやつですね、いただきます。」そう言って彼女はカップを口元に運び、それを飲んだ。

「どうですか?変な理由で頼んでしまったので、、」

「カフェラテよりちょっとミルク感が弱い感じですね、結構美味しいですよ。」彼女の口に合ったようだ、良かった。

「それにしても....」白銀さんが口を開く。

「どれだけガムシロップ入れるんですか...?ちょっと多いんじゃ、、」

俺の手元には入れ終わったガムシロップが5個。そして、今6個目を入れようとしている所だ。

「あぁ、僕苦いの駄目で。甘党なんですよね。」

「それならメロンソーダでも頼めば良かったのに、駄目ですよ、そんなに入れたら。体に悪いです。」

白銀さん、僕の事心配してくれてるのかな。だとしたら嬉しいな。

「痛み分けです、私それ半分飲みます。」そう言って彼女は俺からアイスコーヒーを奪い、ストローで一気に飲む。一瞬で半分が消えた。おいおい、大丈夫かよ。この量は甘党からしても甘すぎる量だ。そんなものをよくもまぁ....

「うっ、、おぇ、」言わんこっちゃ無い。常人に一気は流石にキツかったみたいだ。白銀さんは涙目になっている。

「大丈夫ですか?そんな無理しなくてもいいのに。」

あれ? 俺はある事に気づいた。

これ、関節キスじゃん....


やったぜ。

そのアイスコーヒーはいつも飲む物より少し美味しい気がした。



「今日はありがとうございました。楽しかったですよ。」

「送って行かなくても大丈夫ですか?」

「えぇ、まだ日が出ていますし。お気持ちだけ受け取っておきます。」また明日学校でと言い、俺と白銀さんはそこで別れてそれぞれ帰路に着いた。

ー今日は誘ってよかったな。

そう思った。こうして彼女とも話せたし、同じ時間を共有する事が出来た。一歩踏み出す、たったこれだけの事で世界は変わる。

あの時、俺が一歩踏み出すのを躊躇っていたらこんな風にお茶をする事も出来なかっただろう。

今日俺はその小さな勇気を知れた気がする。

「家に着いたら、クラシックの勉強の続きするか〜」

白銀さんの演奏を聴くのに何も知識が無いですという状態だと楽しめるものも楽しみが半減してしまう。メジャー所だけでも抑えておくべきだろう。


白銀結衣という天使に出会い、俺の日常は確実に変化している。明日はどんな事が起こるのだろう。

楽しみだ






このサイトにも慣れて来ました。

程よく頑張ります

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