Episode5 きらあれおのろにんいおの
だんだんとギャグが薄れてきた……
うん。
朝露詩奈さまありがとうです(*・ω・*)
ではどーぞ☆
次に現れたのは、片手に黒い液体が入ったペットボトルを持った、痩せた男子生徒だった。
「豊臣秀吉れす。コーラが好きれす。あろ、お金も好きれす。バイト10件掛け持ちしれます」
補足すると、秀吉は(お分かりの通り)滑舌が悪く、貧血気味でもある。
天井に掲げる黒い液体……コーラを持つ手が震えている。
「キミ、無理するなぽよ☆」
「あ、らいりょーぶれす。にりようしゃひゃんじなんれ」
「ん?にっ……にりよー……ひゃひゃっ?」
明らかに松陰の頭上にはクエスチョンマークが浮かんでいるので、秀吉の滑舌の悪さに慣れている木戸が通訳をする。
「あ、日常茶飯事のことです」
「ああ、日常茶飯事ぽよね☆……そのわりに、自分の名前は滑舌いいぱおね☆」
松陰が笑顔で言った。
「……にりようしゃひゃんじれす」
続いて、無表情で無愛想な眼鏡をかけた男子生徒が前に出た。
「明智光秀です。好きなことは勉強。誰にも負けるつもりはありません。それと、運動も好きです。こちらも負けるつもりはありません」
眼鏡をクイと軽く押し上げて、明智は微かに表情を変えた。
ムカつくどや顔だ。
クラス全員が『はやく戻れよ』と言いたげな顔をしている。
が、明智は気にせず、話し続ける。
「皆様は、グロテスクなものについてどのようにお考えですか?僕は、あれ程までに感情を高ぶらせるものに出会ったことはありません――」
(またその話か!!!!何回目だよ!!!!!!)
クラス全員がそんな表情を浮かべた。
と、そこで松陰が棒読みで一言。
「わー、すごいぱおー☆うん、席戻ろうかぽよ☆」
熱弁していた明智の表情が引き攣った。
今まで、明智の熱弁を遮ったものはいなかったからだ。
「先生は、人の話は最後まで聞く、ということを教わっていらっしゃらなかったのですか?最近の人間は――」
「平常点下げるぱおよ☆?」
さすがの松陰でも、イラッときたらしく、とうとう教師の権限を使った。
これは、成績を上げることに快感を覚えている明智にとって、効果は大だった。
目を細めたまま、席へと渋々戻って行った。
(さすが先生!!!!!)
松陰の好感度が少し上がった瞬間であった。
続いて現れたのは、小太りでたぬき顔の男子生徒。
「徳川家康です。学級副委員長やってます。よく『たぬきに似てる』って言われます。自分でもそう思います」
太い声を発しながら、家康は汗を拭った。
メタボリックシンドローム寸前、汗かきの家康は、みんなの人気者だ。
図太い神経の持ち主で、何を言われても全てポジティブシンキングで返す、ある意味強者だ。
「これからよろしくお願いします」
「キミは人気者なんだぱぴろん☆こちらこそよろしくぷるりん☆」
自己紹介はまだまだ続く……




