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夕暮れに(黄昏時コンテスト)
この夕暮れを形容すべき言語など……
輝きはまたたく間に街を流し
沈黙の地層から滲み出でた
逆巻く人びとの影にたゆたう
わたしは一つの石塊であった。
地平から幾筋にも分岐した時間は
人びとの膝下までを金色にぬらして
いのちの底へといざなっている……
わたしの上で身を翻したのは、
きっと、いつかの、わたしの、しっぽ。
耳を傾けなければ、
うちへむけて、傾けなければ。
忘却にこの沈黙が紛れるまえに。
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