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刹那に


聖像は苔むした時の

説話の一節になりはて

燭台の火はたえて久しい

泡沫のような祈りが

木霊する聖堂に

埃掃くものはなし

柱から伸びる影の淋しさ

硝子に乱反射する朝日

縋るものなぞあるものか

祈ることなぞあるものか

この光、この刹那に

語ることなぞあるものか!



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