一手の傀儡
テラート
『ここに紋章を勝手に弄くったグドクとか言う愚か者は居るか!』
暫しバグ側からの干渉は無かったのですが、とうとう刺客?が現れました。テラート、ヘラルク、ポイズンの三人です。
このテラートという人物はグドクが勝手にオリジナルの紋章を弄った事が気に入らないようで、怒りを隠そうともしていません。
ヘラルク
『ねぇ、テラート。急に来るから皆困惑してるよ。手紙でも出しといた方が良かったんじゃない?』
ヘラルクという気弱そうな少年はこちらを気遣っているようです。一応敵なのですから、手紙を出すというのも微妙な気もしますが
ポイズン
『正直どうでもいいよ。さっさと用件を済ませな』
ポイズンという人物は本当に興味が無さそうです。全くやる気を感じさせませんが、それで良いのでしょうか?
クラウタ
『バグ側の様子はどんな感じ何ですか?』
ポイズン
『正確には私達も知らないね。バグの世界は反物質の世界だからさ、入ることが出来るわけないだろ?』
クラウタ
『ええ、そうですね。呼び出された人では対処出来ませんよね』
ポイズンとクラウタは適当な会話をはじめてしまいました。その事がテラートの怒りに油を注いでいるようです。
テラート
『だから、さっさと出てこいグドク!臆病者め!』
グドク
『全く騒がしいですね。私がグドクです』
ようやく、グドクがやって来ました。ついでに、セイリュウも来たようです。
テラート
『覚悟しろ!』
テラートはグドクに向かって剣を振り回しますが
グドク
『お粗末ですね。剣技[逆車]』
グドクは刀を使い、テラートの剣を弾いてしまいました。
テラート
『このっ!!魔法[ファイア]』
地面が爆発します。グドクとセイリュウは間一髪で逃げましたが
グドク
『セイリュウ、逃げますよ』
セイリュウ
『何で俺様まで巻き込まれてんだよ?』
テラート
『待て!逃げるな!魔法[ファイア]』
ドーンと大きな爆発。逃げるグドクとセイリュウ、それを追いかけながら爆発の魔法を使うテラート
ヘラルク
『テラート!待ってよー!』
追いかけるテラートを追いかけるヘラルク。何だか混沌としています。
セイリュウ
『どうにか出来ないのか?』
グドク
『どうにか出来ると思いますか?』
テラート
『魔法[ファイア]』
段々と一帯が穴だらけになっていきます。
グドク
『どうにか出来ませんか?』
セイリュウ
『属技能力は武器が無いと使えないんだよ』
セイリュウはいつもやけに大きな弓を担いでいますが、今回は持ってないですね
グドク
『ですよね。紋章[五亡星の束縛]』
グドクは何やら紙を落とし、テラートがそれを踏むと、動きが止まりました
グドクはそんな能力を持っていたでしょうか?剣技しか使えなかった筈です
テラート
『おまえ!一体何をしやがった!』
テラートは紙を踏みつけたまま、その状態から未だに動けないようです
セイリュウ
『グドク、あれは何だ?』
グドク
『あれは束縛の紋章の書かれた紙です。マカルクの紋章を解析しながら、紋章そのものを調べていたのですよ。魔力によって世界の影響力を強制的に引き出す、それが紋章能力のようです。紋章の違いによって引き出す影響力も変わるようですね』
セイリュウ
『おまえ、紋章能力なんて持ってたか?』
グドクは紋章能力なんて持っていない筈です。そもそも、この世界に紋章能力を持った存在は今のところ現れてはいないはずなのです
グドク
『世界に直接力を借りているので、擬似的に紋章能力が使えるようになったのですよ』
それは世界と会話の出来るグドクにしか出来ないことですね
セイリュウ
『それにしても、こいつどうするか』
テラート
『さっさと解除しやがれ!魔法[ファイア]』
動きを封じられているだけなので、能力は使えるんですね。爆風を受けてしまったセイリュウは砂だらけになっています。
セイリュウ
『この野郎。よくも俺様に』
セイリュウはテラートに近づき、ほぼ密接します
テラート
『おまえ!何を考えてる!』
セイリュウ
『ハハハ!これだけ近くにいればお得意の爆発も使えないだろ!』
そうですね。あの至近距離で使えば自分も巻き込まれますからね
テラート
『魔法[グレイファイア]』
特大の爆発がセイリュウとテラートを巻き込みました。爆風が晴れると、二人は気絶して倒れています
グドク
『ちゃんと持ち帰ってくださいね』
ヘラルク
『ごめんなさいごめんなさい』
レイメル
魔族 男性
能力
魔法能力。雷、風属性の魔法を扱う能力
思慮の浅い言動が目立つ人物。本人はバグ側のと全く関わるつもりがなく、争いからは逃げたいと思ってる。金髪で背の低い




