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東京怪異譚  作者: 鬼道 迷
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半身を追い求めさ迷う悲劇の怪異譚 導入編

この小説では一つの怪異譚に導入編、探索編、決着編という3部構成で物語が進みます。

遅々として進まないかも知れませんが暖かい目で見てくだされば、幸いです。似たような小説、物語は多いかも知れませんが私なりの作品を書けるよう粉骨砕身の努力で頑張ります。

半身を追い求めさ迷う悲劇の怪異譚 導入編

怪異譚(かいいたん)

それは道理では表せない理解することができない奇妙な体験を綴った物語のこと

それは人々が作り出した恐怖と惨劇のうわさ話あるいは神話とも言える

時が流れそれは「都市伝説」として語り継がれ今に至る……

どこかのだれかがそれはあなたかもしれないそんな噂や口伝がネットで伝わり、デマや噂、創作関係なく人々が信じた噂、物語。

それが都市伝説。

そして今日もまた都市伝説は広がり感染していく……

それが「怪奇譚」そして語るは「怪奇譚語り」

今宵も一つの奇妙な怪奇譚を一つ。

それは一人の少女の悲しき怪奇譚

それは半身を追い求めてさ迷う紅いの怪奇譚

それは誰も避けることのできぬ狂気の怪奇譚

もしかするとこれは明日貴方にも起こるかもしれない物語


第1譚「半身を求めるもの 前編」

東京都の都心、そこに東京中央高校という名のマンモス高校がある。1クラス40人が8クラスと少子高齢化が社会問題となっている昨今にしては珍しい高校。そんな高校に春の四月、桜の花びらがまう通学路を歩く青年が1人。

黒の髪を短髪にし、その肌は白く、サファイアのように真っ青に染まった眼、シワのない新品のような制服。そして右手に数珠をつけている小柄な青年。彼の名は諏訪(すわ) 勝斗(まさと)。この物語を話す上で重要となる人物である。

彼こと諏訪青年は長野の名家諏訪家の長男に生まれ今年で16歳。一月頃に東京に上京し、現在は一人暮らしをしながら今日、東京中央高校1年生となった。

彼が上京した理由は二つ

一つは単純明快に諏訪青年が東京に憧れる今どきの青年であり、古臭い地元をでて新しい風が吹く東京の地に夢見て上京したということ。

そしてもう一つは彼が今日から通うこの東京中央高校に通うとある人物たってのお願いで東京中央高校を選んだ。

不安少し、期待充分に心に膨らませる諏訪青年。桜並木を楽しみながら歩いていく。

三月住んでいるとはいえまだ慣れぬ地。親しい友人もまだ出来てない彼にとって今日は待ちにまった入学式である。

桜並木を抜けると東京中央高校の正門が目が映る。

「あれ? ……なんで人だかりできてんだろ?

クラス分けの発表でもされてるのかな?」

それにしてはクラス分けにしては不自然な集まり方である。それくらい大勢の学生が正門に集まっていた。

諏訪青年も気になって、小走りで正門へと向かうとそこにはまるで今から選挙を行いますといわんばかりの大掛かりなセットが正門の前に作られていた。そのセットの中央には一人の少女がマイクを握って仁王立ちしていた。

真っ赤な髪を三つ編みにして、白のセーラー服を身をまとっている。身長は女性にしては高くモデルのような体型をしている。自信満々といわんばかりのオーラーを放つその少女はどこか勝気でいたずら好きな笑みと高校生らしからぬ大人の色香をもっていた。

その少女が新入生を見回して一呼吸置くと手に持っていたマイクを口元に持っていく、

「新入生のみんなおはよう! 私は花澤(はなざわ) 百合(ゆり)

この東京中央高校の初代生徒会長を務めてるわ!うちの生徒会は新設して2年と短いからね。

歳はピチピチの18歳! 誕生日は10月2日! 趣味は麻雀!!

男の趣味はいい男よ。女の子もウェルカムよ♡

私に抱かれたい可愛い女の子はこの後生徒会室に来るといいわ♡

私が個人的に濃密なレッスンをしてあげるわ♡」

百合と名乗ったその少女は右目をパッチリとウィンクしたおまけと言わんばかりに投げキッスの雨をふらしている。

新学期早々東京の地でこれほど強烈な自己紹介をされるとは皆思っていなかったのだろう正門に集まっていた新入生はポカーンとした表情にものが多い。

中には熱狂しているものや、苦笑いしてるものもいる。

そこへ

「おい……百合、お前は一体ここで何をしている?」

みんなの視線が会長の後ろに現れた女性に向く。

蒼色の髪をポニーテールにし、生徒会長と同じくセーラー服。右手に本を抱えて、左手は真っ赤なメガネを抑えている。その物静かで全てを見通しそうな深緑の眼もあいまってクールで先生と呼ばれそうな美少女なのだが眉間に皺をよせ青筋をたててるので美人な顔が台無しである。

「あら桃じゃない? なにって新入生に挨拶よ、あ・い・さ・つ♡

最初のインパクトが大事でしょ♪今は生徒会も3人しかいないんだし勧誘は積極的に、夜の営みも積極的にって言うじゃない♡」

生徒会長は後ろを振り返りキラッと言わんばかりのポーズをしながら言った。

ブチリと血管が切れた音が諏訪青年には聞こえたような気がした。

「このぉど阿呆がぁぁぁ!!朝っぱらから天下の往来でなにマイク大音量にしてなに自分の性癖いっとんのじゃわれぇぇ!!

苦情の電話を聞くのは誰だと思ってんだこらぁ!!」

百合と名乗った赤髪の少女からマイクを奪い桃と呼ばれ蒼髪の少女は怒声を放つ。

「え?それは副会長たる桃でしょ? 生徒会の面倒ごとは副会長様の桃の務めでしょ?」

「何が務めじゃこらぁ! 生徒会の代表は残念ながらお前なんだよこの色欲魔!!

お前のいつもいつもいつも訳の分からん行動で振り回される私の身にもなれぇぇぇ!!」

桃と呼ばれているそのポニーテールの少女は怒声をはなちながら頭を抱えてだした。

「とにもかくもだ! ささっとこい百合! 浅山先生が首をながぁぁーーくしてお待ちだ!

お前リハーサルすっぽかしただろぉが!!

新入生の挨拶はそこでせんかこのど阿呆!」

そう言ってポニーテールの少女は生徒会長の首根っこを捕まえるとそのままズルズルと引っ張って体育館の方へと消えていく。

「いや~ん♡てことでみんな入学式で会いましょ~

さようなら~」

不安が少し大きくなった諏訪青年てあった。


そこから正面玄関に入り、クラス分け表で普通か1年2組であることを確認してクラスに入り、黒板の席と照らしあわせて席につく、ソワソワしながら周りを見ていると担任らしき先生が現れそのまま体育館へ、入学式を迎えることになった。先程とうって変わって生徒会会長を名乗った花澤生徒会会長は凛々しく最高学年祝辞を述べていた。

その後クラスに戻り席に座る。

隣の席は女の子だった。

茶髪の髪をウルフカットにし、目は愛らしい亜麻色のパッチリとして目。

身長は150cm程度で小柄な体型をしていた。

諏訪青年の印象としては子犬のような明るさと可愛らしさを感じていた。

彼女の名はホームルームの自己紹介で知った。

「山梨の風鈴中学から来ました鈴原(すずはら) (めぐみ)です! 中学の時は陸上やっていて趣味も走ることと山登りが趣味です! 皆さんと仲良くなりたいと思ってます! よろしくお願いします!!」

明るくハキハキと話、フレンドリーな雰囲気を諏訪青年は感じていた。なによりその目の光は闇を知らない純粋な光。濁りを知らない純白の光を放っていた。

諏訪青年はそれを眩しく、眩しすぎるとその目をみて思った。

彼がかつて持っていた光であり、彼が過去に捨てた光であり、そして今はない光だから

隣の席だったということもあってか諏訪青年はとよく鈴原恵と話すことになった。

彼女、鈴原恵はいわゆる普通の家庭で過ごしてきた。父は転勤の多いサラリーマンであり、生まれは九州らしく、そこから広島、大阪、山梨とえて東京に引っ越してきた。

彼女の今は亡き母は自然をこよなく愛しており、よく父と自分を連れて山へと連れていってくれ、そのためか自然と山が、好きになったと彼女は教えてくれた。

彼女、鈴原恵はその持ち前の明るさとフレンドリーさから入学式から1週間たって、数名の友人達と仲良さげに話している。

諏訪青年は一人ポツンと席に座っていた。

諏訪青年は非常に大人しく、控えめな性格、つまるところコミュニケーションが非常に苦手な青年であり、自分から話しかけたりすることを、不得意としていた。

そのため入学式から、1週間早くもボッチとなっていた。

諏訪青年が説明しようとしたの時だった。

「ま~さ~とぉぉぉ!!♡」

突如諏訪青年の胸にセーラー服の少女が抱きついてくる。

その衝動で勝斗は地べたに倒れ込む。

「勝斗くん!?って……あれ!?貴方は…生徒会長!?!?」

そう諏訪青年の胸に飛び込んだのは東京中央高校の生徒会長に君臨する花澤 百合その人である。

「いてて……相変わらずだね………ねぇさん。」

「すっかり大きくなって!おねぇちゃん嬉しいわ~♡」

よほど嬉しかったのは百合はぎゅーと諏訪青年に抱きつく

「えっとね鈴原さん。この人は今は花澤っていうんだけどそれは母親の性で父親の性は諏訪。まー腹違いの兄弟なんだよね…」

「…………えーー!?!?!?」

鈴原さんの絶叫が部屋をこだましていく……


諏訪青年の父諏訪(すわ) (まさと)は百合の母花澤 志帆(しほ)を交通事故で亡くした。志帆の家族によって親権を取られたため百合は花澤家で育つことになったらしい、その後再婚して諏訪青年の母である伊集院(いじゅういん) 静乃(しずの)は百合の母花澤 志帆とは旧知の間柄であり百合とも連絡をしていた。

諏訪青年が中学3年生のとき父諏訪 誠は急病でこの世を去った。その際に当時高校2年生だった百合と出会い、百合たっての願いで諏訪青年は東京中央高校に進学することになった。

桃香さんとは東京の家を探す際に知り合い、彼女を含めた生徒会とは実は知り合いの間柄である。


ここで東京中央高校の誇る生徒会の話をしようと思う。

東京中央高校の生徒会は生徒会長を筆頭にして、副会長、書記、会計、事務、補佐、総務の七つの役職が存在する。

その下に委員会連合というもがあり、クラスから男女2名を各委員会に振り分ける。各委員会は学級委員、美化委員、風紀委員、保険委員、文化委員、体育委員に分かれている。そして委員会連合のトップは学級委員長、美化委員長、風紀委員長、保険委員長、文化委員長、体育委員長であり、彼らは生徒会の次のこの高校で権力を持っている。特に委員会連合を実際に動かしている学級委員や委員会連合とは別行動ながらも実験をもつ風紀委員などは委員会連合でも発言力がある。

そして生徒会の現在のメンバーもとい生徒会というこの体制を作った初代生徒会メンバーは、

東京中央高校史上初の全教科満点を2年連続前期後期している才女であり、諏訪青年の姉、花澤 百合を筆頭に、

副会長であり、姉、百合の良き理解者であり苦労人である藤原 桃香さん

生徒会の黒い宰相と呼ばれている腹黒ちびっ子軍師(姉が命名していた)こと生徒会長会計 小早川(こばやかわ) (あきら)さん2年生。

そして姉さんが言っていた今は、とある事情でいない残りのメンバー達。


天津風グルーブの令嬢にして生徒会の天然トラブルメイカー。だが勘が鋭くここぞというときに頼れる生徒会事務 天津風(あまつかぜ) (しおり)さん3年生。

生徒会唯一の武闘派にして生徒会の特攻隊長。喧嘩上等、全てを拳で解決するすこし脳が残念な生徒会補佐 鬼柳(おにやなぎ) 大地(だいち)さん2年生。

生徒会のお母さんにして誰も掴めない風のような人。生徒会創設に深く携わった人物でもある生徒会書記 黒傘(くろかさ) 由香里(ゆかり)さん3年生。

生徒会の頭脳と呼ばれたIQ300以上の天才児にして変態奇人。彼がいるところにいつも事件が起こると言われたらしい生徒会総務 南沢(みなみさわ) 乱歩(らんぽ)3年生さん。


姉を筆頭とした東京中央高校生徒会は近隣にもその名をいい意味でも悪い意味でもよく知られている。

実際桃さん曰く、百合姉さんと南沢さんと天津風さんが問題を起こして黒傘さんが焚き付け、鬼柳さんが何でもかんでも破壊するからいつも処理するのは晶さんと桃さんらしい。

そして現在その生徒会を率いる百合姉さんは僕に抱きついている。今クラスに鈴原さんと桃さんしかいないからいいけど他の人がいたら殺されそうだ

百合姉さんは男女ともに人気が高くファンクラブも多い。

「すっごーいー!!諏訪くんって実はすごいひとなんだね!!」

鈴原さんがキラキラした目で僕を見る。

「僕はすごくないよ百合姉さんはすごいけど。僕は平凡だから姉さんと違って」

僕は困ったように言った、実際そうなのだから僕は姉と違って人を率いるなんてできないし当たり前のことを当たり前にそつなくしかこなせない平凡な少年なんだから

「……やっぱりまだ君は……」

桃さんがポツリと何か言ったような気がしたので

「どうかしましたか?桃さん?」

「いやなんでもない。ところでどうだ一人暮らしはなれたかい?」

「あはは……色々大変でなかなか……」

「それなら姉さんと一緒に暮らしましょ!!色々お世話して上げるわよ!あんなことかららめぇーなことまで♡」

「お前は!(ゴチン!)聖なる学舎で!(ゴチン!)何をほざいてるんだこのバカ!(ゴチン!)」

桃さんが百合姉さんの頭に3度拳骨を落とす。

「いった~い……」

「だいたいお前寮生だろうが男子が入れるわけないだろ」

「そうです!!それに不潔な男が百合おねぇ様と同じ空気を吸うなんて万死に値します!!」

その声と共にガラガラと扉が開かれる。

身長148cm、黒いベレー帽、黒縁メガネ、左脇に大きな辞書をかかえている黒髪の少女。

この人こそ生徒会会計小早川 晶さんである。

「晶……お前か……」

桃さんがげんなりした声でいう。

「桃香先輩なんでそんなげんなりした声なんですか!?私何かしましたか!?」

「晶がいると余計この場が制御できんくなるからな……」

「ガーン!!晶ショックです!これもあれも全てそこのお前のせいです!不潔男子もとい諏訪ぁ!!」

「相変わらずですね……晶さん……」

晶さんは1年生の頃百合姉さんに何をされたかはまぁご想像してもらうとして大層可愛がられたためか百合姉さんラブ百合姉さん命なのだ。そして元からなのか非常に男性を嫌っており、百合姉さんの弟である僕を目の敵にしている。

とは言っても面倒見がよくて人から頼まれると断れない性格のためか、口が悪いだけでいい人なのである。

「相変わらずなのはお前もですよ諏訪。まったく……ってそんな場合じゃないんですよ!桃香先輩お耳を拝借」

「ん?」

晶さんが桃さんの耳にボソボソと言う。

「なんだと?ほんとか?」

桃さんが急に神妙な顔で晶さんに聞く。

「はい。確かなものかと」

晶さんも神妙な声で頷く。

「おい。百合……」

桃さんが百合姉さんに振り返る

「ん~なに?桃。」

「お前……今日決済の生徒会予算決定書と生徒会連盟決定書……どうした?」

「……………………えーと私用事が!「またかーきさまー!!」ひー!!ごめんって桃!やるつもりだったのよでもつい睡魔が……」

「という訳でだ火急の用でこのバカを連行するから2人は先に帰ってくれ。元々二人で帰る予定だったのだろ?」

「はいそうします。早く終わるといいですね用事」

「はい!ありがとうございます!藤原先輩!」

「うむまたないくぞ!バカ!」

「ひーん!!またね~勝斗~!鈴原ちゃ~ん!!」

「待ってくださいおねぇ様~」

そう言って三人は教室を出ていく

「あははすごい人たちだね色々と」

鈴原さんが少し引き気味に笑いながら言う。

「そうだね…さて帰ろっか僕らも。ニュースで流れてたしね夜になると連続殺人事件に、合うか持って送るよ家まで」

「そうだね!しかし怖いよー上半身と下半身がまっぷたつとかぶるぶるだよ……あれ?そえばさ……私先輩に、いつ二人で帰る予定あったて言ったけ?」

「あれ?言ってたじゃん?それより早く帰ろここの近くにおいしい甘味処あるしさ」

「ほんと!?早く行こ!」

鈴原さんに、引っ張られるように僕らも出ていく

まったく……桃さん貸一つですからね?


その頃

花澤百合は藤原桃香に引っ張られていた。

「まったくお前というやつはなんでいつも問題を起こすんだ!」

「藤原先輩おねぇ様を責めないで責めるなら晶にあーでも晶の大事なところな百合おねぇ様しか攻めちゃ……」

「そんなもんいらん!私はお前らと違ってノーマルなんだ!!」

藤原桃香と小早川晶がいつものように漫才をしていると

「ふー……さてもういいんじゃない?」

今まで沈黙していた、花澤百合が話す。

「何がだ?」

藤原桃香が怪訝そうに花澤百合に問う。

「桃……私がわからないと思う?だいたい生徒会の書類なんて私じゃなくて桃と晶の仕事でしょ。私は判子を押すだけ

それに……私がこの学校で知らないことなんてあると思う?」

百合はニヤリと桃香に笑いながらそう言い切った。

「はー……そうだったな。なら本題に行こう。やつがまた、動き出したらしいこれで今週で5人目だ。」

「共通事項はただ一つです。被害者は全員上半身と下半身を切断されており、下半身が行方不明ということです。」

「あれよね~ど~考えても今回の怪異力的にあれしかないのだけど……私の管轄ではあるのだけどどーやって学校におびき寄せるかのよね~」

「百合、お前のいう怪異譚は怪異譚を呼び寄せるという法則はきかんのか?」

「藤原先輩やつは赤の怪異譚に近いですしそこまでの思考力はないかと。

それに、あれは目に映る全てをスプラッタするのが目的ですから」

「ちっ……打つ手なしというのか」

「桃。それを考えるのが私たちの仕事でしょ。私たち生徒会の使命でしょ。桃は警察に連絡して山本さんたち現状を聞いて、晶はやつを学校までおびき寄せる策を……

終わらせるわよこの怪異譚。

嘘と呪いで始まる悲劇の血の怪異譚。ただ半身を追い求めさ迷い続ける哀れで悲しい怪異譚をね

私はこの学校の生徒を守る義務があるわうちの生徒が被害を受けないうちにこの怪異譚終わらせるわよ。」

「そうだな。さすがは学校の守り神様だ」

「百合姉様がこの学校で負けるはずありませんもの!」

「それと桃あなたまた無自覚でしてたわよ?勝斗が誤魔化したみたいだけど」

「そうなのかどうしてもな私のあれはいつでも視えてしまうからな」

「まったくお2人のそれは強すぎませんかね…私なんて真っ暗じゃないと使えないんですから」

「そう言わないのよ晶。あなたは私の対となる力なんだから」

「それにお前のその力は闇であればよいからな。私や百合みたいな制限がない」

「そうですけど…着きましたね生徒会室さて仕事しますか」

こうして三人の姿は生徒会室にへと消えていく……


電車の踏切を渡る男女の影。諏訪青年と鈴原 恵は並んで歩き出す。

「美味しかった~あのきな粉ゴールデン宇治抹茶パフェ。」

「女の子はスイーツは別腹とかいうけどほんとなんだね……」

諏訪青年は無難に白子ぜんざいを選んだのだがあの店のパフェデカイの長いの和風洋風中華がごっちゃなのと相変わらずよくわからない店である。ちなみにその店は百合姉さんのお気に入りの店だったりする。

「そうえばニュースみたー?勝斗君。」

「あれだよね?連続殺人事件でしょ?被害者この1週間で5人。警察も躍起になって探してるね」

「ほんと怖いよね~」

「鈴原さん夜に出歩かないようにね特に電車の踏切とか歩行者用の橋とかは特に」

「へ?なんで?」

「あ……いや、鈴原さんみたいな可愛らしい女の子が夜で歩くと危ないでしょ?」

「か……可愛いって//冗談でもそーゆー事女の子に言わないの!!もう//私こっちだからまた明日ね勝斗君」

鈴原恵はそのまま自分の帰路へと小走りで曲がっていく

「うんまたね…

さて、奴をどうにかしないといけないんだよな~めんどくさいなほんと」

先ほどの少し弱々しい態度から一変して覇気をもった口調でいう。

そして諏訪青年のもつ電話から着信音が鳴る

「もしもし?山本さん?」

「俺だとよくわかったな」

40~50だいの男性の声が聞こえる。

「そりゃぁこの時間にこのタイミングで電話を掛けてくるのは山本さんくらいでしょ。ニュースで流れてる連続殺人事件。それにこの街に来て感じる違和感。ニュースの内容も被害者は皆上半身と下半身を刃物で切ったようにすっぱり切断されて、なおかつ下半身が行方不明どう考えてもあれのせいだと思うんですけどね?一応予想はついてますけど聞きましょうか?今回の怪異譚を」

「まぁおめーの予想通りだ。テケテケ。かのテケテケさ今回のお前さんの敵は」


怪異譚「テケテケ」


冬の北海道の踏み切りで女性が列車に撥ねられ、上半身と下半身とに切断されたが、あまりの寒さに血管が収縮したために出血が止まり、即死できずに数分間もがき苦しんで死んでいったという。


彼女はちぎれた半身を探し、夜な夜な徘徊する。


彼女に見つかった者は、その両腕で下半身を引き千切られ、奪われる。


だがそれは、自身の下半身ではない。彼女はその下半身を捨て、また自身の半身を探し彷徨い始める。


半身を失い探し求める、女性の都市伝説である。


怪異譚、それは噂や人が作り上げた人が信じる虚像。

噂が恐怖や畏敬を伝染し、一種の信仰となる。

そして虚像であった怪異譚は実像をもちそして現世に実現する。それを「語り」と僕らは呼んでいる。

人の過去やトラウマ、強い思いによって怪異譚は語られる。

このようにして怪異譚を実現してしまった人を「怪異譚語り」と呼ぶ、そして怪異譚を所有した人物はその怪異譚の力を得ることが出来ると共に怪異譚に、意識を乗っ取られるリスクを追うことになる。

世間には知らされておらずそれを知っているのはごく少数であり、山本さんが、所属する警察の極秘課、怪異課もその一つである。

怪異課に所属する電話の主、山本 権六(やまもとごんろく)さんは怪異譚を所有はしていないもののその手の怪異譚の事件を追うベテラン警部である。

彼と知り合いなのは、とある事件をきっかけに怪異譚に纏わる事件に調査協力するようになったからである。

ここで怪異譚についてもう少し説明しておこう思う。

怪異譚にはまずある日突然、人がなにかしらのトリガーで怪異譚を実現させてしまうパターン「人為的怪異譚」とネットや噂で怪異譚が多くの人に感染してしまい、そこに畏敬や恐怖といった形の信仰が生まれ実現してしまう「自然的怪異譚 」に分かれる。今回はどうもネットの噂から始まってるらしいので恐らく所有者のいない怪異譚つまり自然的怪異譚であろう。

そして怪異譚には強さがある。怪異譚の強さは大きく分けて2つある。一つはその怪異譚そのものの強さである。恐怖や現象、能力がいかに強いかという事だ。もう一つはメジャー性である。人がどれだけそれに感染し、知られているか、信仰のない怪異譚はひどければ消滅する。

この二つを合わせて「怪異力」と呼ぶ。

そしてテケテケは怪異力という観点から言えば上位クラスにはいる怪異譚である。

上半身だけで高速移動することが出来、相手を問答無用で切断できるという現象、そして恐怖。

映画にもなりその知名度は全国区であり、今回のニュースでネットではテケテケと仕業だとさらに感染させ怪異力を増している。

よって実際のテケテケよりも数段強いテケテケが今回の敵である。

「んでどうするよ諏訪青年よ。」

「とりあえずいつも通り調べるところから始めますよ。怪奇譚と戦うためにはまず知らなきゃ話になりませんからね」

「おうそうだな。まぁ俺らも頑張るがテメーも頑張れよ」

その声とともに電話は切れた。

「ええ……僕の血にかけてでも……」

春の桜が散って舞った。そして赤い鮮血の半身が動き出す

導入編 完

次回

「半身を追い求めさまよう者探索編」

いかがでしてかでしょうか?

コメントを貰えると嬉しいです。

次回も早く、書き上げれるよう頑張る所存です。

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