27話:黛 琴葉・オモテとウラ
「サッカー部に... 結構頑張ったもんだねぇ。」
琴葉は教室の机に頬杖をつき、僕の方を向く。
「それ他人の席だよ、いくら放課後とはいえ勝手に座っていいものなのかな。」
「細かいことは気にしないの。そんなこと言ってると小さい男になっちゃうよ。って、それはいい。サッカー部、よく今の時期入ったね。」
「うん、色々考えたんだけどこれしかないかなって。悪手だったかな?不思議がられるかもか。」
「いや、別にいいと思うよ。照くんが白銀さんとお近づきになるにはこれしかないと私も思う。」
白銀結衣を我が手にと再決意した日から、僕はどんな困難であっても諦めないと決めた。
サッカー部に入部した今、もう後には引けない。背水の陣で突き進むしかないのだ。
「それでどうだった?雰囲気とかさ、私運動部って感じじゃないから全然わからないんだよね〜。」
琴葉は決して運動神経が悪いわけではないのだが、運動部には進んで入ろうとしない。
中学の頃は帰宅部、今は文芸部だ。
「いい感じだと思う。最初だからというのもあったかのだけど、先輩達も色々教えてくれたし。みんな真面目にやってる。」
「へー、そうなんだね。よかったじゃん、キツいしごきが無いわけでしょ?照くんそんな事されたらすぐ逃げるから。」
キツすぎないのは自分としてもいいけど最後のは余計だ。
「それにしても、なんで琴葉は運動部入らないのさ。何やっても良いとこ行きそうじゃん。」
「うーん?私は運動部特有の雰囲気が好きじゃないから。みんなで団結!みたいなの苦手なんだよね。」
いつも友達とワイワイしてる奴が何言ってんだ...
それは僕みたいな陰さんが言う台詞だぞ。
「まぁ頑張ってみるよ。サッカーのルールとか全然知らないから色々調べないといけないしね。」
「そっか、照くんがちゃんと頑張っててよかった。私に出来ることはあんまないけど応援してるよ。」
「ありがと、それじゃ帰ろうか。」
「えっ、部活は?もうサボるの?」
「いやいや、休みだよ。」
そう言い、僕と彼女は廊下に出た。
「それさ、先に言ってよ。この話歩きながらでよかったじゃん。」
「あー、ごめん。そうだったね。」
廊下を抜け、下駄箱で靴を履き、学校を後にする。
そして我が家へと歩みを進め、会話を続けた。
「琴葉、前からの疑問なんだけどさ。琴葉って友達とかと帰らないの?小中高ずっと一緒に帰ってるよね。」
「何、私と帰るのが嫌なの。」
「いや、そうじゃないけど。」
「冗談。単純に家が近いからだよ。友達と帰ってもいいけど家遠いし別れた後1人で暇しちゃうでしょ?」
「なるほどね、スッキリした。」
なんだか都合よく使われてるみたいだな...
まぁいいけど、僕は一緒に帰る友達が居ないから。
話し相手が居るのはなんだか、安心する。
「ねぇ、もし私が照くんが好きで堪らなくていつも一緒に帰ってるって言ってたらどうした?」
はぁ、またいつものか。
「それこそ冗談でしょ。バカにしてるの?」
「あははー。 .....でも、半分本当なんだよね」
「え、なんて言った?最後がよく聞こえなかった。」
「ううん、大したことじゃないから気にしないで。」
「ならいいけど。」
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私は苦しい。
もう照くんは白銀さんと付き合うために色々と動き出している。
今更私の気持ちを伝えたところでもう振り向いてはくれないだろう。それがとても悔しい、ずっと一緒に居たのに。
本音を押し殺して話をするのは辛いものだという事を実感した。
私の決意は弱い。何度彼に力を貸すと決めたか、決めてはそれを破りを繰り返す。
どうしようもない私、もうどうすればいいの....
昔からそれとなく彼にはアプローチをしているが一向に気づくそぶりがない。
「鈍感すぎるんだよ照くんは...」
照くんに聞こえないように私はそう呟く。
明日も私は自分を偽り学校生活を送る。
救いの手はあるのだろうか?
投稿がのっそり亀さん。
更新ペース上げます。頑張りますよ〜!!!




