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 02

 特別対策班で緊急に会議が始まった。

 依頼主についても、春日には特に身に覚えがないのだそうだ。強いて言えば、かつてリーダーとして働いていた頃に関わったヤツらくらいか、と。


「どこかに恨まれてるか? さて……いっぱいあるからなあ。『覚悟してろよ』ってのは時候の挨拶程度だしさ」

 しごくあっさり、そう言った。


 意外なことに、後から入った陳がヒントをくれた。

「ああいう招待状、扱ってる店わかるかも」


 横浜の中華街に親戚の一族が住んでいて、雑貨店を営んでいるそうだ。その店であのようなカードを見た覚えがある、と。

 八角の香りも気になる。

「言いたくないけどさ」

 陳は、相変わらずのポーカーフェイスのままだった。

「あの街にも、まあ、ひとつか二つくらいは、やりそうな団体があるからなあ」


 もちろん、犯罪抑止を生業とするMIROCに協力してくれるまっとうな組織だっていくつもある。しかし、彼らどうしのつながりは非常に複雑で、一概に誰が味方で誰が敵、という区別はつきがたいのだと陳は淡々と語った。


 それでも、誘うなら中華街を使おうか、と急に話がまとまった。


 まずはフリの客を装った工作員がコーヒーショップにいる彼に発信器をつけ(シブヤとルイのうち、さりげなさが売りのシブヤに決まりそうだった)、それから、サンライズが誘い出す。

 やり方は、「つかまらない程度に近くをうろうろする(by支部長)」のがいいだろう、と。

 実際は誰にも内緒だが、エリーの感応力に頼るしかなさそうだ。


 あたふたと準備ができた。サンライズはえりに発信器とマイクをつけられ、新横浜の世間の荒波の中にぽい、と放り出された。

「がんばれよ」

 と一応声はかけてもらいはしたが。

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