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夕暮れ
空を見上げてみる
傾いた陽の光が
赤く世界を染め上げる
刻一刻と沈む夕日
薄まる茜と
深まる闇は
やがて訪れる夜の闇と
消えて行く昼の光の
二重奏さ
この時間だけは
対極が交わって
より美しく
より鮮やかに
光を放つ
夕暮れの世界
それは
僕ら人にとっての
理想の世界
消えゆく光を見ながら
そう思ったんだ
夜と昼の様に
僕らも手を取り合って
黄昏の様に
僕らももっと
希望という光を
美しく煌めかせたら
この世界から
傷付け合いが消えて
みんなで笑いながら
この景色を見れるんじゃないか
ただただそう思う
空を彩る光は僅か
深い青が世界を染める
「あぁ消えていく」
理想の輝きは
闇深き夜に沈んでいった
空を見上げて
名残惜しむ様に呟いても
何も変わらない
ただ一つの色が支配して
それは僕らの世界のよう
「明日も来るよね?」
絶望の空を見上げて
言ってみた
消えた夕暮れに思いを馳せて
「僕らも、あんな風になれたらなぁ」
叶わない世界を祈ってみた
「何時かはきっと・・・」
見えぬ明日に希望を託した




