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 02

 結局、今回の事件ではサンライズも特別対策班に入れられてしまった。

 もちろん、ハルさんもそうだけど、彼はデスクワークだし、結局外を駆けずりまわるのは、オレとかそのあたりなんだろうな。心の中でぶつくさ言ってみる、が飲み連れが狙われているのはやはり、かなり手痛い感じはある……そうとでも思わないと、何だか切なくて真面目に向き合えない。

「予告状がまた来るかもな」

 言ってるうちに、数日後。もう一通がやはりメール便で届いた。

 同じく黒い封筒に、黒カード。

「前回は失礼いたしました。明日以降から今週中に、貴方を殺害させて頂きますので……」

 似たような文面だった。春日が、紙を鼻に寄せる。

「変なニオイ」

 どれどれ、その場にたむろしているヤツらが次々と、紙の匂いをかぐ。

 サンライズの番。くんくんとかいでみるが、これは紙の匂いじゃないのか? というくらい。しかし一瞬だけ、刺激の強い香辛料のような甘い香りがした。

「何となく、知ってるような」「くっせえな」「おめえの靴下の匂いだろが」

 みな口々に色んなコメント。そこに総務課統括室の陳が通りかかった。

「あ、陳さんこの匂いわかる?」

 通りかかった人間すべてに、香りあてクイズをさせるらしい。陳さんは相変わらずの無表情で紙を手に取って、少しだけ香りをきくと

「八角かな?」

 ハッカク? 何それ、ロッカクバシじゃないの? と言ってるヤツもいる。

 誰かが気がついて叫んだ。

「わかった、中華料理!」

 ああ、みんな納得して、陳さんもうんうんと言いながら去ろうとした。去り際に、珍しくしみじみと言った。

「他にも、香辛料みたいなのが混じってるかも。何か懐かしい匂いだね」

 そしたら陳さんも、忙しいのに特別対策班に引きずり込まれてしまった。

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