Episode16 愛ゆえに割愛←
ふふ腐、
素晴らしいペースだ!←
土方たちがそんなやり取りを繰り広げていた頃……
「しんさまー!清原と一緒に帰りましょ!」
「うっせえ。散れ」
と、なんだか似たようなやり取りを繰り広げる者たちがいた。
「しんさまー、そんな冷たいこと仰らずにぃ」
前話とカブるため、このやり取りは割愛させていただこう。
ところ変わって、生徒たちの帰り道。
高校生にもなって、ガチャポンマシーンの前に群がっている龍高生がいた。
「メイド天使・ネコミールのガチャポンぜよー!絶対ほしいぜよ!」
「もう、りょうニャンったら、浮気?」
「イチバン愛してるのはおりょうちゃんぜよ!でも、どうしてもロイヤル・ネコミールのフィギュアがほしいぜよー!」
「もう、りょうニャンったらぁ」
などと暑苦しい会話をするふたりを尻目に源義経がガチャポンを回した。
「わあ、なんかスゴイヤツ出てきた!」
「それは、ロイヤル・ネコミールのメタリック塗装バージョンぜよ!滅多に手に入らないレア物ぜよー!義経、それほしいぜよ!」
「えー、でも俺が出したのだし」
「まあまあ坂本、お前も回してみればいいじゃないか。いただきまぁす!」
近藤に背中を押された坂本は、渋々マシーンにコインを入れる。
「あ、ロイヤル・ネコミールぜよ」
「りょうニャン、よかったじゃないの!」
だが、一度メタリック塗装バージョンを目にしてしまった影響は大きく、おりょうに励まされても、坂本は上の空のようだ。
「龍馬、そんなにほしいならやるよ。別に俺ほしいわけじゃないしさ」
「ほんとかぜよ⁉」
義経はにっこり微笑んで、坂本にフィギュアを渡そうとした。
だがその時、極度の運動音痴の義経はよろけて転んでしまった。
コロコロと転がったカプセルは車道に飛び出し、無残にも車に踏み潰されてしまった。
「あぁ!わしのロイヤル・ネコミールが……」
カプセル諸共粉々になったフィギュアを見つめながら、坂本は肩を落とす。
「ごめん、龍馬……」
辺りに重い空気が漂う。
「みんな、そんなに暗くなるなって!またメタリック塗装を当てればいいだけじゃないか!いただきまぁす‼」
沈黙を破った近藤の呼び掛けに、一同表情が明るくなる。
「よーし、出て来い、メタリックゥゥゥゥ‼」




