遭遇5
パリケラ島、雷神の子パリケラが幻影クジラに乗っていたらたどり着いた島。
パリケラの子孫は皆強くたくましく育ちまたそう在ろうとした。
そのパリケラの子孫から雷の勇者が誕生したの必然だったのかもしれない。
エルクル討伐者援護学校はパリケラの子孫〈パリケラ島民〉に優秀な人材を特別枠で入学するように手を打っていた。
そのおかげで俺は島を出て大陸に来ている。
おれはついに、ついに・・・
「オーブ、やはりお前が特別枠に選ばれたんだな」
「久しぶりだね、ゴルド君」
ゴルド君は去年エルクル討伐者援護学校の特別枠に選ばれたパリケラ島民である。
「学校自体は来週から始まる、特別枠の先輩に聞きたい事はあるか?」
「島には居ない牛という動物の肉が食べたい」
牛、巨大化したシカのような生き物で、肉なのだが肉とは思えないほどの甘さがあり驚くほどの柔らかさで何時の間にか食べ終わってしまうという魅惑の肉があるという、その話を聞いた時から気になって仕方なかったのだ。
「島に帰ってきた者の話を聞いたのだな?牛肉はすごいぞ」
ど、どうすごいんだ気になる、早く食いたい
「楽しみだ」
ついに・・・俺は食えるのだ、待って居ろ牛肉。
「いい店を知っている、入学祝におごってやる、ついて来い」
ゴルド君、後光がさしているよ
「オーブは成人式で何の称号を手にしたのだ?」
「速く泳ぎ声を交わす者です」
パリケラ島の成人式は自分の成長を長老や賢人のもとで試す事であり、それの出来で称号をもらえる。
「素晴らしいじゃないか」
ゴルド君は破顔して喜んでくれている、これはおそらく声を交わす者という所にある。
この称号は幻影クジラとなんとなく意思疎通ができるという能力を評価されてつく称号で、雷神の子パリケラに近い異能であるため島では高いステイタスである。
「ありがとうございます、ただ戦士である俺としては力強き者や俊敏な者といった称号がほしかったですね」
若干気落ちした返事をしてしまった。
「何を言ってるんだ、称号は特に優れた力を採用されたってだけだろうな、ただ声を交わす者ってだけじゃ、今回の特別枠には選ばれないさ」