表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「「「俺の天使を奪うなよ!!!」」」ー変化を望む者達の恋愛争奪戦ー  作者: オヤサイユウイチ
1章: はじまりはじまり
18/33

18話: アウトドア・知らない事と知る事

照くんからメッセージが来た。

「琴葉、この前出かけるって言ったやつなんだけど、明日映画でも見に行かない?」

「映画ね、オーケーオーケー。」

映画、彼にしてはかなり考えた方では無いだろうか。

きっとネットなどをフル活用したのだろう。

「ただ、時間が19:00からしか席空いてなかったから行くとしたら帰り遅くなっちゃうけど、それでも大丈夫かな?」

「別に良いよ、17:30くらいに集合して夕飯食べてから行けばいいか。」

「お店に関してはよくわかんないから歩きながらで決めよう。」

「了解。」

その後、いくつかやり取りをして私は床に着いた。


ピンポーン 家のインターフォンが鳴った。

そうか、そういえば彼が家まで迎えにくるという話だった。

「予定より結構早めに来たな....」

ギリギリに支度をする癖があるせいでまだ服が決まっていない。でも待たせる訳にはいかないし、これで良いか。私は玄関のドアを開けた。

「ごめんねー、支度がまだ終わってなくて。少し待たせちゃったかも。」

「いや、別に良いよ。まだ時間じゃないし。」


「それにしても、どこで食べようか。いろいろあるね、ファミレス、蕎麦、中華、挙げればキリ無い。」

本当に色々あるんだよなぁ、結構悩んじゃう。

面倒だし任せちゃうか...

「もうこの際、私なんでも良いから照くんが決めてよ。」

「じゃあ、時間もあるしファミレスにしよう。蕎麦とかだと早く食べ終わっちゃうだろうし。」

「わかった。」

私達はファミレスに入り、ご飯を食べた。


「それじゃあ飯も食ったし、行きますか。」

うんうん。ちゃんと照くん、エスコート出来てる。

「そういえば、何の映画見るの?誘われたの昨日でなにも把握してないんだよね。」

「あー、着いてからのお楽しみで。ちゃんと面白いみたいだから大丈夫だよ。」

「そう、ならいいや。」

「にしても琴葉、よく来れたね。昨日誘って当日が今日って凄い急でしょ。予定とか無かったの?」

急っていう自覚あったんだ....

彼からメッセージが来た時は驚いたものだ。

「まぁね。でも、本番で白銀さんを誘う時は相手のスケジュールを聞きつつ計画立てなよ。」

「気をつけるようにします....」


そうこう話していると、映画館に着いた。

「琴葉は何か買う?ドリンク、ポップコーン、チュロス、色々あるけど。」

「私はドリンクだけでいいや、どうせ照くんもドリンク頼むでしょ? 同じやつで。」

「わかった。じゃあ予約しておいた席のチケット発券しておいて欲しい、その間に買ってくるから。」

「了解、任せて〜。」

私はそう言い、発券機で予約してあった席のチケットを発券した。かなり後ろの席だが、前よりかはいい。

他の席も埋まっているし、運良く取れたのだろう。

「飲み物買ってきたよ。同じのって言うからコーラにしたけど、いい?」

「うん。はい、これチケット。」

彼にチケットを渡した。

「それじゃあ行こう。」

私達はもぎりのスタッフにチケットを見せ、入場。

そして、指定の席に着く。

「この時間なのに結構人入ってるね。」

「そうだね。僕らの入場が遅めだったのかな、出発こそ早かったけど。」


そう話していると辺りが暗くなり、映画が始まった。

「あ、始まったね。」

ミュージカル映画か、でも内容は結構重そう....

照くん、チョイスミスったね。面白いけど女の子と来るものじゃないかな....


映画が中盤に差し掛かり、1人の青年と、その幼馴染みが出てきた。

その青年はふと街を訪れた少女に一目惚れをし、幼馴染みは彼に協力をしようと、少女の住まいを教える。

彼の事を思っているのにも関わらず、だ。


....まるで私だ。なんという皮肉だろう、もちろん、照くんにそのつもりはないだろうが。でも、、


物語は終盤、青年は仲間と共に暴動を起こす。

そして、彼女は拳銃で撃たれそうになった彼を庇い、死んでしまった。

死んだ。なんて悲しいのだろう。


私もこうなるだろうか。

もちろん、死ぬ事は無いだろう。だが、もし照くんが無事に白銀さんと付き合うことになれば、酷く後悔するのでは無いのか。

そして、その時にきっと彼は私に感謝の言葉を告げる。それを「よかったね」と言って耐えられるだろうか?

どうしてだろう、せっかく彼に協力すると決めたのに。それが崩れてしまいそうになる。

その後の映画の内容は全く頭に入らなかった。


「終わったか〜、映画のチョイスミスったかも。でも結構面白かったよね。って、琴葉、泣いてるの?」

私は泣いてしまったようだ。色んな感情が渦巻いて、もうどうしたらいいかわからない。

「あ、ごめん。なんか、最後感動しちゃってさ!」

「そうなんだ、琴葉が泣くなんてビックリだよ。ちゃんと人の心があったんだなぁ....」

「なにそれ、私怒るよ?私が人じゃないって言いたいの....」

「待って。」彼が私の言葉を遮った。

「あれ、白銀さんじゃない?」

「えっ、嘘。」

本当だ、なんで彼女がここに。

そして、横にいるのは、、確か黒岩とかいう...

「ねぇ照くん、、」

「...何?」ひどい顔だ、絶望の表情に満ちている。

「いや、、なんでもない、帰ろう...」


帰り道はお互い無言だった。彼にかける言葉が見当たらない。

あの人は友達かもしれない、とか。

まだ諦めてはいけない、なんて今の彼の顔を見て言うのは無理だ。

でも、どこか安心している自分がいる。

これで照くん諦めてくれるかな。そんな風に思っている自分が。

嫌な女だな、私。















何の映画をモチーフに使ったかわかった方は面白いので見てくださいね〜

最近、このサイトにも慣れて書くスピードが上がりました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ