俺にはおっさんと言う名の加護神が見えている
他の作者の方の小説を読んでいて勢いで書いてしまいました。
第1弾。
テーマは『VRMMO』『おっさん』『男の友情』『最弱最強』です。
ですが主人公は少年です。
「おいユウ、今日は狩に行かないのか?」
俺にはこのVRMMOの加護神(?)が見えている。
そう……諸君等にはこの世界でゲームクリアを目指して貰う。自らの命を賭けて……
合成された電子音が無慈悲な言葉をこの世界に告げた時。
「ふざけるなぁぁあああああああ!!!!!」
男性特有の野太い声が全てのプレイヤーの悲鳴をかき消した。
そして、その数秒後に一人の人間が倒れる音がした。
このゲームの全プレイヤーのステータス画面には、ふざけているのかと言いたくなる<加護>が記載されている。
-------------------------------------------------
ユウ:人間:LV25
-------------------------------------------------
HP:300
MP:550
ATK:325
DEF:210
INT:213
貴方の今日の運勢:大吉
-------------------------------------------------
<スキル>→スキルページ(開く)
-------------------------------------------------
<加護>
『おっさん』の加護
『闘神』の加護
『森精霊』の加護
『川精霊』の加護
『四元素精霊』の加護
-------------------------------------------------
<称号>神の愛子→その他称号(開く)
-------------------------------------------------
お分かりいただけただろうか?
ちなみに説明文を見るとこうなる。
-------------------------------------------------
『おっさん』の加護。
プレイヤー『おっさん』による加護。
HPが1になった時、一番近い町(攻略済み)へ強制的に転送される。
ただしデスペナルティーは受けなければならない。
-------------------------------------------------
おっさんの功績により犯人の思惑から外れて、このゲームは完全なデスゲームからは脱した。
ただそれも完全では無く一ヶ月経った今現在、5人の犠牲者が出ている。
しかし、今まで死に戻りしたプレイヤーは150人を越すといわれている。
おっさんは150人の人の命を救った英雄だ。
ここでおっさんの詳しい説明をしよう。
プレイヤー名『おっさん』は言葉通り外見もおっさんであり、黒髪黒目、黒い髭、少し焼けた筋肉質でがたいの良い身体をもった自称35歳である。
その正体はなんとVR機器の製作者。
容姿は殆ど弄ってないが、常に研究室に篭っていることが多いので肌は白いらしい。
見た目が体育会系な癖してまさかの引きこもりである。
おっさん曰くあの時、内側からハッキングをして<『おっさん』の加護>をひねり込んだらしい。
しかしおっさんの身体は犯人からの攻撃による加護消去からの防衛の為動かせなくなったとか。
この事件を起こした犯人にとって『デスゲーム』を阻害するおっさんは邪魔者。
しかし意識不明(?)で寝たきりのおっさんはずっと街に居る。
街には基本的にモンスターは入ることが出来ない上に外に出たとしても加護がおっさんにも効く。
そのおっさんを守る絶対防御結界をはずすことが出来るのが『都市防衛戦イベント』。
犯人はおっさんを強制退場させるために頻繁にこのイベントを仕掛けてくる。
愉快犯VS最前戦全プレイヤーとなった通称『加護神防衛戦』『おっさん防衛戦』の始まりである。
ちなみにおっさんを守るためのギルド『加護神守護ギルド』なんてものも存在するのだから驚きだ。
他のプレイヤーからは『おっさんのおっさんによるおっさんのためのギルド』と揶揄されることもある。
幹部が全員おっさんだからである。ちなみにおっさんがこのギルドに入っている訳ではない。
おれは1%の尊敬と9%の敬意と90%の遊び心を持って『おっさんズ』と呼んでいる。
そして俺には何故か幽霊のようになったおっさんが見える。
最初は俺の職業である『加護者』が関係あるのかとも思ったが(なんたって加護神だしな)
他の『加護者』に確認してもらった所見えなかったので違うようだ。
「忘れたのか?今日はおっさんの防衛戦だよ」四回目の。
『都市防衛戦イベント』は最低一週間前に告知する義務がありご丁寧なことに犯人は毎週仕掛けてくる。
「……いつもなんか悪いな」
おっさんが気まずそうに髭をかく。
「気にすんな、俺はおっさんからは何時も色んな情報貰ってんだ。ギブアンドテイクだろ?」
それに最前線プレイヤーがおっさんを守るのは<加護>のためだし。
ちなみに俺も最前戦プレイヤーだ。
あだ名は『最弱』。史上最低レベル、最弱職のお荷物プレイヤーだそうだ。
―王都防衛戦イベントまであと5分です
何所からかそんなアナウンスが聞こえる。
「それじゃあ行こうか」
「置いてくなよ、俺を」
そう、俺には『おっさん』と言う名の加護神が見えている。
ゲーム設定に対する矛盾は温かい心でスルーしていただきたいです。
裏設定でこの主人公はレベルアップボーナスを全部MP及びATKに注いでいます。
感想お待ちしております。