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世界に満ちる

透明な風


それは

きっと

見えぬ誰かと

知らぬ誰かとを

繋ぐ架け橋



吹き付ける風を感じて

そう思った


ふと、目の前を

風に吹かれた帽子が通った


思わず目を向けた


「誰のだろう?」

呟きは風にさらわれて

誰かの元に運ばれる


「あーっ、私の帽子!」

そんな声が響いた


叫んだ少女は駆け足で

僕の前を通り過ぎた


その一瞬

彼女の風が

「この子のだよ」

そう答えた気がした


遠ざかる彼女を見ながら

「しっかり被りなよ」

風に乗せて呟いてみた



帽子を拾って

汚れを叩いたすぐ後に

「ゴメン、待たせた!」

連れに向かって叫びながら

再び僕の横を通り過ぎる


彼女の風は

またも答えた

「しっかり被ったよ」

きっと苦笑いしながらね



「繋がったかな?」

僕も苦笑いして呟いた



また風がさらっていく

知らぬ誰かに、ね

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