7話: 純白・ミッドナイトウォーク
こんにちは。私は白銀 結衣と言います。
私はちょくちょく音楽室でピアノを弾いているのですが、今日は観客が居ます。
彼は初めて私のピアノを聴きたいと言ってくれた人。最初にピアノを聴きたいなんて言われた時はびっくりしたけど、それよりも嬉しさが勝った。そんな理由もあり、こうして彼、黒岩くんに演奏を聴かせている。
「これなんて曲ですか?僕あんまり音楽詳しく無くて...」彼が訪ねる。これ割とメジャーだと思ったけど、、選曲ミスだったかも。
「これはベートーベンの悲愴•第二楽章です。悲しい槍と書くのにどこか優しくて、素敵でしょう?」
「なんか死ぬ時に頭の中に流れてそうですね。」え、死ぬ時に流れてそう...? 私は思わず笑ってしまった。
黒岩くんってやっぱり変な人。
そして、私はその変な人と今度の休みに会う事になりました。
「ふんふんふん〜♪」
「どうした白銀、珍しく上機嫌だね。何かあった?」
「うん、何かあった。」この子は橘 文香、私の友人です。
「あのね、文香。私ピアノちょくちょく弾いてるでしょ?そのピアノを聴きたいって言ってくれる人がいたの。」
「へぇ、よかったじゃん。誰に言われたの?」
「黒岩くんって子。」
「黒岩、、知らないなぁ。どんな人なのよ。」
どういう人、そう来ましたか。
「うーん、変な人」
「変な人?なにそれ、大丈夫なのソイツ。」
「わかんない。でも、昨日ピアノを聴かせてあげたんだけどその感想が面白くて....」私は文香との会話に花を咲かせた。
キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴った。
私は授業を受け、今日は部活がお休みなので家に帰った。
「ただいまー。と言っても、誰も居ないよね。」
私の両親は共働きで、いつも夜に帰ってくる。
だから、それまで勉強をしたり、音楽を聴いたり、ピアノを弾いたりと1人で暇を潰している。
別に1人が寂しいという訳ではないが、話し相手が居ないというのはつまらない。せめて弟とか妹が居れば幾分かはマシなのだが、居ないものは仕方がない。
「今日は疲れたな、別に何かした訳じゃないのに...」
その日は服も着替えず、制服のまま寝てしまった
「ハッ。」目が覚めた。もう外は真っ暗、変な時間に寝たせいで深夜に起きてしまった。そして自分が制服のままだという事に気づき、私服に着替えた。
「.....眠気覚しに散歩でも行くか。」
私は靴を履き、夜の世界へと飛び出した。
月が朧げに輝き、辺りを照らしている。
知っている道のはずなのに暗いというだけで別世界に見える。でも、どこか神秘的で、その暗闇に飲み込まれてしまうのではとも思った。
「黒岩くんならなんて言うかな。」恐ろしい?化物が出てきそうと言うだろうか。いや、多分、もっとおかしな事を言うのだろう。
次、彼に弾いてあげる曲は月光にしよう。なんて感想を言うのか楽しみだ。
「ん... うー、ん?」朝だ。小鳥がさえずり太陽の光が部屋に差し込む。
あれ、私何してたんだっけ。散歩に行って、作り置きのご飯を食べて....
そのまま、、寝た。今何時だろう?時計を見ると、もう午前10時を回っていた。
ーやってしまった
今から学校に行くの面倒くさいな。
.....今日はサボろ。
そういえば白銀メインのストーリー書いてないなという事で。紹介も兼ねた短めのお話です