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核熱的な機械

トルヴェザ

『・・・このような所に、何か御用ですか?』


 私の部屋・・・神は部屋と呼ばれる小さな空間を持っている。基本的には、部屋に入ってくるものは居ない。私は部屋から世界を眺めていたのですが、強気そうな女性が訪ねて来たのです。腕につけている腕時計は・・・見覚えがあります。


アトムビジョン

『私はアトムビジョン<微小な膨大影響力>だ。長くて嫌なら原子炉とでも呼べばいい。まあ、てめぇはここで焼き尽くされる運命だがな!混沌[アトムエネルギー]』


 アトムビジョンと名乗る女性は、手をこちらに向けると、熱線を放ってきました。


トルヴェザ

『神力[境界結界]』


 私の目の前に結界を張り、熱線を軽く防ぐ。私の結界を破壊することは出来ない。それは私は封印を司る者だからです。


アトムビジョン

『流石封印の神だね。森ひとつを簡単に炭に出来るほどの高火力の筈だけど』


トルヴェザ

『ありとあらゆる、変化を防ぎます。破壊も関係ありません。無意味です。諦めてください』


アトムビジョン

『ハハハ!原子炉の意味を理解しろ!質量保存の法則すらも破壊する、科学の矛盾の集大成!矛盾のあってはならない科学は矛盾で成り立っている!まあ、こんな面倒な解説は無しにして、原子炉っていうのは質量をエネルギーに変換する装置なんだ』


トルヴェザ

『ですが、物理的な攻撃は無意味です。私には効きません』


アトムビジョン

『それはどうかな?混沌[アトムボマー]』


トルヴェザ

『神力[隔離結界]』


 私を取り囲むように結界を張ります。そして、私の周囲で爆発が起きました。境界結界では防げない攻撃でしたが、これで効きません。


アトムビジョン

『これも想定済み!混沌[アトムボマー]』


トルヴェザ

『ですから。効きませ・・・!』


 結界内で爆発が起き、右腕を飛ばされました。後で修復するとして・・・厄介ですね。


アトムビジョン

『私は<現象>としての属性が強くてな。無差別なんだよ。細かい調整は出来ないが、レアル様と違って生き物にだって自由に攻撃ができる!言いたいことは解るな、てめぇの世界のやつらを皆殺しにも出来るんだよ!』


 そんなこと・・・させません


トルヴェザ

『私の世界に生きるもの達。それは、私の子供のようなものです。親は無条件に子を護るものです。絶対に貴方を行かせる訳には生きません。神力[隔離結界]』


 アトムビジョンを結界の中に閉じ込めます、これでここから動けないはずですが、どうやら攻撃は防げないようです。<現象>と言っていましたので、直接その場所に破壊現象を起こしているのでしょう。


アトムビジョン

『ハッ!混沌[アトムレーダー]』


トルヴェザ

『神力[トルヴェザクロス]』


 様々なところから熱線が飛んできますが、封印を施した十字架で攻撃を弾いていきます。


アトムビジョン

『あぁ、てめぇの得意技は封印だったよな?なんで使わねぇんだよ?』


トルヴェザ

『・・・あのような残酷な力。使うわけにはいきません』


 きっと皆。私の事を怨んでいることでしょう。彼等が私を殺したいと言うのであれば、それを受け入れるつもりです。ですが、この世界を見届けるまでは、死ぬわけにはいかない。


 封印・・・動くことも許さず、死ぬことも許さず、ただただそこに封じる。


アトムビジョン

『封印は使わないか、それならその封印を施した十字架で攻撃したらどうだ?』


 笑いながらそう問いかけてきます。まるで、私がそれを出来ないことを知っているかのように・・・


トルヴェザ

『私はただ封じるだけです・・・』


アトムビジョン

『やっぱりな、封じる故に、直接攻撃することを許されていないって所だろ?違うって言うんなら、何かやってみろよ』


トルヴェザ

『・・・』


 正解・・・。私は直接攻撃することを禁じられています。強力な力を持つ代償・・・


アトムビジョン

『まぁいいか、こっからでも<現象>の私は世界に攻撃出来るし』


 させません。何に換えてもさせません。私は護らなくてはならない、世界を受け持つものとして護らなくてはならない。絶対に


 一旦、隔離結界を解除します


トルヴェザ

『絶対に、私の子供達に手は出させません』


アトムビジョン

『ハッ!何も出来ないやつに何ができるんだ?混沌[アトムエネルギー]』


 熱線を放ってきますが


トルヴェザ

『私が攻撃をしなければ良いのです。神力[反射結界]』


 熱線を結界により防ぎ、その熱線をそのまま、アトムビジョンに返します。流石に軌道を読むのは簡単だったのでしょう、避けられてしまいました。


アトムビジョン

『あぁ、そうそう。私はてめぇに対して絶対の優位性を持ってるんだよ。混沌[針を壊した腕時計]』


 反射結界が消えていきました。


トルヴェザ

『・・・私の結界を解いたのですか?』


アトムビジョン

『ハッ!私は時間を破壊する能力を持ってるんだよ。てめぇの能力じゃ、どうにもできねぇよ!』


 時間の破壊・・・。つまり設置系の能力は全て無意味だと言うことになるわけですか


 仕方ありません。仲間を護るためならば、何でもしましょう


トルヴェザ

『私の罪を御許しください。神力[トルヴェザクロス]』


 十字架をアトムビジョンに向ける。永劫に近き苦痛を与えることを許してください


アンリペアラー

『はい、ストップだよー。私はアンリペアラー<壊しまくる完璧な修理>だよ。よろしくねー』


ヒートファン

『俺はヒートファン<高熱体絶対冷凍機>。すまない、レアルの陰謀を止められなくて・・・』


 私とアトムビジョンの間に現れたのは瓜二つの二人の女性。あまりにも似ているので見分けがつかない、左腕に腕時計を着けているのがヒートファンで、右腕に着けているのがアンリペアラーと覚えるしかないですね。


アトムビジョン

『何するんだ!溶接機、冷凍機てめぇら邪魔だ!』


 アトムビジョンを両サイドから押さえつける二人。味方なのでしょうか?


トルヴェザ

『あなた達は・・・』


ヒートファン

『申し訳ないが、俺たちもレアルの下僕だ。故に手伝えることは少ない。だが、ひとつだけ言えることはある。レアルの言葉に返事をするな』


トルヴェザ

『・・・それは、何かの制約ですか?』


 レアルは異様な力を持っているようですし、そのぶん大きな制約を持っていてもおかしくは無いですね


ヒートファン

『詳しいことは言えないんだ。だけど、守ってくれるならレアルは直接危害を加えることは出来ないと言っておく』


アンリペアラー

『そんなことより。バリアちゃんの様子を見に行った方がいいんじゃないかなー?』


トルヴェザ

『バリアに何かありましたか・・・?』


 十字架を構え直します。もし、仲間を傷付けるような輩であれば・・・どのような手段も行いましょう


ヒートファン

『勘違いしないでくれ。やったのはレアルだ。それに、肉体を破壊されただけだからそこまで影響は出ないだろ』


アンリペアラー

『そうだよー。私達<物質>は命ある存在に手出しなんか出来るわけないんだよー』


トルヴェザ

『・・・物質ですか?』


ヒートファン

『長話している時間はない。行くぞ、アトムビジョン』


アトムビジョン

『くそっ!離せぇー!』


 アトムビジョンはヒートファンとアンリペアラーによって所かに連れていかれてしまいました。そんなことよりも、バリアの様子を見に行かなければなりませんね




ポイズン


女性 魔族


能力

対視能力。病気にする能力


テラートとヘラルクの後に着いている事が多い。少なからずこの二人を心配しているらしい。赤茶色の髪で、三白眼気味

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