夜話2.5「イイコワルイコ」
「・・・さて、もう眠ったころかな? このお話にはまだ続きがあるんだけれど・・・イイコには言えないなぁ。・・・さて、ここまでスクロールしちゃったワルイコに、お話しちゃおうかな?」
あくる日、イザーヤはいつものように町の人々に嫌がらせをしていました。
いつもなら、この時間帯はみんなが眠っているはずです。
しかし、今日は事情が少し違います。
なぜなら、みんなが目を覚ましているのです。
そして町の一角にある大きなお屋敷に町のみんなが集まって、集会を開いていました。
彼らが話していたのは紛れもない、イタズラっ子のイザーヤのことです。
イザーヤは町のみんなを驚かせようと、扉の影に隠れて話を盗み聞きしていました。
しかし、イザーヤは途中で何も聞くことができなくなっていました。
なぜなら、彼らが話していた内容はイザーヤを処分するお話だったからです。
もともとはイザーヤを驚かせる『透明人間作戦』。しかし町の人々は日々の鬱憤からか、イザーヤにイタズラをしてしまいました。
そうすることで、イザーヤがみるみるうちに悪い子と成り果ててしまいました。
手に負えなくなった町の人たちは、ついにイザーヤを処分することに決めたのです。
「なんと滑稽なお話なんでしょう。イザーヤは大好きな町の人々からの贈り物で、自分の心を悪に染めてしまいました。そして、ついには処分されるのです・・・。」
黒い本を閉じながら、彼は言う。
悲しいものを見つめるかのように、目を細くして儚く笑った。
「・・・悪い子には、とっておきなお話だったでしょう?」




