28話: 徘徊・思わぬ出会い
最近、私こと白銀結衣には趣味が出来ました。
それは、夜のお散歩です。
女子高生が夜に1人でなんていうのは危なっかしいかなとも思うけれど、太陽が出ている時間には見れない世界を見れてとてもいいのです。
それに夜風も気持ちいですし、リフレッシュにもなります。
大体朝の4時頃に家を出て、日の出を見て帰る。
1日は24時で終わってしまいますが、これが日課となった私にとっては4時半前後が1日の終わり、そして始まりです。
そんなこんなで私は今日も夜道をうろついています。
「ふう... 涼しい。」
自販機でミネラルウォーターを買い、横のベンチに座り込む。
そしてスマホを取り出して時間を確認した。
4時17分、もうそろそろ歩くのはいいか。ここでゆっくり日の出を待とう。
先ほど買ったものを飲みつつ、ネットサーフィンをして暇を潰す事にした。
そうしていると、誰かが私の肩を叩く。
「君、何してるの?親は?」
格好を見てすぐにわかった。これは... お巡りさんだ。
「えっ、えぇ〜....」
「家出?悪いけどこんな時間に外ほっつき歩いたらダメだよ。とりあえず保護しなきゃいけないし、署まで来てくれるかな。」
補導だ、まずいどうしよう。
「え、でも今4時過ぎてるし、、大丈夫なんじゃ。」
「心配なんだよ。万が一誘拐でもされてみろ、こっちは仕事が増えてるんだ。」
「そんな...。」
親に心配かけちゃうな、今更だけど許可もらってないや。日課になってたからつい忘れていた。
母の怒り狂う表情が浮かんでくる。
怖い... 嫌だな。
まぁ怒られるよね.... もう諦めてお巡りさんについて行くしかないと心を決めたその時だった。
「あの、すいません。」
「ん、君は?」
「石神って言います。彼女と日の出を見ようと待ち合わせだったのですが....。」
石神くん?
なんでこんな時間に外に出てるんだろうという疑問が湧いたが、自分もそうなのでそれはあまり考えないようにした。
「なんだ、連れがいたのか。それを先に言ってくれればよかったのに、それなら安心だ。邪魔したね。」
そう言ってお巡りさんは恐らく乗ってきたであろう自転車を漕いで、その場を後にした。
そして彼が私の横に座り、挨拶をしてくる。
「こんばんは。あ、今はおはようですかね?」
「石神くん、ありがとう。危うく連行される所だったよ。」
「いや、いいんですよ。白銀さんはランニングか何かですか?」
「散歩。結構いいんだ、これ。」
「そうなんですか、でもまさか白銀さんにばったり遭遇だなんて。家が近めなんですかね?」
「そうかもしれないね。あと白銀さんじゃなくて先輩でいいよ。部活の先輩後輩の関係なんだから。」
「あっ、すいません。っと、、白銀先輩...?」
「よく出来ました!白銀先輩です。....あっ、あれ見て。」
そう言い、私は空を指す。日の出の時間だ。
「お、少し明るくなってきましたね。」
「これを見るためにいつも散歩してるの。」
「なるほど、買い物ついでにいいもの見させて貰いました。」
石神くん買い物だったんだ。夜更かしでもしてお腹が空いたのかな?
「よし、そしたら私帰るね。さっきは本当にありがとう。この埋め合わせはまた今度何処かで。あ、部活で困った事あったらちゃんと相談するんだよ。」
「はい、わかりました。じゃあその時はよろしくお願いします。」
石神くんかぁ〜。
突如として現れた謎の新入部員位にしか思ってなかった彼とまさかこんな変な時間に会うなんて、こんなことってなかなかないんだろうな。
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めっちゃドキドキした....
ゲームをやってて今時間まで起きてたけどまさか白銀さん...じゃなくて先輩と会うなんて。
思い切ってベンチの横座っちゃったし、よく頑張ったよ僕。
にしても、運命感じちゃうよねほんと。
なんだか色々とやる気が出てきた。今ならなんでもできるような気もしてきたぞ。
...これが無敵モードか。
もし神様とやらがいるのなら感謝をしなければならないだろう。
作者が言うのもアレですけど、白銀さんは夜風が気持ちいいとか言ってますが普通に危ないので控えましょう。




