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調和にとける
真球の均衡を撫ぜる
指の白に秘する輝きの
調和する微小の庭園。
近似した平坦をゆく
雑踏の喧騒、群は
不調和である。
しかして太陽よ、
蒸発の許されぬ
赤銅の悲鳴で
俺を睨め付けるな。
俺もまたかの業にて
頭蓋といふ不均衡を
奪われんと争うに
這う這うなのだ。
あゝ、そこで泣く
お前の頰にさす赤こそ
なだらかな荊……
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