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「「「俺の天使を奪うなよ!!!」」」ー変化を望む者達の恋愛争奪戦ー  作者: オヤサイユウイチ
1章: はじまりはじまり
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1話: 見つけました。俺の天使!!!

俺の名前は黒岩(くろいわ) 亮介(りょうすけ)高校2年生。こんな自己紹介でいいだろうか?

後輩ができて先輩との板挟みになる学年だが、受験や就職やらのストレスも無く、新学期への緊張も無い素晴らしい時期でもある。

そんな俺だが友達も出来てそれなりに楽しい学校生活を送っている。教室に着いてドアを開ければ他の生徒の話し声が聞こえる、そんな穏やかな日常。

「黒岩、お前何ボソボソ言ってんだ?」

「独り言だよ、たまには俺も心の解放をだな....」

こいつは(かがみ) 孝文(たかふみ)、俺の愛すべき友人その1。簡単に言えば能天気でバカだ。辛辣に聞こえるかもしれないがこいつは本物だ。高校生にもなって「なぁ黒岩!!分数ってなんだ!?!?」と質問に来るような間抜け。だが話していて楽しいしポジティブでいい奴だ。

「心の解放もいいが黒岩、お前に相談したい事があるんだ」

「なんだよ、分数ならこの前教えただろ」

「誰がそんな間抜けな質問するか!!分数なんて小坊のガキでもわかるぞ」その間抜けな質問をお前はしてきたんだよというツッコミをいれそうになったが、押さえ込んだ。

「それで、その相談ってなんだよ」と鏡に聞く。

「あぁ、実は俺さ、、この前さ、、、」なぜか鏡は震えてる。声をかけようとしたその時

「俺、、フラれちまったんだよおおおおお!!!!」爆発した。その声はクラス中に響き渡ったであろう、クラスメイトが鏡に注目している。

「なんだこの声は、鏡か。廊下まで声響いてるぞ」

「おはよう七原。このバカををどうにかしてくれ」

こいつは愛すべき俺の友人その2で七原(ななはら) 誠二郎(せいじろう)、鏡の反対で頭がいい。俺が悩んでる時にも的確なアドバイスをしてくれたり、頼れる奴だ。しかし、誰しも欠点はあるもので七原の場合はメガネが絶望的にダサい。本人はダサいという意識は無いらしく、メガネについて言及するとキレる。だから俺たちの中ではそれについて触れる事は禁忌と化している。

「それで、フラれたって誰にだ」と七原は聞く。鏡は必死に涙を堪えながら

「隣のクラスの白銀さんだよ。俺もう、、立ち直れねぇ」

白銀さん、白銀結衣(しらがね ゆい)の事だろうか。白髪の美少女で男子からとてもモテている....位の事しか知らない。なにせ話した事が無いのだ、知らなくて当然ではある。

「白銀さんねぇ」と七原がため息をつく。そして

「白銀さんって白銀結衣だろ?よく告白できたな、あいつこの学校じゃ学年問わず人気じゃないか」

「でも、俺はお前のその勇気を称えるぜ。よくやった鏡!!」俺は鏡の肩にポンと手を置き、慰めの言葉を送った。それに続いて七原も

「まぁお前と白銀に縁が無かったって事だな。何、鏡にだって振り向いてくれる女はいるさ。気を落とさずに、な?」

「お前ら....やっぱ持つべきものは友達だよな!」鏡の目は眩しいほどにギラギラ輝いている。まぁ嬉しそうにしてるし本人ももう気にしないだろう。

キーンコーンカーンコーン

腐るほど聞いたチャイムが鳴る。授業開始の合図だ

こうしてつまらない授業を受けて、昼休に友達とバカ話して、気づけば放課後なんてのが毎日続く。明日も、明後日も、明々後日も繰り返す何気ない日々。


ーいいのだろうかー


唐突に頭に浮かんだ疑問。何も変わらない日々を送るのは悪くない。それなりに楽しい。 でも.......

心に空いた穴、何かが足りない、変化が、刺激が欲しい。

その時、ふと高校に入学した時の記憶が浮かんだ。不安と、でもちょっぴりの期待を胸に抱いたあの日。

そうだ、これじゃないか。俺が望んだのは変化だ。級友と過ごす日々も悪くはないがそれじゃあ中学校と変わらない。


ー何が欲しい?何が俺の心を埋める?ー


そう自分に言い聞かせて思考を巡らせるが答えは出ない。その時、ピアノの音が耳に入ってきた。

綺麗な音だ、いつもは聞こえない、見落としていた音。これだ。

そう、こんな小さな変化でいいのだ。

俺はその音色によって音楽室へと導かれ、ガラッと扉を開ける。すると、その音色は体に染みついてきた。

そして、それと同時に白髪の美少女が目に入った。

白銀さんだ。その姿はまるで天使のようで、ピアノを弾く指はとても華奢で綺麗だ。


ー好きだー


鏡がなんの関わりもないのに告白をした気持ちがわかった気がした。

「何か用ですか」俺はドキッとした。

「あのっ.....」なんて言えばいいのか分からない。

「綺麗な、音色ですね。」なんとか絞り出した。

「ありがとう。嬉しいです。」ピアノなんてさっぱりわからない。でも、彼女の、白銀さんの演奏を聴きたい。そう思った。


ーお願いしたら演奏してくれないかな?

「すいません。」

「なんですか?」白銀さんは首をかしげている。

言ってしまった。無意識に出ちゃった、言っちゃったものは仕方ない。

今の気持ちを伝えるしか.... 変な前置きは無しだ。

「白銀さんのピアノ、聞きたいんです。毎日じゃなくていいので、弾いてる日とかにちょっと聞くくらいで...えぇっと」そう詰まっていると

「私のピアノが聞きたいなんて初めて言われましたよ。まぁマネージャーが本業だし当たり前か。どうしてもと言うのならピアノを弾く日を教えますからPINEを交換しましょう」

「ふぁっ、ふぁいぃ!!」緊張のあまり変な声が出てしまった。絶対笑われてる、恥ずかしい。

「ピアノを聞きたいって言われた時はちょっと嬉しかったです。それでは、また」

「はい!さようなら!」

まだ手足の震えが止まらない。でも、これで白銀さんのピアノがまた聞ける。俺の心を埋めてくれる、変えるんだ。














黒岩くんの導入です。2話、3話は他のキャラ達の導入にしようと思っているので2000字前後の短めな文章になりそうです。応援よろしくお願いしますb

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