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ヘドニア

作者: 雪傘吹雪
掲載日:2026/10/30

「これも結構いける」


 広葉樹になっていた赤、黄、青のキャンディーを摘まみ取る。ひとつまみサイズのそれを口に放り投げる。パチパチと小さな破裂音を立てて、ゆっくりと唾液に溶ける。意外にも優しい味わいとのコントラストが、摘む度楽しい。


 ペロペロキャンディーがなる木も見つけたことがあるけど、あれはあまりにも高過ぎて、とるのは諦めてしまった。地面に落ちたものは食べたくないし。それに対してこの木は手が届く高さに実がなるから都合がいい。


 最初、ここに辿り着いた時は心底驚いた。だって、ここにあるものは、植物も建物も、全部お菓子でできているのだもの! でも蟻はいない。不思議よね?


 でもすぐに理由は分かった。

 これはきっと夢なんだ。ちょっとだけ長くて、ちょっとだけ温かい。


 もし誰かに呼ばれていても気づかない。だから、この素敵な悪夢は終わらない。


 私はいつまでも魔法使いのままよ。

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― 新着の感想 ―
情景が思い浮かびますし、ほんわかとした話なのが良いですね。
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