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犠牲的な機械

 沢山の石像が建ち並ぶ世界。いえ、世界と言うには狭すぎる。部屋と言った方がいいかしら


レアル

『それで?アタイをこんなところに閉じ込めてどうするつもりだい?』


バリア

『何を企んでいるか知りませんが、余計なことはしてほしくないといった筈よ?』


 レアルは未だにミラーワールドに干渉しています。災いを司る私は何やらよくないことを察知することもできる、このままレアルに勝手にされてしまえば、ミラーワールドを災いが襲うでしょう。それを防ぐためには・・・


レアル

『アンタごときにアタイをどうにかできると思ってるのかい?』


バリア

『時間稼ぎ位はしてみせましょう』


 トルヴェザにあまり迷惑をかけるわけにいかない、こいつは私がどうにかしなくては


レアル

『そういえば、トルヴェザに迷惑をかけられないとかいってたねぇ』


バリア

『それがどうしました?』


 レアルはニヤリと笑う。今の状況が楽しくて楽しくて仕方ないように


レアル

『トルヴェザの所にアタイの部下を送っといたよ。アイツはどーも血の気の多い奴でねぇ・・・』


バリア

『レアル・・・!?』


 動くのが遅すぎた!?


レアル

『おっと、アンタはアタイの足止めをしないとなんだろ?よそ見なんてしてられないよ?』


 仕方無いわね。愛用のバイオリンを取り出して一曲


バリア

『さっさと終わらせてあげるわ!響音[始曲命の育み]』


 私の奏でるバイオリンの音はこの場所。レアルを呼び寄せたこの世界にある人の姿をしたもの、石像に命を吹き込む。


レアル

『へぇ。命を吹き込む音か』


 バイオリンは私の手を離れ、宙に浮きながら勝手に演奏を続ける


バリア

『響音[継曲文明の開花]』


 次のバイオリンを取り出して演奏。この曲は知能を与える。音が響き渡り石像たちは立ち上がり動きまわり始める


レアル

『それで?何をしてくれるんだい?』


 その余裕、後悔させてあげましょう。また、バイオリンは私の手を離れ、勝手に演奏を続ける。


 また、次のバイオリンを取り出す


バリア

『響音[終曲争いの誕生]』


 争いの心を植え付ける音が響き渡る。元々心を持ち理性を持つ生物にはあまり効かないけれど、本来心を持たない石像や理性の薄い生き物であれば・・・


 石像達は近くの存在に攻撃を始める。敵も味方も関係ない、争いなんてそんなもの。

 四方八方からの攻撃を私は避け続ける、それはまるで踊っているように見えるらしい


 区別なく攻撃をする石像はレアルにも襲いかかった


レアル

『確かに面倒かもしれないね。でもこの程度か』


 レアルは石像の拳を避けようともせず、ライフルを取り出すと石像を撃ち抜いた


バリア

『流石ね、そこまで貫通力の高い銃なんてそうそう無いわ。でも、無駄よ』


 所詮は石像。銃で撃ち抜かれた程度では止まらない。そのまま、レアルを押し潰す


レアル

『だから、その程度か?』


 後ろから声が聞こえる。振り向くと後ろにもレアルが居て、手榴弾を投げつけてきた。咄嗟に石像を盾にして防ぐが、爆発で石像の一部が粉砕し、煙で視界が悪くなっている


バリア

『視界を悪くしても意味無いわ。石像達は自動的に動くだけ・・・』


 三発の銃声が聞こえたあと、バイオリンの音が止んでしまった。煙が晴れ、確認すると見事に撃ち抜かれてしまっている。


 音が止んでしまった以上は、石像達はもう動かない


レアル

『それはアンタの能力だろ?神としての力を使ったらどうだい?』


バリア

『煩いわ。神力[争う石]』


 レアルの後ろで止まってしまった石像がまた動きだし、レアルに拳を降り下ろす。


レアル

『同じことばっかでつまんねぇよ。アタイを楽しませてみろよ!』


 どこからか取り出したロケットランチャーで石像を粉砕されてしまう。・・・そもそも私は戦闘にむかないのよ。私の争いを司る力は、争いの心を植え付ける事ができるけれど、制約として規模が小さければ小さいほどその強制力は弱くなる、争いとは規模が大きくなればなるほどに力を増すものであるため。レアルと私の争いという規模では自我の無い石像数体が限界。音を使った方が広い範囲に効果を及ぼせる


バリア

『残念だけれど、私には手札がないのよ』


レアル

『はぁ?災いはどうしたんだよ?』


バリア

『あれは私の能力じゃないわ』


 そもそも、災いを司るなんて不本意過ぎよ。争いに関しては元々そんな能力者だったから仕方ないけど。それに、災いは使うわけにいかない


レアル

『ああ、なるほど。アンタはアタイが何をしようとしているのかわかっていない。つまり、内容が解らないんだろ?』


バリア

『くっ!』


 当たりだわ・・・。災いを起こすにしても察知するにしても内容は把握できない。そんな制約があるため、迂闊に使うこともできない


レアル

『はーあー。所詮はその程度か』


バリア

『まだよ!神力[争う石]』


 今の限界数。14体の石像がレアルに向かって歩き出す


レアル

『全く、もうアンタは飽きたんだよ。アタイはもっと面白い事をするから、さっさと消えてくれない?』


 レアルはそう言うと1つのミサイルを取り出す


バリア

『たった1つのミサイルで何ができるとでも』


レアル

『アンタも元研究員なら核兵器ぐらい知ってるだろ?その中の一種、水爆さ』






ヘラルク


魔族 男性


能力

光術能力。障壁を張る能力


白髪だらけの穏和そうな少年、若いというか幼い。かなり高い強度の障壁を張ることができる。よくテラートに連れられている

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